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パーティ、飲み会、お先に失礼〜。宴を中座した非パリピが帰り道に聴きたい3曲

もしきみがパーティや飲み会が大好きで、大勢の人たちとalways good timeを過ごすのが楽しかったり、隣の席の人とgood nightになりそなfeelingに胸を躍らせるタイプであるのなら、この記事はたぶん読まない方がいいよ。すぐにここを立ち去るのが身のためだ。じゃ、またね!

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彼らはもう行ったかな?よし。

もう一度確認するけど、ここに残っているきみは

"パーティや宴会がどうも苦手。あ、いや別にそこにいる人たちが嫌いってわけじゃないんだけど、「今何してるの〜?みんなで飲んでるから来てよ〜」の突然の電話に冷や汗が出まくり、こういう日に限ってTwitterで「ヒマすぎ」ってつぶやいてしまったし、行かない理由も特に思いつかないし、まあ、行くか... で行ってみるとやっぱり場の空気感にノれず、5分後には脳みそだけがすでに帰路についている... "

って人ですか?

うん、よく来たね。わかるよ。私もきみの気持ちわかる。

心を許してる人とか、気の置けない仲間とはパーティも飲み会もすごく楽しい。でも、仲良くも悪くもない、中途半端な「(自称)仲間」みたいな人がたくさんいる飲みの場って、気使うしつかれるよね。しかもみんな結構楽しそうにしてるのでしかめっ面でいるわけにもいかず、終盤になると作り笑いが限界に達して顔面筋肉痛、みたいな。一緒にいる人は嫌いじゃないんだけど、飲み会ってシチュエーションが苦手な人もいるよね。

ひとつ、私の中で革命的だったエピソードを教えてあげようか。

スペインに留学していた時、私は休日といえば散歩をするか引きこもるかの非パリピ期があった。それでも一度大きなパーティに参加したのだが、たくさんのよく知らない人たちの笑い声や酔っ払い加減にめまいがし、場の空気につかれて脳がめっちゃ帰宅していた。「いつもの友達とコーヒー飲んでゆるゆるしたい... 」とそんなことを考えながら、なんとかパーティを乗り切った。

家に帰ってふと、「そういえばちょっと前にこんな気持ちを歌った曲が流行ってたよな」と思った。暗い部屋でおもむろにパソコンを開いて、見つけた"それ"の歌詞を読んだとき、頭に落雷した。

「なっ... これ..... 完全に今の... 状況...ォ..」 

しばらく動けなくなった。衝撃が強すぎてそれから2日くらいは軽いうつ状態っぽくなってしまった。

というエピソードだ(笑)

何が言いたかったかというと、世の中には「ダンシングオールナイト!パーティエブリデイ!」みたいな音楽はもうごまんとあって、「パーティ=楽しい=良い」みたいな風潮はある。まあそうかもしれないけど、でも、それだけじゃないよねってこと。非パリピの気持ちを表現してくれる音楽も、実は存在するのだ。最近のいわゆる「ゆとり」(私も世間に言わせちゃゆとりなんだけど)の「飲み会離れ」を表すかのような曲って、実はあったりする。今日紹介する曲も、図らずもそれに近い世代が歌っている。

じゃ、私が選んだ3曲を紹介していくよ!

1. Alessia Cara / Here (2015)

"友達に連れられてしぶしぶ参加したパーティ。お酒、ドラッグ、ナンパ... べつに、興味ない。こんなところ私の居場所じゃないのに、なんで来ちゃったんだろ。つまんなそうにしててごめんね、でも気にしなくていいから。ここで静かにつっ立って待ってるから、帰るときになったら呼んでよ... " (歌詞要約)

いやはやーーーーーーーこれですよこれ。非パリピソングとしては後にも先にもこれが殿堂入りなのでは?と思ってる。

前述の私のエピソードで衝撃が走った曲とは、まさにこの曲のこと。歌詞を読めばわかるんだけど、パーティに疲れ、しかもちょっと拗らせていた当時の私の心境をドンピシャで表現してくれていた。こことかさ。

"But honestly I'd rather be
Somewhere with my people
We can kick it and just listen to
Some music with a message, like we usually do
And we'll discuss our big dreams
How we plan to take over the planet
So pardon my manners
I hope you'll understand that I'll be here"
"でも本当のことを言うならね、
ここじゃないとこで仲のいい友達とくつろぎながら
いつも聴いてるような、ちゃんと意味のある音楽を聴いて
どうやって世界を手に入れようか、なんて
大きな夢を語り合っていたいの
だからごめん、失礼ってのは承知なんだけど
私はここで待ってる、わかってもらえたらいいの"
(和訳参考:およげ!対訳くん

こういう正直な気持ちを認めるのってなかなか勇気がいると思う。「楽しい」とか「明るい」とかポジティブな感情って、それだけで世の中的にgoodとされがちじゃない?

でもYouTubeのコメント欄に「10代の頃の私じゃん...」とか「付き合いで無理しちゃうことあるよね」とか共感の意見があったり、そしてなんと言ってもこの曲がヒットしたことから、無意識的にこの手の歌を待ってた人っていっぱいいたんだろうなと思った。Alessiaはそんな人たちの気持ちを見事に代弁している。

"Here"を収録したファーストアルバム"Know-It-All"を聞けば、近年のコラボレーション(Zedd, Alessia Cara / Stay)による「新人アーティスト」って印象じゃなく、彼女が芯のあるメッセージを持つ才能ある一人のアーティストなんだなってわかるよ。でなきゃ10代でこんな歌作んないでしょ、ふつう!

Spotify: Alessia Cara / Know-It-All 


2. Hailee Steinfeld / Hell Nos And Headphones (2015)

これは何気なしにSpotifyを聴いていたら、アルゴリズムによって自動でおすすめされた曲だった。で、歌詞の"Hell Nos And Headphones"ってなんかいいなーと思って全体をよく聴いてみたら「あ、なんかこれも非パリピの帰路っぽいw」と思って気に入ったわけだ。

残念ながらこの曲の和訳・解説は見つからなかったので私の憶測になるけど、

・「絶対にイヤ」っていう意味の"Hell No"
・音楽を聴くための"Headphones"
・"Stick with"=「離れない、手放さない、一点張り」

という組み合わせから、「イヤなことなんか耳に入れずに、ヘッドホンで耳を塞いで音楽聴いてるわ」的なニュアンスなのかなあ?と考えている。

あるインタビューでHaileeが"Hell Nos And Headphones"についてこう答えてるから、ニュアンスとしては合っていると思う。

[...] I found myself in a situation that I was completely uncomfortable in, and worked up the courage to leave and not feel like I had to conform to a certain behavior to be cool or be something that I’m not. I think there are times, often, where I am walking around in the world trying to figure out where I belong, and something that’s so important is noticing that it's okay not to feel like you have to do or say anything to do or be anything that you’re not. That's basically what 'Hell Nos and Headphones' is to me, is just saying, 'No, I'm going to walk away and I'm going to stick with what I love and stick with what I know, and in this case, it's make music.' (By Refinery29: Hailee Steinfeld Says Being In Taylor Swift's Squad Isn't As Glamorous As You Think)
(上文訳)"...そんな時期があったのよ。自分はどこに帰属しているのかなんて考えながら世間を歩き回る、そんなことがよくあったの。でも、大事なことは、したくないことがあっても大丈夫、言いたいことは言えばよい、自分でないものにならなくてもOKだと気づくことなんだって。私にとっての答えが、「Hell Nos and Headphones」なの。言いたかったのは、『いいのよ、そこから逃げ出しても。好きなこと、自分の知っていることをするだけ。私の場合は、音楽を作ることよ』ということ"(引用: T-SITE NEWS: ヘイリー・スタインフェルド、「私は大衆に迎合しない!」

なるほどね。しっかりしてるよほんと!

歌の中で特に私がいいなと思った部分は、ここだ。

"Twenty-seven blocks ago
I didn't even say goodbye
People blowin' up my phone
Askin' me if I'm alright
And they're sending pictures, kissing on each other, like wasted
And on top on that, they're sending videos of them naked
But you know I don't judge what's on your tongue
Yeah, I know you're having fun
But I'll stick with hell no's and headphones"
"27ブロック前にいた場所を思い返す
さよならも言わずに出てきちゃった
「一体どうしたの、大丈夫?」って
ケータイにはみんなから通知の嵐
酔っ払ってキスする写真を送り合って
裸になって騒ぐ動画なんか録っちゃって
舌にのせてる「それ※」のこと、別に私はとやかく言ったりしないけど
まあ、楽しんでるってことはよくわかったよ
でも私は「ノー」を突き通して、ヘッドフォンで音楽を聴いてるの"
※「それ」=たぶんドラッグの錠剤のこと

うん、これは完全に中座してますね。「二次会組のカラオケ動画がLINEグループにひたすら送られてくる帰り道」の図だ。

彼女の「無理して周りに合わせてうんざりするより、自分の好きな道を行けばいいんだよ」って姿勢は、自然体でかっこいいよね。

Spotify: Hailee Steinfeld / HAIZ


3. Lorde / Royals (2013)

はいはいはいはいはいどうもどうもどうも、Lordeです。Lordeが通るぞーーー!

「おっとこれを入れてきた?」な人も、「やっぱりねー」な人もいると思いますが、はい。2013年の大ヒット曲"Royals"を力いっぱい推していくぞ。

初めてこの曲を聴いたとき、深みのある歌声と含蓄のある歌詞でただ者ならぬ雰囲気を醸し出す彼女がなんと16歳(当時)であることを知って、唖然とした。はっきり言って恐ろしかった。(そして今調べてわかったんだけど、Alessia Cara, Hailee Steinfeld, そしてLordeは3人とも1996年生まれの同級生だった。すごい偶然。)

"And we'll never be royals
It don't run in our blood
That kind of lux just ain't for us
We crave a different kind of buzz"
"私たちは王族なんかにはなれない
高貴な血は流れていないもの
よくある贅沢品は私たち向きじゃないわね
私たちって、もっと違う'buzz'を求めてるの"
※ buzz= 日本語に訳せない単語。意味と文脈から「胸が高鳴ること、楽しいこと、素敵なこと」と解釈しました。
(和訳参考:およげ!対訳くん

これがパーティ中座ソングかと聞かれたら、直接的にはそうではない。でも、前述の2曲とどこか通じるものがある。

"金歯にウォッカ、ドラッグ、血痕、パーティドレス、ホテルでばか騒ぎ、宝石、高級車、金ぴかの時計にジェット機、リゾート島、金の鎖で繋いだトラ... どの歌を聴いてもみんなこの調子。あのね、私たちはそんなのどうでもいいの。キャデラックなんか夢の中で運転してればいいし、あんたたちの恋愛事情にも興味ないし。"(歌詞要約)

「私たちが欲しいモノはもっと違うタイプなの」って斜め上から来るこの感じ、いいよね。

豪華なパーティに行ってみたけど、マウンティング合戦の薄っぺらい会話に巻き込まれて終了した日の帰り道に聴くのとか、いいんじゃない?「全然楽しくなかったのは、私が求めてる"buzz"があいつらとは違うからだ」って考えれば、自己肯定感が保てそうだ。

Spotify: Lorde / Pure Heroine

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パーティや飲み会を抜け出した非パリピが帰り道に聴きたい曲を紹介したよ。

行きたくない集まりには行かないのがベストだけど、行かざるを得ないことだってあるよね。そんなときは帰りの電車に揺られながらこの音楽でも聴いて、つかれた気持ちをちょっとだけ癒してね。

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