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箕輪厚介著『死ぬこと以外かすり傷』

この本の感想を一言で言うと、好きでやっている人には絶対に叶わないということだ。

尋常じゃない好きという気持ちだけで突っ走っている人が、更に走りやすくなれるツールとしての本だとも思う。

でも、そこまで狂人的・圧倒的なレベルの「好き」ではなくても、「好き」をどうにかしたいなあと思っている人に役立つ部分も大いにあると思う。

たとえば編集者になりたいのであれば、「今やる」しかない。編集者なんて資格も何もないのだから、今すぐホリエモンにツイッターで「今までの名言をまとめて電子書籍にしてもいいですか?」と聞いてみればいい。自分の稼働がゼロで本が完成するとしたら、もしかしたらOKと言うかもしれない。そうなれば一気に編集者だ。

イラストレーターになりたいのであれば片っ端からインフルエンサーのツイッターアイコン用の似顔絵を勝手に書いて送ればいいのだ。誰か一人でもおもしろがって使ってくれれば、そこから仕事につながるかもしれない。大切なことはとにかく打席に立つことだ。できるだけ挑戦して失敗して上手くなっていくことだ。

やりたいことがあるなら、とりあえずやってみる。「できない」と思ったときに、なぜできないのかを考えると、本当に好きなことが見えてくるんだと思う。あるいは、そこまで好きじゃなっていうことが分かるんだと思う。

これは、箕輪さんやその周りにいる人たちのように、日本のトップレベルやその先の世界を見ているような人でなくても、単純に自分が本当に好きなことがあるのかないのかが分かる方法だと思う。

そして、ああ、やっぱり私そこまで好きなことはないなあと気付けたら、それもいいことだし。

というか、箕輪さんレベルまでやれる人が少ないからこそ、トップはいつまでも変わらないし、こういう本は売れ続ける。

でもこの本は、一瞬だけ人のやる気を駆り立てて、結局何もできないまま、「やっぱり自分には無理だな」と言うための本ではないと思う。

箕輪さんがやっていることの枠組みを、今の自分のレベルまで落として考えて、できそうなことをやってみたらいいなと思った。

「やりたい」と思う事がある人にとって、今すぐ何らかの形にしてみることから始まるのは間違いないし。

「いや、でもできないな・・・」と思ってしまう時に、自分を抑制しているものは何かを分析したい。

「恥ずかしい」っていう理由は多いと思う。

そう思ったら、恥ずかしさなんて気にならないくらい、別の好きなことを探してもいいし、べつに何か新しいことをしようと思わなくても、ふつうに楽しく生きられることを探してもいいと思います。

熱狂できなくたって、楽しく生きていけるはずだし。

私は12年前、イベントをやりたいと思って実行して、4年くらいで続けるって難しいなあと思って山梨に帰ってきて、6年くらい会社員として過ごして、やっぱりまたイベントをやりたいなあと思って会社を辞めてみて、今は全然思うとおりにはいってない。

でも、ベースにあるものは変わっていなくて「自分が好きなもの・こと・人・考え方なんかを、誰かに伝えたい」ということで、それを「イベント」という形態でやり続けることは、お金もかかるんだけど、自分の信用度というお金で解決できないものを稼がなきゃいけないんだなあっていうところをずっと考えている。

その信用度をイベントをやり続けることで稼ぐという考え方もあるし、やり続けている凄い人たちもたくさんいるんだけど、私にはそれができないので、違う方法でなりたい自分を作りたい。

そういう中で、思いついたことをやるという扉を一つ開くと、なんだか自分がすこし成長した気がするのだけれど、それは錯覚で、一つ扉を開いたら永久に開き続けなければいけないのだ。

0と1は違うけれど、1まで進めても、そこから先には、毎回ひるむような挑戦をし続けなくてはいけなくて、いつだってどこかで扉を開けるのをやめてしまいそうだ。

そんな時はべつに、その道をおりたっていいし、忘れたっていいし、やめても楽しく生きていくことなんてできる。

でも、ひっかかる何かがあるのなら、自分の「本当の好き」を問い続けてもいいし、そうやって迷った時にこの本を読むと、ブレていた自分の思考が、綺麗に整理されるなあと思う。

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