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一本の動画が4500人登録と110万回再生された話

目次
・はじめに
・設計1年半
・欲を駆り立てる
・伝家の宝刀
・グルメにけるタナトス
・もうひとつの要素
・アポなし訪問
・バズるメカニズム
・最後に

はじめに

話をわかりやすくする為に、今まで自分が何をやってきたかを軽く説明したい。
7年ほど前にYouTubeを趣味で初め、その1年後くらいに動画を量産して小銭を稼ぐ一派と知り合うことになった。その頃はYouTubeパートナープログラム(いわゆる収益化)がゆるかったせいもあり、月に10万円くらい稼いでいるという友人の勧めで教えてもらう事にした。
そこでは“テキストロール”という動画を量産していて、どこかのブログをリライトして映画のスタッフロールのように流すという物だ。
これをひたすらやり込み、1日10本寝る間も惜しんでやり込んだ経験がり、この経験がYouTubeユーザーの属性を理解する大きな出来事だったように思う。

設計1年半

それから4年後、実写動画からはしばらく遠ざかっていた自分だが、久しぶりに実写をやってみたくなり設計を開始する。
YouTubeはどのジャンルをやるかで再生回数が大きく違う(もちろん収益も)。誰も手をつけてないニッチなジャンルを耕すという方法もあるが時間がかかる為、プロらしく一気に登れる「料理(グルメ)」というジャンルでやる事にした。
ここまではサラッと決まったのだが、そこにどんな要素を盛り付けるかに時間がかかり、決まった時には1年半が経っていた。

欲を駆り立てる

食というのは欲である。
つまりは本能の求めるものであって、人間である限りそれを欲するだろう。というのが大概の人の見解だと思うが、グルメ系でも失敗しているチャンネルはたくさん存在する。つまりはただの撮って出しではダメという事だ。
色々な要素を盛り込む事によって、はじめて見てもらえるチャンネルになる。その要素の独創性が唯一無二のチャンネルになると信じているので、私は伝家の宝刀を抜く事にした。

伝家の宝刀

エロという要素を盛り込むとバズる可能性が高くなる。これはみなさんご存じの事でしょう。しかし、近年では規制が厳しくなりエロを盛り込むと収益化剥離だけではなく、時にはBAN(チャンネル閉鎖)の可能性まであるもんだから、素直に盛り込むわけにはいかない。
私が思う伝家の宝刀とは『タナトス』である。
[タナトス]とは[エロス]の反対語にあたる言葉で、「死への憧れ」と私は解釈している。
例えば、溶けていくロウソク、壊れるビル、刃物の刃先など、思わず見てしまって何か心にムズムズくるような感情、これこそがタナトスであり人間の隠された欲である。
これをグルメチャンネルに盛り込もうと思った。

グルメにおけるタナトス

グルメにおけるタナトスは『クッキングライブ』である。食材が切られて行き細かくなっていく様子。生の状態から火が入り色が変わっていく様子などがタナってる訳だが、もっともタナってるのが「活き造り」だ。
生きている食材をその場で切り刻む。これこそが合法エロならぬ合法タナである。
「趣味が悪い」と言われてしまいそうであるが、ヒットする物には必ず複雑なアルゴリズムがあって、巡り巡ってエロやタナを盛り込んでいる事もよくある。これに目を背けるのは損な気がする。

もうひとつの要素

[グルメ]+[タナトス]これで主役は揃った訳だが、もう一つ[食べ歩き]系の要素も盛り込む事にした。
『料理』というジャンルは「自分でやる」か、「人にやってもらう」かの二択になる。「人にやってもらう」というのはお店で見せてもらうという事。ここは人にやってもらった方が大幅に楽である上に、自分でする場合捌き方のミスなど細かいところを突っ込まれて伝えたい事が伝わらない気がしたので、後者を選んだ。
[グルメ]+[タナトス]+[食べ歩き]かなり強力な布陣が揃った。

アポなし訪問

方向性が決まった後は、ひたすらグルメ情報を集めた。その中で要素を満たすお店が見つかったので、アポは取らず突撃して現地で許可をとる事にした。
そのお店は踊り食いを出すお店で、見た目のエグさからメディアやSNSでほとんど取り上げられる事がない料理だったが、確実にバズると確信していたので編集でピクピクしている様子などを強調し、怖いけど見たい!見たいけど怖い!みたいな心理を誘発させることを心がけた。
結果からすると先のアポなしレポートも功を奏し、店主の人柄も伝わったようで、「良い雰囲気」というコメントも続出した。

バズるメカニズム

YouTubeにおけるバズるメカニズムは複雑ではあるが、間違いない事実がひとつある。
それは『コメント欄が盛り上がる事』
動画に賛否両論あり、コメンター同士がレスで討論をする状態をYouTubeの神は良しとしている。※このレスという所がミソ。
つまりは悪い事はしてないけど賛否両論ある動画は伸びやすいので、物申す系や無茶な検証など伸びるのはこのおかげである。
このアルゴリズムの動きで、この踊り食い動画はジワジワと伸び、公開11ヶ月後に100万再生を突破した。再生回数と登録者数は必ずリンクするので、4500人増となった。
この動画は1年経過した今でも回り続け、現在は110万再生を越えている。

最後に

YouTubeは自己表現やマーケティングなどの色々なツールとして使えるSNSではありますが、再生回数は必要ないというのは意地っ張りの言い分だと思います。
闇雲に設計するのは目隠しして弓矢を放つ事と同じで、的に当たるのは運がよかったとしか言いようがありません。
しっかり設計する事で、この運の部分を少なくし、狙って多くの人に見てもらう事ができるようになるのです。

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