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-どんどや- 柿の木は正月に燃やす、というお話。

皆さんあけましておめでとう御座います&はじめまして。

こちらは九州のほぼ真ん中、熊本県上益城郡甲佐町。

…の、山奥にある宮内地区という人口450人程の小さな村です。信号も自販機もコンビニもない、そんな素敵な山奥で百姓やら猟師をしております。

1月ももうそろそろ終わりという新年ですが、これから1年、こちらのページで山奥での日々の暮らしや昔ながらの風習を記録して行こうと思います。獲ったもの、作ったもの、生き物のこと…などなど。1年後には(たぶん)素敵なアーカイブ。皆さんの野遊びや田舎暮らしのご参考になれば幸いです。

第一回目は「どんどや」。田舎のお正月によく見るアレです。木や竹でやぐらを組んで、お正月飾りも一緒に放り込んで、回りにお神酒をまいた上で、その年の年男(今年は亥)が火をつけます。

小さいお子さんがいる集落なんかでは、正月書初めも一緒に燃やしますね。

正月前の寒い時期は庭木や畑の果樹など剪定時期なので、そんな木や枝も燃やします。 

ところで、昔はこの「どんどや」で特別に燃やす木がありました。それが、「柿の木」。柿の木を燃やすのはどんどやの火。

昔の人は「柿の木を燃やすと風を呼ぶ」と言って普段は燃やしませんでした。この辺りにだけ伝わる風習なのか、もう今じゃ村の若い人も知らない、爺さん婆さんの言い伝え。柿は普段は燃やさずにとっておいて、どんどやの火で燃やしていました。

爺さん婆さんの言い伝えには何か意味があるんでしょうね。その理由まで書ければ立派な記録だったのに、第一回目から謎のままです(笑

まぁ、何か理由の判らないことがあった方が世の中面白いでしょうし、妖怪が住むことが出来るくらいの方が田舎は面白いんだろうと思います。

この間伐採した大きな柿の木。

…とまぁ、こんな感じで一年間。四季折々の暮らしのアーカイブを作れればと思います。気長に書きますので、暇な時は見に来てやってください。

今後の予定は「皮なめし」「しっと」「うなぎ獲り」「日本蜜蜂」「いくり酒」「柿渋」「桜の皮細工」「亀の子たわし」「くさぎ染め」「玄翁の柄」などなど。その季節になれば更新致します。

それでは皆さん今年も宜しくお願い申し上げます。