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メギド72 猫師匠について真面目に考える

 メギドの日、おめでとうございます。メギドの日は7週間と2日続くので遅刻ではありません。
 メギド72の魅力とは何でしょうか? シンプルにして奥の深いバトルシステム、こだわりの3Dモーション、実装キャラクターのほとんどが登場する非常にハイクオリティな群像劇。そして誰にもわからない謎の勢い。
 今回は誰にもわからない謎の勢いの結晶であるところのメギドの日を記念し、私が現在一番「何なんだろ、アレ…」と思っていることについて書きます。
 猫師匠です。

猫師匠の歴史

猫師匠って誰

 猫師匠とは、プレイアブルキャラクターの一柱、グリマルキン(カウンター)のキャラクターストーリーに登場したNPCです。
 迷子の子供を見捨てようとしたグリマルキンのもとにボヤ~っと現れ、気高き猫の女王としてヴィータという下僕にすべき事を説き、グリマルキンの考えを改めさせます。また、グリマルキンが飢えそうになったときにまたボヤ~っと現れ、猫とは狩猟動物であり自ら獲物を捕るべきであるとアドバイスしました。
 グリマルキンは基本的にヴィータを下僕としか考えていませんが、彼のことは「あなたは…猫師匠!?」と呼び一目置いていました。なお猫師匠という呼び名以外、彼についての解説はありません。
 グリマルキンのキャラスト自体がシュール系ですべての情報がぼんやりしているため、胡乱なことが大好きな一部のプレイヤー(私など)の心に突き刺さり、話題になっていました。
 この時点では、グリマルキンの攻めたイマジナリーフレンドか、ヴァイガルドにはクレイジー愛猫家のおっさんが生息していると分析されていました。

まさかのメインストーリー登場

 問題となったのは6章後半、王都の民が集団ヒステリーに陥り、メギド72のメンバーが攻撃を受ける場面です。
 この集団ヒステリーはメギドラルの工作員が扇動したものでしたが、工作員はヴィータの姿ではなく、猫の姿で群衆に紛れていました。普段から猫の姿で活動しているグリマルキンはそれにいち早く気づきます。
 しかし黒い猫はベルゼブフ配下のエリートメギドたちであり、猫の女王とはいえ一般メギドにすぎない彼女では勝ち目はありません。そんな危険を冒してまでヴィータやヴァイガルドを守る義務はない…そう考えたグリマルキンのもとに、またボヤ~っと猫師匠が現れます。

グリマルキンにノブレス・オブリージュを説く猫師匠(60話・4)

 こうしてグリマルキンは、強大な敵への恐怖を猫の女王としての矜持で押さえつけ、ヴァイガルドを守ったのでした。いい話ですね(圧)。
 これまでグリマルキンのファンか胡乱な存在が大好きなボンクラ(私など)しか知らなかったNPCの意味不明な登場に大混乱が起きたのは言うまでもありません。

 しかし猫師匠の発言はちょっと流せません。これまではクレイジー愛猫家のおっさんが猫に向かって一方的に喋っている可能性もありましたが、このおっさんメギドのことを知っています。ただのクレイジー愛猫家ではありえなくなりました。
 このあたりから、猫師匠は一体何者なのか考察が(私などの一部のボンクラの間で)されるようになります。

三度登場~復刻書き直しからの刺客~

 そして猫師匠が三度登場したのが復刻(常設)・悪夢を穿つ狩人の矢。
 このイベントはグリマルキン実装(初登場)イベントだったのですが、初回開催時はえらく評判が悪く、復刻でプロットから(新規・リジェネ実装以外の)登場キャラクターまで一新されました。個人的にこの書き直しには思うところがありますが、まぁ今は猫師匠です。
 グリマルキンはネルガルによってさらわれた猫の友人を助けるため陰ながらソロモンたちを誘導し、事件を解決に導きます。しかし友人猫は普通にネルガルに飼われて満足していたのでグリマルキン的には骨折り損。がっかりしつつ、特に興味も無いので去っていくソロモンたちを見送っていたグリマルキンですが、そこに謎の男が現れます。

あなたは猫師匠!

 何者なのかは最初に聞け。
 それよりも重大なのは一点、猫師匠はグリマルキンが知らないソロモン王のことを知っている…!?
 最有力だった(というか常識的に考えてそうだ思われていた)グリマルキンのイマジナリーフレンド説が壊れた瞬間でした。
 猫師匠…マジで「い」るの!?!?!?!?

 …これ以降、猫師匠はどこにも登場していません。Rグリマルキンのキャラストにもです。
 人の心をメチャクチャにして去るな。

猫師匠は何者なのか?

 もはや木場筆雄の徹夜明けの幻では片付けられないだけの情報を撒き散らして消えた猫師匠。これを機に(私などの)一部のボンクラ以外にも「猫師匠って何なんだよ…!」と思う人が増えました。これは何らかの罪では?
 そこから現在まで、おおよそ4つの説が唱えられています。

グリマルキン二重人格説

 往生際が悪いイマジナリーフレンド説の発展版。
 猫の女王として生きるには不要ながら、メギドラルのメギドとしては必要な知識を担当する別人格として、グリマルキンの中に猫師匠という人格が存在するという説です。
 二重人格という突飛な仮定についての根拠や伏線がなく、面白みもないためマイナーですが、胡乱な設定がグリマルキン一人で完結するという点が圧倒的なアドバンテージです。最も穏便かつ妥当。よかった! クレイジー愛猫家なんてどこにもいなかったんだ!
 ちなみにメギド世界の二重人格については「リリムにはレヴィエルという別人格が存在する」というまったく本編で触れられない裏設定が存在するため(これも何?)、完全に無から捏造されたというわけでもありません。無駄な抵抗とか言うな。
 …もし今後、マジで一切猫師匠について説明されることがなかった場合、心の平穏を保つために最も適切な説としてストックしておくといいと思います。

ベルゼブフ説

 たぶん一番古くて有名かつ最も胡乱なやつ。
 猫師匠が本編に登場した当時、ベルゼブフの情報は「蛆に洗脳された」「フライナイツを立ち上げた」「黒い猫を配下にしている」「ガギゾンの上司」が全てでした。これらをつなぎ合わせ、「ベルゼブフはメギドラルの情報に詳しく、黒い猫を使う猫派のメギドである。彼は表向き蛆に洗脳されているが、魂だけで水面下で戦い続けている。その姿が猫師匠である」というアクロバティック迷推理を展開した説…というかネタです。
 最大の敵と思わせて面従腹背で敵陣営にいる味方という有り得そう&カッコイイ設定を「そんな重大なキャラが胡乱なおっさんモブグラでたまるか」「推定ラスボスで最低でもアスモデウスと同格上位メギドがネコチャンナデナデ系て」というツッコミどころでくるんだ秀逸なネタだったわけですが…。
 御存知の通りその後、リヴァイアサンが魂を別の生物の形で分割でき、サタンは犬ちゃんをナデナデし、マモンはイヌーンをモフモフすることが明らかになりました。大罪同盟!!!!!
 またトドメとばかりにメギド質問箱のメギドラル諺の話でベルゼブフの追加情報が来ます。なんで?

メギド質問箱(3周年) メギドこぼれ話を教えて!(12/9公開) より

 初めて明らかになった(というか10章まできてもこれが唯一わかっている)8魔星ベルゼブフの行動。なんで??
 またこの布告文は工作員への攻撃ではなく猫への虐待を問題としていることから「メギドより猫が大事」というクレイジー愛猫家に読めなくもなく、これまでの妄言三段論法が二段論法くらいになりました。なんで???

 ただ、与太話のツッコミどころがなぜか公式から潰されて整合性が取れてしまうミラクルはここまでで、それ以降何かしら情報が出るたび「信憑性がましてきた」等言われるのはこじつけ、あるいはこれまで推察されていたことの繰り返しです。まぁ同じ内容でも何度も繰り返されるとそうかもって気持ちになってくるよね。洗脳の手法だ
 まとめるとシリアスキャラをイジると面白い系の悪ノリの産物なのですが、過去編の大罪同名の仲良しぶりに感情移入してしまったプレイヤーの「他の旧大罪同盟メンバーと同じように、ベルゼブフも何らかの方法で蛆と戦い続けてくれていたら嬉しい」という願いを汲んでいることもあり、根強い人気があります。
 個人的にはネタとしては本当に大好きですが、マジで猫師匠だったら何百年も雌伏の時を過ごしたサタンはもう一回同盟を割る勢いでベルゼブフを殴るべきではないかとルシファーに裁定を求める派です。

エルダー説

 胡乱な情報を真面目に考察している説、その1。
 猫師匠はメギドの上位存在とされる「エルダー」であり、何らかの目的をもってグリマルキンに接触している説です。
 エルダーはまだ謎の存在ですが、バルバトスはエルダーからヴィータ体と音楽を教わり(Rバルバトスのキャラスト)、マモンはかつて出会ったエルダーを真似て女性のヴィータ体をとっていることがわかっています。彼らはヴィータ体をとり、ヴィータの文化を良しとしているようです。
 猫師匠もグリマルキンがヴィータ体をとれるようアドバイスしており、行動が類似していることから、バルバトスやマモンが出会ったものとはまた別のエルダーの可能性は十分あります。
 またエルダーは突然現れては消える演出がされており、猫師匠のボヤ~っとした登場とも整合性が付きます。
 問題は、エルダーがそもそも何かハッキリしないため考察がこれ以上進まないこと。クレイジー愛猫家の人格が発生しても大丈夫なのか、わかりません。ベルフェゴール知ってんならキリキリ吐け!

ヴァイガルドのカトルス説

 胡乱な情報を真面目に考察している説、その2。最新の学説です
 フォルネウスに対する村長クンのように、グリマルキンに接触しやすいカトルスの化身(疑似人格)が猫師匠であるという説です。
 発端はヴァイガルドのカトルスが本格登場した8章3節。魂だけになったフォルネウスと、ヴァイガルドのカトルスの化身である村長クンをグリマルキンが目撃しています。彼女はメギドやヴィータが感知できないカトルスの化身が見えるようなのです。

 ヴァイガルドのカトルスは、ヴァイガルドを防衛したいという意思はあるものの受動的にしか動けません。グリマルキンのように直接コンタクトできる相手は非常に貴重ですので、保護しようとしたり、ヴィータを救うよう誘導したりするのも自然です。また、猫師匠はヴァイガルドにしか現れないことからも整合性があります(ちなみにここがベルゼブフ説の弱み)。
 問題点としては、ヴァイガルドには猫師匠を名乗るクレイジー愛猫家のヴィータが生息していたことが確定します。最初の伏線が回収されてしまったな。
 まあ、別の路地には別の殺人鬼がいるかもしれないくらい殺人鬼が生息しているのに比べれば、クレイジー愛猫家が一人二人いても何も困りません。公共の福祉の反さない限り自由です。

おわり

 というわけで、メギド72の好きな胡乱の話でした。
 いずれ別の好きな胡乱、多種多様な殺人鬼コレクションもしたいんですが、そのために召喚チケット切るのはどうなんだろうとなっております。縁が…あれば…!

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