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自己流「グラン・タブロー」応用編③

カードは「スープラ・オラクル」を使いました。

 お題は「年内に定めた仕事(プロジェクト)の成功・目標を達成するには」(質問者:Aさん 30代後半 独身)で、細かな悩みには
・腰が重い性格
(やらなくてはいけないことが決まっている・分かっているのに、ついつい先延ばししてしまい締め切りや納期に追われてしまう)
・成功するか不安(新しい企画が打ち上げ花火のように尻すぼみになってしまわないか不安)
・年齢への不安(実年齢のギャップ・気持ちは幼稚なままで年齢に追いついてない)
を補足として追加します。ではリーディングしていきます。

1.主人公(シグニフィケーター)の位置を確認

 まず主人公(シグニフィケーター)の位置を把握して、その位置と周囲のカードから置かれた状況、強みや弱点をリーディングします。

①(青枠)が「主人公」のカード
位置関係から現状を把握

 主人公が上から3番目のC列(盲点)そして左(過去)から2番目に位置していますので、状況はほとんど進んでなく、むしろ自分よりも周囲の人(仲間や同僚)の人の方が「そのペースで大丈夫なの…?」と心配している=本人の自覚と危機感に乏しいと判断します。ゴールの右上からもかなり離れているので、道のりはかなり長いです。
 
さらにDに近いので、このような状況になったは一度や二度ではなく、同じ過ちを繰り返そうとしているのでしょう。「追い詰められて本気出す」タイプなんだけど、今回はいつもギリギリの時に出てくる「やるぞ!」って気力やモチベーションも湧かない。それは質問内容の補足から分かるように、以前は若さで乗り切っていたけど、今は年を重ねたので気力・体力任でガーッと進めることも難しくなったのでしょう。
 ですからポイントとしては年齢への不安がここに出てきます。自分的には若い時代特有のやり方や働き方を変えて、もっと賢く、そして無理な負担をかけずに余裕が欲しいはず。同じ過ちを繰り返してしまう原因の探究と解決がカギになりそうです。
 では主人公の周囲のカードから強みや弱点を読んでみましょう。

私の武器は何?

 まず過去の武器(経験)「霊魂(プシュケー)」から、頭で考えるよりも感性で勝負するかなりの直感型です。プシュケーは解釈が難しいのですが、心や精神、生命というより「たましい」と捉えました。つまりAさんの仕事のスタイルはズバリ憑依型(霊媒やシャーマン気質)で、「降りてこない」と気分が乗らないタイプなのでしょう。(アーティストに多い気質です)
 さらに未来の武器(希望)に「変身」が出ました。これは変化することができる強み、つまり成長です。伸びしろはめちゃくちゃあるってことですね。

克服すべき悩みや問題は?

 そして克服すべき悩みや問題を見ていきます。ここが物語でいう主人公の成長を促すためのイベントや試練になります。過去「無意識」、現在「精神」、未来「原始」と出ました。連動して読んでいくと、昔は無意識にやりたいこと・やるべきことをこなしていた。しかし今、精神が疑問を投げかけている「そのやり方でいいの?」と。ここで今回の占いをオーダーしたことの因果関係が立証されます。「あなたは自分を変えるために今回の占いの場を設けられたんですね」って感じで、未来へのカードの示すリアリティが増していきます。
 そして未来、あなたは原始的な大自然を相手にする……いきなり壮大な舞台に飛躍しました。これはぶっ飛びすぎるので、身近な原始に戻していきます。ですがまだヒント不足。そのためには情報が必要なので下のカードと連動して読んでいきます。

協力者・キーパーソンは?

 協力者の過去は「忘却」、現在は「予言」、未来は「症状」と出ました。どうやら過去に協力してくれた仲間やチームメイトは当てにしてない。ということはいつも一人で頑張っていたか、人に頼むより自分がやったほうがマシと、ソロプレイで抱え込むタイプだったのでしょう。では今頼れるものは自分の力、特に直感力。そして未来、その力は症状が明らかになるように、顕現・発現します。
 つまり協力者は自分自身である。自分の力と感性で今まで頑張ってきたのだからこれからもそれで進むという姿勢が見えます。

主人公の置かれた状況を読む

 主人公を囲む8枚のカードを連動して呼んでいくと、今までは「降りてくる」タイミングをギリギリまで粘っていたから、やらなくちゃいけないと分かっていてもなかなか気分が乗らず腰が重かったのでしょう。では今回もその「降りてくる」まで待つかというとそうでもない。「あなた自信が変わりなさい」とカードは告げている。つまりこの大きな試練を乗り越えるには、自分がさらなる上の段階へと格を上げること、そこに必要なものは原始的な力、自然のエネルギーである。山に籠もって仙人になる修行をするようなイメージでしょうか。何かを捨てる代わりに神通力を得るそんなストーリーが見えてきました。
 Aさんにとって仕事を頑張るとは、まるで苦行僧のような厳しくストイックな姿勢で取り組まれていたのでしょう。でもそのやり方には年齢的にも、体力的にも限界が来ている。その危機を察して今に至るわけです。

2.四隅のカードを読む

 始まりは「自我(エゴ)」、終わりは「柔和(穏やかさ)」、運命は「忘却」、手助けは「簡素」のカードが出ました。
 まずAさんの問題は慢心や自惚れが原因だったのでしょう。「私はギリギリでもできる」「追い詰められてからこそ本領発揮!」みたいに、過去にこれで成功できたから次もイケるでしょみたいに、締め切り直前じゃないとスイッチが入らない体質になってしまった。しかしその背景に誰かの陰ながらのサポートや、ひょっとすると迷惑をかけてしまった相手が居たのかもしれません。
 そして物語は穏やかな方へと収束していきます。A列を左から見ると動きの少ない穏やかな絵柄から、後半は矢が飛び交うような戦いを連想するカードが続いています。一波乱、二波乱と何かアクシデントやトラブルもあるけど、それを乗り越え平穏が訪れるようです。
 この穏やかな結末を迎えるには簡素化、よりシンプルにすることが重要なようです。もっと単純に行け、一本化しろって感じでしょうね。
 そして気になるのが運命や因縁に「忘却」が出ています。つまりこの孤独な戦い、終わりのない修行は、もはや前世レベルの影響であるとも解釈できます。

3.枠外のカードで締めくくる

 では締めくくりに入ります。思考に「神秘」、感覚に「誠実」、直感に「想像」、感情に「袋小路」が出ました。
 これらのカードは大きな一枚の絵画の額縁やタイトルに相当します。Aさんは仕事を通じて、無意識に神秘的なものを見出していたのでしょう。ギリギリに追い詰められた時に潜在能力が開花するような。ある意味それはスリルもありますし、ギリギリの中で「生きている」という実感も湧きます。ですがこれからは自分自身に誠実であることが求められます。もっと自分を大事にしなさいということですね。そのためには持ち前の想像力を生かすこと。「自分はどうなりたいのか」、「どのように働き、仕事で何を残したいのか」を明確にイメージすることです。そうすることで行き止まりや壁を感じている現状が打破できます。

一枚絵のストーリーとしてまとめる

 では「グラン・タブロー」の醍醐味、一枚の絵画としてストーリーを読み解いていきます。全体像を見て、1~3を一つにまとめるような感覚です。

 Aさんは自分を追い込み、あえて窮地に追い込むことで自分自身の力を極限にまで高めようとしていた。持ち前のひらめきや感性を活かし、今回の難題(仕事)も乗り越えられるかと思った。しかし今回は違った。相手は自然災害のような驚異なのだから……その大きな試練を乗り越えるには、まず自分が生まれ変わらなければならない。
 それは仲間を作ること、そして自分の後継者を育てること。つまり次世代の教育も兼ねて、今まで直感的な感覚でこなしていたことを文章化・言語化し、「教え、伝える」ことで自分の足跡を残すのだ。
 プロジェクトへの気分が乗らない時はマニュアル化の作業を息抜きとし、今までに協力してくれた人、応援してくれた人の存在をしっかりと認識する。その感謝の心がAさんを成長させる大きな光となる。Aさんの目指す高みは、皆のモチベーションを上げ目標へ導く先達としての姿。砂浜に残された一粒の宝石を見つけるようなめぐり逢いの奇跡で、Aさんはたくさんの仲間を引き連れ、小鳥のさえずる穏やかで幸福な理想の未来を目指す。

 こんな感じでカードに書かれているモチーフ(砂浜とか記すとか、小鳥とか)やイメージでストーリーをつないでいきます。主人公のカードからすごろくのようにゴールまでの最短ルートを辿っても良し。あえて回り道をして、イベントを起こして楽しむも良しです。
 また試練が自然災害を暗示させるので、そのプロジェクト自体が中止、もしくは縮小化にもなりそうです。そのためにもリスク分散や、あれだけ頑張ったのに……。と落ち込まないよう、プロセスそのものを楽しめるよう仲間とのコミュケーションや、息抜きできる作業も用意しておくと良いでしょう。そういう意味では「成長のための寄り道を楽しむ」のがAさんにとっての穏やかな余裕につながるのかもしれません。

 以上が自己流の「グラン・タブロー」のリーディング方法です。広いスペースが必要ですが、まず見栄えが良いのでとても盛り上がります。単純に左上から右下順にカレンダーのように読んでも良いですし、本家のハウス読みを取り入れて財運や恋愛運などを細かく判断しても楽しいと思います。

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