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スーパーカミオカンデのタンクの中を見てきたお話 その1

みんな大好きスーパーカミオカンデちゃん、パワーアップのためのメンテナンスで、2018年に12年ぶりにタンクを開けた際にその中を見学させていただいたときのお話です。

今記事のスーパーカミオカンデに関する写真の転載は特にダメです。


スーパーカミオカンデにはなかなか見つけることができないニュートリノを捕まえるためにでっかい水タンクを用意しているのですが、メンテナンスをするにあたって、その水位をゆっくり下げていきます。水面の上にボートや足場を作って、その上にタンクの天井からゴンドラで降り、側面にあるフォトマルくんこと光電子増倍管のチェックや交換、タンクの壁の洗浄や水漏れ防止の作業を行っていくわけです。

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お伺いしたのは2018年7月半ば、ちょうどタンクの水が半分くらいになったタイミングでした。

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神岡鉱山の中のスーパーカミオカンデの実験区画への入り口。研究員作業員のみなさまの靴がたくさんあります。

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これは実験区画の中の、研究員がスーパーカミオカンデの様子をチェックしたりする部屋の写真。モニターの右はタンクの上からの映像、左は以前スーパーカミオカンデでなにかを観測したときのフォトマルくんの様子をかっこよくディスプレイしたもの。

スーパーカミオカンデのタンクの中に入るにあたって、タンクの中の空気はきれいな状態に保たないといけないので、服や髪の毛についたホコリが落ちないように上下つなぎの白い服を着てキャップを付けなければいけません。また万が一、タンクの中の水に落ちても大丈夫なように救命胴衣を着用します。さらにタンクの中に持ち込むものには必ず「ストラップ」をつけて、身体にどこかに引っ掛けた状態にして間違っても水に落とさないようにしておきます。落としたら大変だからね!

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緑色のかごがゴンドラ。これに乗って写真中央の穴からタンクの中へ降りていきます。

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スーパーカミオカンデのここのあたり。

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タンクの上の穴からタンクの中を覗いてみた様子。フォトマルくんのキラキラと青い水面と浮かぶ足場となんかもういろいろすごい感じ。

ゴンドラを使ってタンクの中に降りていくところ。タンク上部の構造、タンク上面のフォトマルくん、そしてタンク内部の様子、水面が徐々に見えてきます。ギューンという音はゴンドラの運転音です。(声などが入ってしまっていたので音声は多少編集しています)

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タンク上面のフォトマルくん。

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タンクの上方から下のフォトマルくんを見下ろした様子。

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水面と水中のフォトマルくんたち。水がとても青く見えます。

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タンク上方の穴から降りてくるゴンドラ。

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ゴンドラは水面に浮かぶ足場に着地します。

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タンクの水面に浮かぶ足場と移動用のボート。

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たくさんのフォトマルくん。

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見上げてもフォトマルくん。

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水の中を覗いてもフォトマルくん。

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寄ってみてもフォトマルくん。

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結構大きい(50cmくらい)フォトマルくんがアクリルとFRPでできた容器に封入されています。

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フォトマルくんをひとつずつチェック。

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調子の悪いフォトマルくんは外して交換します。

鉱山の中は基本的に涼しいというか寒いというかそのくらいの気温なのですが、クリーンルーム用の服を着て救命胴衣を着て動き回っていると、まわりの湿度とあいまってなかなか暑くなってきました。ここで作業し続けるのはなかなか大変そうです。


長くなったので後半に続きます。


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