カブンブンと我1

迎えるきっかけ

私は、ペーパードライバーである。
なので、運転せねば そう思ったが、学生であるので車を維持はできない。そこで、叔母からもう1年も乗っていない「スーパーカブ」(原付)を貰うことになった。

本当は3月の前半にもらうはずだった。しかし悪天候などで伸びてしまい、運命の記念日 4月9日がやってきた。

天気は快晴。近くの広い場所で、叔母の指示の元スーパーカブの乗り方講座が開幕した。

カブンブンはボロボロであった

それはもうボロボロであった。まずガソリンのメーターの針が振れない。スイッチでエンジンはつかない。キックしてエンジンかけても止まったままだとウインウインウインシュンシュン……ヒィン……プスン と切れる。愛に飢えていたのである。

私はカブンブンに、跨った。その瞬間、声がした

「よろしくよ、相棒」

私は機械音痴だが、ギアチェンジは割とスムーズに習得した。限界になったら解放しろ、という叔母の教えが分かりやすかったからなのもあるだろう。まずは家までの道を後ろから叔母に車でついてきてもらい、走った。

信号で停止した。

……プスン

止まったのである。ドカ焦りである。横に避けてキックでエンジンつけていたら、近くのラーメン屋のおっちゃんが事故ったと思って心配して出てきた。すいません、親戚と姪なんです……。本当に恥ずかった。

だけど頑張るカブンブン

こんなにボロボロなのに頑張って走ってくれるカブンブンの事が頭から離れなく、翌日、近くのバイク屋さんに連れていった。「もう何も分からなくて……」と言うと店員さんやお客さんが色んなことを教えてくれた。

無料点検を受けたカブンブン、バッテリーが12ボルトないといけないのに4ボルトだった。変えのバッテリーを買って付けてもらったらそいつが一撃で死んだ(よくわからないが本当にボロボロだったらしい)。学校で粗相した子供の親みたいな口調で「あ……すいません……ほんとすいません」と言った。1個上のグレードのやつをお金要らないんで、と言われ入れてもらった。やさしい。

下に降り、カブンブンに跨り、電源をonにする。手で暗くしないと見えなかった「N」のランプが嬉々として光っている。スイッチ押すと、ひぃんひぃんブルルルル …… 元気な声。ついた。感動して「うおお!!」という私。ニコニコして見守る店員。ここからカブンブンの第2の人生が始まった。

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