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男ともだち/千早茜

「私はもう一度、呟いていた。自分が昔どんな声でその名前を呼んでいたのか、思いだそうとするように。」(p.17)
「若かった私は本音を隠す術も知らず、簡単に人を軽蔑して傷つけて、そして、勝手に絶望を深くして一人で苛立ち足掻いていた。」(p.19)
「相手に合わせて、したいことをせずに我慢するのが偉いのだろうか。」(p.22)
「ふと、不安な気持ちがよぎる。人生は、自分のしたいことだけを求めてはいけないものなのだろうか。いつか、私は独りで年老いて報いのようなものを受けるのかもしれない。」(p.22)
「ちょっとした好奇心と友達気分を満たしたいだけで、内情を深く知る気なんか、はなからないのだ。」(p.25)
「時々、思う。私は「ふたり」という関係があまり得意ではないのかもしれない。恋愛における、相対する「ふたり」という圧倒的な逃げ場の無さがどうしようもなく息苦しくなる瞬間がある。」(p.32)
「嫉妬も興味もわかない。俺といない時に何してるかなんて考えたこともない。」(p.50)
「だって俺一人でも楽しいしな。本読んだり、株やったり、サッカーしたりさ。相手のことなんて全部知る必要あるか?」(p.50)
「でも、さっき言ったように理解されないことをわざわざ言おうとは思わない。でも、隠せば隠すほどまわりは騒ぐんだよな。」(p.53)
「本当は会えない時にすべきことはわかっている。でも、つい面倒だと思ってしまう。」(p.78)
「誰もが確かな気持ちがあって人といるわけじゃないと思うよ。」(p.96)
「たいていの人は何かを諦めながら生きてるの。」(p.241)
「自分らしさとは何か。」(p.252)
「今は誰にも縛られたくない。」(p.257)

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