Adobe Illustrator 10開発インタビュー

この記事は、DTP Advent Calendar 2018の20日目の記事です。

これは、今から16年前の2002年に休刊になってしまった月刊MACLIFE誌に掲載予定だったIllustrator バージョン10発売時に行ったインタビュー記事です。入稿済みだったにもかかわらず2002年2月号が発刊されずに幻になった原稿です。そのまま日の目を見ずに埋もれさすのも勿体ないので今回掲載します。昔から使ってる方は回顧録みたいな感じかもしれません。分版プレビューってバージョン10から付いたんだーとか3D機能は入ってなかったのかとか分かります。

申し訳ありません!このインタビューですが最終号を確認したら2pで掲載されておりました…。 勘違いで掲載されていなかったのはソフトウェアレビューでした。ただ大幅に削除されているので、このインタビューは完全版として読んでいただければ。

Adobe Illustrator バージョン10開発インタビュー

ネットワークパブリッシングの中心的位置にあるAdobe Illustrator 10の開発コンセプトとSVGを含んだWebグラフィックの可能性をAdobeシステムズ、伊藤氏とブラウン氏に伺った

■■バージョンアップにおける3つのポイント

——今回のバージョンアップのポイントをお伺いしたいんですが。
伊藤●まず、バージョンアップのポイントは大きくわけて3つあります。ひとつは、Adobe Illustratorというのは、高品質なグラフィックを必要とされるすべての方のフロントエンドのソフトウエアとしてより充実したバージョンアップになっています。弊社のかかげる一番大きなメッセージの中に「ネットワークパブリッシング」というのがありまして、それはいかなるデバイスにも高品質なグラフィックスを必要なときに必要な状態で提供するというのがありまして、それを実現するひとつのツールとしてIllustratorというのがあります。

 今回のバージョンアップはネットワークパブリッシングのフロントエンドのデザインツールとして、さまざまなデバイスのための高品質なグラフィックを作成するための、プロダクティビティとクリエイティビティ、生産性と創造性ですね、それを表現するための機能がたくさん備わっているといます。
 ふたつ目はパフォーマンスの向上というのがあります。ご存じのように、前のバージョン9.0で透明をサポートしたことにより画面処理が、PDFがネイティブフォーマットになったことによりファイルサイズが大きくなってしまいました。特に、画面処理というのはユーザーさんが一番気にされるところですので、いかに画面のリドローを早くするかというチューンアップにかなりの労力を割いています。また、資料にありましたように、ネイティブのPDF形式というのは変わらないのですが、それの細かいデータを保存するかしないかをユーザーサイドで選択できるようにしたので、ファイルサイズが小さくなったという点もあります。

 3つ目は、印刷だけでなくWeb用の機能が強化されているということです。Web用というのは、ひとつのカテゴリーとしてはそうなんですが、そこから携帯電話や PDAなどのワイアレスデバイスに対しても対応を強化する。それと共に、ネットワークパブリッシングというのがありますから、複数のクライアントからサーバー内のひとつのファイルにアクセスして共同で作業をすると いったいわゆるサーバーとのやり取りに関して、ワークフローを適切に行えるようにしました。それは例えばウェブダブを使ったファイルチェックイン・チェックアウトシステムといったものです。加えてその中にも含まれるんですが、SVGの強化ということがあります。
 
——アドビがかかげているネットワークパブリッシングというコンセプトなんですが、これは当初の予定からどれくらい進んでいるのかということと、そのなかで他の 製品と比較してIllustratorの果たす役割を教えて頂きたいのですが。

伊藤●まず弊社のネットワークパブリッシングの進捗なんですけど、これはワンステップごとに進化しているといってもいいと思います。例えば、Illustratorを始め、 InDesign 2でもXMLをサポートしていますが、今後アドビはPDFだけでなく、そういったXML、SVGを互換にサポートしていく予定です。また、次期バージョンのGoLive・ LiveMotionでも、GoLive側でもより他のアドビ製品と親和性の高い作りを実現するように、ネットワークパブリッシングは着実に進行しつつあります。
 弊社の製品の中で、Illustratorは一番最初にバージョンが10になるわけですが、 その担う役割というのはやはりこのソフトで作られたグラフィックスを、 Photoshop、InDesign、GoLiveなど他のプロフェッショナル向けの製品といかに互換性を高く保っていくかということが、その役割になります。

ブラウン●Illustratorにおいて問題を解決しようとしたところは、今作っているグラフィックスの利用数が多くなっているところで、PDAも携帯もWebも印刷も全部そうで、だからデータを排出して返信して保存してやるという、今回のIllustratorに関していえば、私達のメインの客層であるこういう技術が欲しいデザイナー関しては作業がより早くなるし、コストが下がるということにより、スクリプティングもはいっているしデベロッパーの使えるXMLなどもメインにしています。もちろんGoLiveやLiveMotionなど他の商品にはいいところがありますから、Illustratorでは早くきれいにデザインできるのが一番の機能だと思います。

伊藤●今、スクリプティングという言葉が出ましたが、それと同時にデータ駆動型グラフィックス(Data-Driven Graphics)を活用してスクリプティングとあわせることにより、自動的に最新のデータをIllustratorをテンプレートとしてあらゆるものに 配信することができます。ひとつの利用法法としては株価チャートなどをWebで表示している場合など、サーバ上で株価の数値が変わった時にそれをあらかじめスクリプ ティングしておくことによって、Illustratorのテンプレートに自動的に投げて、その上で描かれたグラフをHTMLに変換して再びWebに反映させる、ということがスクリ プティングを介することで自動的にできるようになるのです。

ブラウン●U.S.でも、あるデザイン会社が百貨店のウェブページを作るために、商品名だけでなくグラフィックスやタグを使って500個ぐらいはつくらなければいけないんですが、そのデザインを作るためにはいちいち作っては直しという作業がありました。まあ500個ぐらいまでは一人で何日間かかければできるんですが、amazonみたいな毎日2000冊の本がアップされるところとなると、やはりスクリプティングに熱心になるみたいですね。

■■ユーザーからの要望と開発

——その辺はユーザーからの要望が非常に多かったということですよね。ブラウン●多かったですね。
伊藤●特にスクリプティングに関しては、ユーザー様の要望は多かったです。
——他の部分でユーザーからの要望に応えて反映させた部分というのはありますか?
ブラウン●たくさんあります。やはりトップ5はパフォーマンスやライブ変型などの点で反映されていて、何年か振りにトップ5の調整にユーザーの声を取り入れました。
伊藤●描画ツールの中にも、新しく「直線ツール」というのが入りました。アルダス社のスーパーペイントをご存じですよね。やはりデザイナーさんの方で最初に Illustratorを使おうとする時に、ペンツールを使ってポイントを打っていって直線を作ったり、それをドラッグして曲線を作ったりというのはやはり難しいんですよね。そのために単純にドラッグだけで線を描くというシンプルな機能を追加したわけですよね。イベントなどでただ直線一本引くだけに、まずペンツールの使い方を憶えなければいけないんですよね。こういうときに、もっと簡単に線を引きたいんだけど というご意見がありまして。われわれから見ればそれはビギナーの方なんですが、ビギナーの方というのは重要なんですよね。いかに簡単に使って頂くかというのをあえて入れています。
 また、Webに関しましては特にスライスが多いですね。もちろんPhotoshopや ImageReadyにその機能は付いてできるんですが、Webデザイナーさんは最初に Illustratorで作ってコーダーさんに渡すんです。で、コーダーの方はそれをオーサリングしていくんですよね。特に日本の場合は、Webプロダクションの規模が小さかったり大きかったりまちまちなんです。だから大きな会社ではデザイナーさんはデザインだけ、コーダーさんはオーサリングだけという場合もありますが、自分でデザインとオーサリングをやってプログラムだけ他の人にやってもらう人もいて、さまざまなユーザーがいますから、Illustratorでもスライスが切れたらメリットがありますし、そういう希望があったんですよ。
ブラウン●大体デザイナーさんが作るときに、スライスを置いておいて、デザインを変更しながらスライスも変更できるというのがすごい便利らしく、もちろんベクトルでも書き出せますからそのままHTMLテーブルに書き出すときに、もちろんswf形式や SVG形式に対応して欲しいというのもありましたし。
伊藤●後、今回新機能の中で、エンベロープとかワープとか変型ツールがいっぱい入っていますが、一部は今までのIllustratorでサードパーティーのプラグインでも実現出来たのですが、まあそういってもこの経済状況ですから、買い足しというのはユーザーサイドからすれば大変なことであるんですよね。そういうものをできれば Illustratorのなかで実現して欲しいという要望もありました。
ブラウン●もともとU.S.にあったVectorToolは買収されましたしね
伊藤●まずわれわれの商品開発の第一段階としてマーケティングリサーチが来るんです。ひとつのバージョンを出したら、次にマーケティングリサーチといった感じで。 そのときに現バージョンの満足度を調査して、次に新機能の要望を調査して、それを 優先順位順に実行していくプランニングを作るわけです。ですから常にわれわれのバ ージョンアップということはユーザーさんの第一希望は何か?というところからはじまるわけです。
ブラウン●でも私が好きなのは、特にIllustratorの開発だからのもあるんでしょうけど、機能を入れるために簡単なものだけでなく、奥深いものまで使えるようにするというとろです。今回もライブ変型だけでなく、エンベローピングがあるし、もちろんそれがベクトルでもできるしラスターを張り付けてもいいし、ほんとに何でもできるような機能をやっと入れました。完璧にやるまでは、まずデザインをして開発を始めましたから、今回は満足しています。
伊藤●ひとつのユーザーさんの機能を実行するにあたって、Illustratorがやるからにはユーザーさんのいう機能だけをやりましたというのではなく、やはりエンジニアやマーケティングの製品に対する思い入れがありますから、それをユーザーの予想をこえてもっと使いやすくすることや、もっと想像以上のいいものにしていくことを考えて同時に作業していきます。

——エンベロープ機能はPhotoshopを超えていますね。今までやっていたことが全部 Illustratorでできるということは結構大きいですね。
ブラウン●もちろんそれぞれのいいところもあるんでしょうけど。

——いろいろな要望は日米で違いがありますか?
伊藤●あります。まずパフォーマンスのことについてですが、やはりシングルバイトとダブルバイトとでは負荷が違うんです。それを日本のアドビシステムズとしては、 U.S.の方にきちんと分かってもらって開発してもらうんです。それをブラウンが頑張っ ているんです。シングルバイトではさくさく動くのに、ダブルバイトの日本語のフォントを使うと、若干遅くなることですね。あと要望別にいいますと、やはり直線ツールは日本では要望数としてはあまりなかったのですが、例えば、イベントなどで聞い たのですが、昔ながらの方法でチラシの印刷をやっている方が、従来の仕事のやり方ではどうしてもやっていけなくなってIllustratorに乗り換えたいのにハードルが高くてどうも変えることができないというのもありました。それは当然ビジネスユーザにも関係してくることで…
——今までIllustratorのハードルが高くてPowerPointで作っていたものを乗り変えることができるという…
伊藤●そうですね。やはりパソコンの普及状況というのはどうしてもU.S.の方が早いじゃないですか。そうすると、日本の状況は後からついていく形になりますので、も うU.S.の方では当たり前になっているIllustratorでペンツールを使うというのが少し遅れているんです。だからあえて日本の状況はこうだからもっと簡単なツールをいれてくれというアプローチの仕方があります。
ブラウン●U.S.の方では、自動選択ツールと選択のメニューの所で、それは日本の注文で入りました。それは日本の文字関係のところでまだまだあって、写研はまだあって、昔のドキュメントを変更するときにまずスキャニングをして、ベクトルに変更し て、それでどうパースとかを変更していくのかというような要望を前にリストで見 て、そういったこともIllustrator 10でやっていこうという話もしていたんですが。
伊藤●やはり日本の方は細かいですよね。厳しいですから。
ブラウン●U.S.でもそういった方はいますよ(笑)
伊藤●あとはさっきいったプラグインなどは、日本のユーザーからはよく聞きまし た。プラグインが出ているからこちらでエンベロープができますよとご案内しても、 やはりそれ以上にエクストラのコストを加算するのはやりたくないからできれば入れ てくれ、と。あまり安くはないですからね。
ブラウン●でもそういったバランスをとるのは難しいですよ。いままで一生懸命サポー トしてくれたベンダーの機能ですし、許せないという方もいるでしょう。ベンダーは それを見てまた新しいのを開発されるんですが。
伊藤●それで、U.S.に比べて日本の方がプラグインベンダーの数は圧倒的に多いんで すよ。
——プラグインのファンの人も多いですし。
伊藤●自分で作ってシェアウエアで公開されている人も多いですしね。そういった市 場の違いはあります。

——特にバージョンアップするにあたって、開発が難しかったところというのはどこでしょう。
伊藤●どうぞ、苦労話(笑)。エンジニアとのネゴシでしょう。
ブラウン●自分はIllustratorの7ぐらいの頃から入りましたので、Illustratorのチー ムにはその頃からまったく同じエンジニアのグループがありますから、強くて順調で 動いているところなんですが。確かになにが一番大変かといえば、始めにユーザーやエンジニアの要望が大きいから、あれもやろう、これもやろうとみんなを喜ばすため にといろいろ膨らませていって、後でだんだん減るんですがそういうところが毎回辛い思いをしますね。今回やりたかったけど、できないという。時間とコストの戦いですよね。
伊藤●それから今回はパフォーマンスをどうやってあげるかということが非常に苦労したと思います。
ブラウン●Illustratorは昔からあった商品なので、全部開発し直すには時間がかかり過ぎるんですよね。だから部分的に今回はここだけを書き直そうとことを決めながら 商品の機能を決めていってバランスをとっています。今回本当にうれしかったのは本 社内の話になってしまうんですが、もともとやりたかったのが、他の社員との連携 をとりながらずっとテストをし、会社内でプレゼンテーションしながら開発をやりました。だから今回のIllustratorもInDesignも、LiveMotionやもちろん GoLiveなどの大きな商品は、1か月おきに社内でプレゼンテーションがあって、どの機能が同時に動いているというのテストを繰り返し、どういう風に商品が動いているかというのが分かってすごい今回はかなり満足です。 いつもは小さなところまでは見えませんが、今回は上手くいく自信があります。

——ミーティングにかかる時間なんかも増えているわけですよね。
伊藤●かかりますね。あとできるだけ製品間の統一をはかるために、モジュールを昔から別開発して各製品で使えるようにしているんです。例えばAGMですとか、画面描画のルーチンですとか、クールタイプと呼ばれるテキストエンジンですとか、そういったものを別のモジュールとして作って、IllustratorやPhotoshop、InDesignが使えるように進めていくことによって、開発にかかる手間を削減する努力はしています。 それと同時に、ルック&フィールも同じ結果になるような作業の効率化も全体の中でやっています。

——今回、IllustratorとInDesignがMac OS Xで最初のプロダクトになりますよね。 うちのマシンがPower Mac G4/800 Dualだったせいもあって、使い比べてみるとMac OS X上の方が安定していたりしてよかった感じがあるのですが、これから出す製品は どんどんMac OS Xの市場でアピールされていくんでしょうか。
伊藤●そうですね。MacWorldでアップルさんと協力して何かをやりたいなというのはあります。これから持っていくところなんですけど。
ブラウン●U.S.の方は9月のSFのシーボルトのキーノートの時に、Illustratorと InDesignの実演をしてかなり盛り上がりました。やっと私の仕事に使うアプリケーションがMac OS Xで出てきたという感じで。

——あとPhotoshopが出てくれば僕の仕事ヘMac OS X上で出来ますからね。
ブラウン●今回FreeHandのユーザーテストなどを読んでいますが、Mac OS X上では機能がきちんと移行されていなかったり、OS 9上でも遅かったりということもあって、うちのベータプログラムでもFreeHandの詳しいのがあるんですが、そういった人たちから聞いているコメントは、今までで文句をいったところは、きれいにやれるし、この 機能は私も使えるしと、これは単なるMac OS X対応版という意味以上に美味しい商品 を作ってくれたという感じですね?。かなり希望を感じました?
伊藤●それとともに、Mac OS Xは堅牢でかつ楽しいじゃないですか、Aquaが。 IllustratorもそのAquaに対応することによってもっと作業を楽しくやって頂きたい です。プロの方にも一般の方にも。
ブラウン●開発の時も、デザイナーさんは今回楽しかった。仕事は多かったけど、一から作り直しました。色も変えたし音も違うし。きれいになったでしょ。

■■商業印刷におけるMac OS Xの導入と機能強化

——一般のユーザーさんからも、Mac OS Xで早く使いたいとか、楽しくしてくれとい う要望はあるんですか?
伊藤●日本の方の言い方は楽しくというよりも、自分はイラストレイターであり、グラフィックデザイナーであるという前提があって、想像したものを簡単に落とすということに注力したい訳なんですよ。難しいやり方や、バグの回避方法などはできるだけ考えたくないんです。だからそういったデザイナーさんのところにおじゃまする と、みなさん個性があるんですよね。仕事環境を自分の好きなもので飾っていて、例えばそれはミニカー、映画のポスター、プラモデルであったりするんですが、そういうところにいかに馴染んでいくかという。だからIllustrator自体が何かを作成するツールではあるんですが、それは単にクリエイターさんの頭の中にあるものを具現化するものとして使ってもらうよう、要望としては他の煩わしいことに気を取られない ようにやっていただきたいという話し方になるでしょうね。それは実は裏を返せば、 ユーザーさんに楽しんで作業して頂きたいというわれわれの思いになるんです。

——日本のユーザーですとどうしてもとにかく早くといった感じで実用的な側面を要求する方が多いですけれど、開発スタッフの方では使ってみても楽しいというのをアピールしたい部分もあるわけですよね。
伊藤●ありますね。パーセンテージで見てみると、特にU.S.の方はこういう新機能が出ました、ということをじゃあ自分だったらどう使うかという方向に持っていく人が多いんです。日本の方は、この機能は今のあなたのどういうところにベネフィットがありますよというところまで説明してあげる必要がある。だからわれわれマーケティングとしては、こういった機能が付きましたよ、というところで終われるところが、 この機能はあなた達のこの仕事をこれだけ効率化しますよというような説明をしてい くという国民性の違いはありますね。

——Mac OS Xの浸透度というのも日本とアメリカで違いがあると思うんですよ。 だから今度のバージョンもアメリカよりも日本の方が浸透が遅い、といったことなども予測されているのでしょうか。
伊藤●そうですね。やはりIllustratorにおいて日本でボリュームが多いのは商業印刷の方はまだまだMac OS Xに移行するのはかなり先だと思います。

——アメリカでは商業印刷でMac OS Xでやっておられるかたというのは…
ブラウン●いや…、まだですね…
伊藤●まあ、マーケットシェアの問題で日本では圧倒的にColerやFreeHandに比べて Illustratorユーザーが多いのですが、北アメリカの方ではお互いに切磋琢磨してやっていますが、そういったところで日本の商業印刷ユーザーの方へのアプローチです ね。それとは別にMac OS Xが出たときに、Mac OS Xへの対応もしていかなければいけ ない。でMac OS Xが出たときに、Illustratorのバージョンは9だったんですが、Mac OS Xの対応はいつですかというお問い合わせは多かったですね。ですから例えば印刷は関係なく、クリエイターさんというのはMac OS Xを使ってみたい、その中で Illustratorを動かしてみたいという気持ちはかなりあったんじゃないでしょうか。
ブラウン●たぶんMac OS Xを先に買ったデザイナーさん達は、印刷と関係なく買ったと思います。もちろんMac OS Xで作ったものは9に落として印刷はかけられるけど、 Mac OS Xでは今までできなく、10.1からようやくできるようになったというところも ありますよね。

——逆にいうと当然9.xの方のバージョンも今後フォローしていくことも続けられる んですよね。
伊藤●もちろんそうです。
——アップルは時計の比喩でこの辺まで来ているといってましたが、アドビとしては その辺の対応はどうなんでしょう。
ブラウン●製品としてはもう完璧にMac OS Xに対応していますね。後はユーザーさんが 使うか使わないかという問題で。
——逆にこのバージョンを出してどれだけユーザーからのフィードバックをもらえる かということにもなりますよね。
ブラウン●そうですね。

——SVGの今後の展開と方向性というのをお願いしたいんですけど。
伊藤●SVGはやっとファイナルの1.0がW3Cから勧告されまして、来年は「SVG元年」となるのではと考えております。もちろんIllustratorは99年の3月のドラフトスペックに則り、バージョン9で書き出しをやりましたが、それ以外も日本の小さなベンダーでの実験やコミューンの方でSVGでサイトを立ち上げたいなど日本では活発なんです、当然、ColerDraw 10でもSVGをサポートしていますし、その他にもとある製造用CADソフトの中でもSVGの書き出しを既に実行していて、そのビューワーとしてアドビ の製品がパッケージに入っていたりします。SVGの可能性というのはやはりベクトルデータで先ほどのネットワークパブリッ シングに対応するためには、軽いデータをワイアレスで配信できるというのがありま すよね。かつベクトルデータですから拡大・縮小に強いですし、レイヤー構造による 情報の重ね合わせができるんです。例えばKDDIのジャマップスの場合、地図上で周辺 の病院所在地といったように自分の欲しい情報だけを選択して表示させることが可能であると。それはワイアレスでバイスのPDAによって最新の情報を取れるというのが あります。
 それからずっと私は日本でのSVG担当でもあるんですけど、XMLやSVGの方とお話するときには、カーナビという分野が面白いのではないかと。ある会社さんがすでに SVGの研究をしていて、今のカーナビの主流といえばDVDですがハードディスクの搭載 モデルも発売されていますよね。そうすると例えば、カーナビ自体が相互にやり取り できる、あるいは携帯電話に繋げて最新の情報を取れるということになれば、SVGで データを作っておくことにより、今までのように古いデータのDVDを持っていて、気付いたら道のないところを走っているという現象が起こらなくなるんです。店の情報 にしても、今まで焼肉屋だったのが海鮮レストランに変わったいう最新のデータを得ることも可能です。
ブラウン●それとカスタマイズもできます。こういったルートの方が便利じゃないかと相談して、サーバーからダウンロードできれば裏道で一番早い道を採ることができますし。
伊藤●SVGの特徴は2つあって、よくFLASHと比較されるんですがふたつ全然別物だと思っているんです。まずFLASHはMacromediaさん独自の規格であり、SVGはW3CでXMLの規格に則った、アドビ、Macromedia、サンマイクロシステムズ、マイクロソフトなども参加した大手のベンダーが寄り集まって作られた規格であることが大きなポイントだと思うんです。1社の独自の意向に左右されないことは大きな会社で採用する際にとても重要なんです。また、SVGをアドビ独自の規格と誤解される方も多いのですが、先ほどもいった様に大手のベンダーが集まって作った規格なんです。だから今後インフラを整えるにあたって、必要な信頼のおけるスペックとして伸びていく可能性 があります。アドビとしてはそれを各ツールで全面的にサポートしていくつもりで す。

——私は88の頃からIllustratorを使っていて、Dimensionも使っているのですが、 IllustratorではそのようなZ軸へ展開するツール、現在はプライグインで実現していますが、新しいバージョンでもワイプなどで擬似的なことができるのですが、面を押し出したりという機能はないですよね。あくまでも2D上での作業になってしまう。そこら辺はどうお考えでしょう。Dimensionのバージョンも現在は更新されなくなり、 Atmosphereなども3Dを作るツールとして用意はされていないわけで、そこら辺の位置付けはどうお考えなんでしょう。
伊藤●SVGは基本的に2Dの規格なので、3Dの方は、いわゆるWeb3Dの分野ではXVLなどが有力だといわれていますが、どれもまだSVGのようにW3Cで正式に決まっているものはないですよね。アドビとしての今後の3Dへの対応ですが、Atmosphereはまだ正式なものがリリースされていないんですが、3Dのワールドを形成するもので、 Dimensionは3Dのオブジェクトを作るものです。以前より常にIllustratorがバージョ ンアップをしてくる度、DimensionとStreamlineを取り込むトライはしてきたのですが、このふたつは他社から買ったものなのでコード自体が異なり、統合することが非常に難しいのです。
ブラウン●それプラス、3Dを追加するとデータ容量が多くなってしまうのでやはり3Dは考えものですね。
伊藤●Illustratorと3Dを一緒にして欲しい意見や、Webも統合して欲しいという声は常に戴きます。しかしそれと共に、これ以上使わない機能が増えてしまっても困ると いうユーザーさんもいらっしゃるんです。だから、裏話として先程一緒に開発するの は難しいというのをいいましたが、それをやってまでユーザーさんにどの程度のメリ ットがあるのかと考えると、他の機能を優先させた方がいいという結論に今なっているわけです。それで、今後3Dの市場をどうしていくかというのは、Atmosphereを中心とするワールドの方からいくと思います。というのは他社製品で3Dのオブジェクトを作るものは Shade、STRATA、maxにしても非常に優れたツールがあるわけで、その中で Illustratorがすべきことは何かと考えています。そのうちユーザーさんの要望によって、その要望は日々変わっていきますから、やはりどうしてもIllustratorの中で やりたいとか、アドビの同じユーザーインターフェイスで3Dオブジェクトを作りたい という意見が高まりましたらそのときは実現するでしょう。

——それから今回の新機能である変数の部分に注目していまして、GoLiveのようなダイナミックコンテンツを表示する機能に近いものができるのではと思っているのです が、例えば今まで中で解説されているものは、あらかじめ読み込んでいるデータベー スから読み込んだものを、名刺やグラフの形で作成し、出力するというのがあります が、完全に自動化したWebに組み込んで、集計されたデータをクリックひとつで表示されたデータがリアルタイムで変わるというところまで、Illustratorとデータベースとスクリプトを組み合わせてできるものなのでしょうか。
伊藤●できますよ。
ブラウン●もちろんスクリプティングがかなり複雑になるかもしれませんができますよ。

——今Webのグラフィックは固定されたものが主流で、中にはCGIのように読み込んで リアルタイムでグラフィックが出るようにすることができるものもありますが、デザイン的にはどうしようもない部分があって、そこにIllustratorでちゃんとデザイン されたリアルタイムに動くグラフィックができれば、かなりWebの中のデザインの質も上がるのではと思っているのですが。
ブラウン●U.S.でもう発表されているオートキャストという、サーバ上にある商品をIllustratorで作るテンプレートを書き出して、そのテンプレートをサーバーからプッシュできるというものはもう発表しています。だから日本では将来の話になりますが、かなり面白いです。グラフでもIllustratorのテンプレートでも、こっちで編集したデータを読み込んだものをグラフ化するというデモはシーボルトでもやりましたから。かなり面白い。
伊藤●そのイメージサーバーを使うとスクリプティングを書くよりもっと簡単にワー クフローができる。
ブラウン●それだったらテンプレートを作れば、デザイナーさんはデザインだけをやっていればいいし、今回のテーマはデザインはデザインとしてあって、あとでコーダーが複雑なものを製作しなければなりませんが、オートキャストはそれよりももうひと つ大きなamazonのようなところが使うものですね。
伊藤●まだ日本でのリリースは当分先になると思いますが。

——それを実践したサイトが出てくると面白いですよね、注目もされますし。
ブラウン●一応U.S.ではやってみたサイトがあるらしいですし、スクリプティングで Illustratorをさっきいったようにワークフローをやっているところもあります。将来を考えると、日本でもあるかもしれませんが、自分の株を何を持っているかとかダウと比べてどうなっているかを、Illustratorみたいなグラフのテンプレートがあって、InDesignで処理をして PDFに書き出してデジタルにサインをして、パスワードで認証をとる書類をe-mailで 送って…という世界になるでしょう。電気や電話などの請求書が来るときも、きれ いにIllustratorやInDesignでデザインしたものをあとで、パスワードをかけたもの をe-mailで送ってという、もちろん印刷もできるし、欲しい人は紙で送ってもいいし という時代になっています。かなり面白い。そういうところでいちいちデザインして といったコストも下がるし、かなりはやくそういう時代になると思います。

——実際ではWebの機能をかなり強化しているということになるんでしょうかね。
伊藤●かなり、ではないですね。やっぱり変型とかだ円ツールにみるように、まずデザインのフロントエンドとしていかにいいものを簡単に楽しく作るかというのがメインです。で、それを配信するひとつの方法としてWebが強化されている。なぜなら今 は紙以外で考えれば次はWebが立ち上がっているからということで。で、Webと同じ情報というのは、同じワイアレスデバイスへの配信の時にも大体同じような手法を使え ていくことをWebで説明すると分かりやすいということになりますのでWebの機能もやっています。あとデータ駆動型グラフィックスはWebでももちろん株価がリアルタイムでできると同時に、印刷でも使えるわけです。チラシや名刺等の差し込み印刷でも 利用出来ます。
伊藤●ですからどこに配品するかはともかく、先にIllustratorで何にせよ作ってお けば、後でいかなるところへも入れることができるようにする、というのがアドビの ネットワークパブリッシングのコンセプトでもあるんですけど。
ブラウン●もちろんユーザーによってはIllustratorをWebツールとして考えない人もいますし、プリンタに対応していない方もたくさんいるでしょうがそれを考えずに、もちろんこれをWebツールとして考えないかと。
伊藤●プラグインとの話が先ほど出ましたが、別な業界としては、CAD業界というの はひとつ大きな業界ですよね。建築にしろ設計にしろ。今年のWorld PCではアドビの Illustratorステージでセイコーさんの時計のデータを使ってサードパーティーのプラグインの説明をしたんですよ。それは、2Dの時計のCADデータをIllustratorに配置 してIllustrator上で寸法線をはかるというツールなんですけど、そのツールを入れ ておくと寸法線ツールというのができて、Illustratorでここの直径やレングス、ア ールまではかることができるんです。寸法線と数字まではかって落としてくれる。 で、数字もテキストデータとして落としてくれるから、後でフォントの変更も可能で すとか、そういったことをやったんですが、非常に反響がよかった。
 一方、そのプラグインは2Dをまず呼び込むんですが、12月に今度は金融や製造などさまざまなカテゴリーを対象としたアクロバットのセミナーがあるんですが、そこの製造業の部分でIllustratorも説明するんですね。そのときには3DのCADデータを Illustrator上に落とすというプラグインを説明する予定なんですが。通常のIllustratorはもちろん2Dデータですから、単純に読み込もうとすると2Dしか読み込めないはずですが、そのプラグインを介すとオープンするときにまずdxf、dwg、 cadなどのデータ形式を読み込め、画面上でプレビューできるわけなんです。で、ビューアングルが決まったらその状態でIllustratorの2Dに落とすことができるんです。開発の3Dの設計図面があったとすれば、それをプレゼンボードやチラシに落とす場合、いいアングルで決めておいてIllustratorに落としてさまざまな効果をつけて 見栄えのいいものを作る。で、それでクライアントにプレゼンテーションするとか、 実際にチラシを作るとか、そういったニーズも多いわけですよ。実際にWindowsの方では日本でのマーケットシェアは、教育分野を抜きましたら製造業が一番なんです よ。そういうことで、冒頭の話になりますが、Illustratorは本当にWeb・商業印刷は もちろんですが、そういったテクニカルイラストレーション、プレゼンテーションと いった意外なところでもかなりつかわれているんです。そういうところでやっぱり高品質なものをグラフィックが欲しいすべての方に使って欲しいです。
女性●さっきのウェブフォーカスのご質問は他のPhotoshopなどでも頂くんですけ ど、先程そういうわけではないといったのは、アドビの考えというのは昔から変わっていなくて、頭の中にあるアイデアを表現するためのツールであって、たまたまその媒体が紙、Web、携帯と増えてきたわけです。それで自然発生的にそういう機能が付いてきたので、今回のIllustratorの新機能もどうしてもそういったWebやデータ駆動だったり、イラストレーションだったりしてしまうんですが、やはり書類印刷という のは絶対なくなりませんのでその出力の部分はばっちり押さえているわけなんです。 なので、新しいWebを作る方もいますし、商業印刷で本をやられる方もいらっしゃいますし、みなさんのニーズに答えようということで。

——8、9、10と見てくると、9は割とスタイルやレイヤーなど見た目の機能強化が目立ちましたが、10というのは基本の部分をきちんとつくったよというのがあるんで、 古くからのユーザーは、いままでできなかったことができるという表現の幅が広げられるというバージョンだと思うんですけど。
伊藤●(拍手)すばらしい、そのままプレス記事にしてほしいくらいです(笑

——DTPツールとしてもIllustratorを使っている方というのも未だにいらっしゃると思うんですよ。そういった人にとって便利な機能は今回ありますかね。
伊藤●まずIllustratorをDTPツールとして使うためには、印刷会社が受けてくれなければダメだと思うんですよ。そういったところで、受け元の印刷会社が安心してできるように、分割プレビューというのを付けたんです。Illustrator 9で透明化をサポ ートした結果、実際に出力してみると透明部分にすこしジャギーが出たり、透明と文字の間に少し隙間が空いてしまったりという問題があり、それは出力してみなければ分からなかったんです。一部の印刷会社さんでは、Illustrator 9のデータは危ないから受け付けられないという方もやはりいらっしゃったんです。それを回避するため にあらかじめ状況を見られるようなプラグインを作っているという、それが大きいと思います。それから透明設定のスライダも細かく設定できるようになっているというところが一番大きいと思います。当然シンボルは印刷の時にもきれいに出ますので、 まず作っていくときにシンボル機能で軽いファイルをつくって、そうするとMOやROMでなく、e-mailに添付して送信できたりすることができるようになっていくと。
女性●やはり商業印刷の方は、品質も高いものを求められますし、納期なども厳しい ですよね。だから効率的にできるというのはかなり大きいポイントで、アップグレー ドの価値はあると思います。

——そういう意味で今回InDesignと同じ発表というのは重要ですよね。 Illustratorとセットで使われる方というのは多いですから。
女性●そうですね。
——あと、QuarkXPressほど深刻ではないのでしょうが、9に対する誤解があって8じゃなければいけないという、その辺はだいぶ解けてきたのでしょうか。
伊藤●うちの方では結構、Webでいち早く9が出てから印刷サービスビューロー店リストを出しているんですよ。ただそれを見て下さらない方が多いんです。この間も某大手の製作会社にいったんですが、そこで「いやーうちの印刷会社がまだ9を受けてくれなくて」ということをいわれたんです。他にもたくさんビューローがありますんでといってるんですが、「そんなのあるんですか?」という反応をもらうんですよね。 あとやはり特に印刷会社の方はお客さんから頂いたデータの方を失敗すると納期がずれるということに対して責任をおわなければいけないんです。ということはそういう危ない橋を渡りたくないわけなんですよね。ただよく印刷会社の偉い方がいわれることは、われわれはソフトウエアのアップグレードを歓迎しないと。何に置いてもと。 そういったところに一件一件お邪魔して、良さ・安全性を分かって頂くとことを個別に活動していますし、ビューローさんを集めてのセミナーも、9、10共にやってきま した。そういうのをきちんと押さえてくれる方はやっぱりちゃんと出力はOKといってくれますし、逆に9のファイルを受け付けるところはその違ったビジネスができるわけですよ。だから印刷会社さんにも、ビューローさんにもメリットがありますから、 今後もこれと同じ活動をやっていきます。
伊藤●例えば9のときにも、私バンブーさんでも2回セミナーをやっていますし、リスマチックさんはセミナー以前に対応されていますし、キンコースさんも各場所で対応 していますよね。だからきちんと作っていただければ、9のときにもビューローさんがクライアントさんに持ってって頂くための「Illustrator 9用出力TIPS」を作っているんですよ。こういう風に持っていけば安全ですよとか、こういうところに 注意して下さいというのを、各店鋪に200部ずつ配付してもっていってもらっているんです。
ブラウン●今回のIllustrator 10では、パッケージの中に印刷のためのTIPSが、紙の形で入っています。そういうところで、こういう風に準備した方がいいという情報が入ります。

——リスマチックは完全に対応しているんですか?
伊藤●しています。かなり前からです。で、9が出たときに、その誤解を招くようなデフォルトのセッティングもあったわけですよ。例えば、透明をラスタライズするか ベクトル化するかというときに、ラスタライズの解像度のデフォルト設定が300dpiに なっていたんですよ。ですから、通常は175線以上で出そうと思ったら350〜400dpiは 必要なわけですよね。だから今回の日本語バージョンのデフォルトでは400dpiになっています。それから透明をスタライズするかベクトル化するかの設定も、9の時にはまん中だったんですが、逆にビューローさんの方からいろいろなファイルを9で出力 した結果、一番右にやった方がきれいに出ますよというご意見を頂いて、それもデフ ォルトとして採用しているといったような細かいチューンナップをしています。
——今回の9の対応をしているところであれば、10も問題なく出せるということにな りますよね。
伊藤●そうですね。より安全に。

——ここまで来たら、次のバージョンの展望というのはありますか?
伊藤●基本的には次のバージョンというのは、10が出て、満足度調査をして、それか ら今後に向かってリサーチをします。それで、次のバージョンが出る頃には市場には どういったことが起こっているかを加味しながら次の機能を考えていくということに なります。そういうのが基本的な手法ですね。
——やはりその場合はフィードバックがかなり大きな…
伊藤●そうです。
——その辺はWebを通じてというのが多いのでしょうか?
伊藤●いろいろあります。まず、サポートへのコールがあって、そこではどういうよ うな要望が多かったというのが週単位で出ているんですよ。そのなかからもピックアップしますし、コミュニケーションサイトをWeb上で立ち上げていますから、そこで ユーザーさん同士が意見交換しているのを見ていると。それから、U.S.でもそうです が、われわれが個人や企業の方々に個人訪問していろいろ聞いてくると。
伊藤●と同時に、うちのセールスも、例えば印刷系のセールスディビジョンですとか、製造業とかいろいろ分かれているんですよ。で、彼らがセールスにいくと、その 現場での要望というのも出てくるわけですよね。そういうのもインプットされますの で全部を加味しながら次のバージョンを考えていきます。ですので、Illustrator 10がどういう評判を頂けるかということが始まりですね。われわれの考えていたことは間違っていなかったのか、それとも、ベクトルがずれてるよと思われちゃうかも知れませんし。ただ基本的には先ほどもいったように、ユーザーさんのニーズで順位を 決めてますから、間違えなく受け入れて頂けるという自信はあります。ほんとは値段も上げようかと思ったんですが、やはり古くから の88のユーザーさんも含めて使って支えて頂いたというのが大きいんで、やはり値下げがあっても値上げはしたくないというのが私の強い要望です。


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樋口泰行

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