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鉄道のまちの"がいな"ロードを歩く

今回から"ちょうどいいマチ"米子近辺を実際に歩き、見えた景色を写真と共に紹介する"#歩き出そう"シリーズを始めます。


7月29日、ついに待ちに待った米子駅新駅舎と米子駅南北自由通路、通称がいなロードが共用開始されました。

鉄道のまちとして栄えてきた米子。その玄関口となる米子駅には南側出口がなく、南側に行くには20分程度かけて西側の跨線橋を渡るか、東側の開かずの踏切を通るしかありませんでした。

昔から踏切横に申し分程度の地下道はありましたが登り降りの傾斜がきつく、到底使いやすいと言えるものではありませんでした。自分も学生時代に自転車を押し上げて通ったことがありましたが、線路を越えるだけなのに一苦労した記憶があります。


今回共用開始したのは新駅舎と米子駅の南北を繋ぐ橋上通路。

これまで改札口があった北口と、新たにできた南口を結ぶ通路が開通したことたで駅北と駅南が徒歩約5分程度で結ばれました。また、アクセスが格段に良くなっただけでなくこれまで"駅裏"とも呼ばれたエリアが名実共に"駅南"になった瞬間でした。

そんな、変化し続ける米子の街に想いを馳せながら、さっそく、がいなロードをカメラ片手に歩いてみました。


まずは通路北側、1階には飲食店やコンビニ、観光案内所があり、2階には改札やシャミネなどがあります。大きな展望エリアの窓と黒の外装から奥への繋がりを感じます。

北口外観 改札は2階
北側にはシャミネの他、飲食店やコンビニが入る


エスカレーターに乗って2階に上がっていると見えてくるのは木の天井。

駅の中なのに外と中を繋ぐ自然な温かい雰囲気が感じられます。ちなみに外から見てやたらと立体感のあった駅名はこんな感じで吊り下げられていました。

木の温もりが感じられる天井


そしてエレベーターを上がった先にあるのが米子の駅前通りを一望できる展望ゾーン。

いつも見慣れているはずの米子の街並みなのに、この空まで見える大窓から見ると少し違って見えるからか、初めてきた知らない街を眺めているようななんだか不思議な感覚になります。。

昔からある謎のオブジェ・米ッ子合掌像が眺望の邪魔にならないのかちょっと心配していましたが、街並みとのバランスもよく、米子駅のシンボルとして以前より馴染んでいるようでした。

さらに、米子タウンホテルの奥には最強の城・米子城跡の石垣も臨むことができます。(ちなみに米子城跡はエスカレーターに乗った時が一番綺麗に見えました。)

米子に着いて改札を出た人はまず最初にこの光景が目に飛び込んでくることでしょう。街の玄関口たる駅に相応しい、街との繋がりを感じさせる展望ゾーンでした。

改札を出てすぐの景色 左奥に米子城跡
北側展望ゾーンからの眺め


続いてがいなロードを改札を横目に南口に向かって進んでいくと、通路の両側に設けられた窓から米子駅に停車している車両を見ることができます。

特にがいなロードの中心に設けられた展望デッキからは真下にいる車両を俯瞰することができます。普段なかなか見ることのできない車両を間近で見ることができるので鉄道マニアや子供達にはたまらないのではないでしょうか。

今日は珍しく線路に敷くロングレールを運ぶ車両、通称"ロンチキ"とそれを運んできた2機のディーゼル機関車DD51が並んでいました。

展望デッキには弓浜絣が使用されたベンチが設置され、休憩しながら景色を楽しむこともできました。智頭杉や弓浜絣など、県内ゆかりの素材が使われているのは嬉しいですね。

中央展望デッキからの眺め


もう少し南口に向かって歩みを進めると西側に車庫が見えてきます。

奥には今となっては全国的に珍しい扇形車庫があり、手前には鬼太郎列車など馴染みの列車が並んでいます。このエリアは従来のホームからだとあまり見えませんでしたが、上から見ると実はこんなにたくさんの車両がいたのだと驚かされました。

奥の山々とのバランスもよく、写真映えする景色でした。

ちなみに、この辺りの西側では車両の点検シーン、東側では車両の洗車エリアを見ることができるのですが、線路の上に架線("電車"が電気を受け取るための電線)がないディーゼル専用の線路のようで、車両全体がすっきりと綺麗に見えました。

また、景色だけでなく、汽笛やエンジン音などの"音"もがいなロードまで響いてくるので実際に下を列車が通り過ぎていく時は迫力満点です。

鳥取で馴染みの列車たち
運がいいと珍しい車両に出会えるかも


がいなロードを渡り切ると北側と同じように展望ゾーンを備えた南口に着きます。正面にはタクシー乗り場があるほか、有料駐輪場や一般駐車場などがあります。

エスカレーターを降りた先にあるベンチに座ると、車庫から出ていく列車をフェンス越しに同じ目線で楽しめるようになっており迫力抜群でした。

南口外観 


南側では共用開始記念イベントが開催されており、たらくくるまの展示やダラズFMが出張放送をしていたほか、様々なブースが出ていました。

中でも衝撃的だったのが皆生温泉の"冷やし足湯"。足湯に使われている水は実際の温泉をタンク車で持ってきたものだそうで、氷でキンキンに冷やされていました。そんな強烈に冷えた足湯に1分間入るという夏にぴったりのコーナーを体験しました。

ちなみに足湯に入っていると時折氷が追加されるのですが、あまりの冷たさに悲鳴を上げている横を、爆音で機関車が走るという駅ならではのなかなかレアな経験をすることができました。

エンジン音を響かせて動く機関車(キンキンに冷えた足湯から)


こうして渡り終えたがいなロードですが、ただ通過するだけの通路ではなく、鉄道のまち・米子を体感できる仕様になっているなと感じました。

特に大きな窓が上から下まで付いている部分が多く、子どもから大人まで誰もが安全に列車を眺めることができるのですが、無料でここまで安心して鉄道を楽しめる場所は近隣ではあまりないのではないかと思います。

さて、今回は窓から見える景色を中心に紹介しましたが、内装などもなかなかいい感じになっています。ガラスについている衝突防止の銀のマークがよくよく見ると列車のヘッドマークになっているものがあったりと時間をかけて楽しめる要素も満載でした。

新しくなった米子駅とがいなロード、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか?
きっと、見慣れた米子の街が前よりちょっと好きになるはず。

行きやすくなった駅南グルメもたくさんありますよ…!!

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