セラピスト 三樹菜緒子さんにお聞きしました

静岡県沼津市で、今年4月にリラクゼーションサロン『月と樹』をオープンさせた三樹菜緒子(みきなおこ)さん。ご自身の経験を活かし、普通のマッサージ等に加え、女性の悩みに特化した「骨盤底筋ケア」という、珍しい施術も行っています。

元々はお店のいちスタッフ、後に店長として働いていた三樹さんが、どのように独立して、今どんなことを考えているのか、詳しくお聞きしました。

ー 元々は販売の仕事をしていたんですよね?セラピストになったきっかけを教えてください。

セラピストになったのは10年くらい前なのですが、その頃、英国式のリフレクソロジー(反射療法/足裏マッサージ)がブームだったんですよね。その時に、足裏の反射区の絵を見て、足ってすごいんだなと衝撃を受けて、私もリフレクソロジーをやりたいと思ったんです。

自分もアトピーで、そういった不調も反射区と関係してくると知り、自分が健康になりたいと思ったのもありますね。

旦那が販売の仕事をしていた時に、ストレスが溜まっていて、親指のタコが切っても切っても消えなかったんです。靴のせいかな、なんて言っていたのですが、退職して1ヶ月くらいですっと消えたんですよね。足の親指は頭と繋がっているのですが、このとき、反射区はやはり正しいんだと実感しました。

ー 10年間は、サロンのいちスタッフという形で働いていたんですか?

5年くらい、他のアルバイトをしながら、セラピストは週2回程度という期間もありました。セラピストの仕事にはちょっと飽きたりもしていて、週2回というのが、当時はバランスがよかったんですよね。

ー 多いときだと、1日に何人ぐらいの施術をしていたんですか?

最多で7~8人くらい施術したことがあるのですが、これはちょっと多すぎるんですよね。それだと手も痛めやすいので、違うバイトをしながらというのがバランスが良かったです。自分の店だったら最多で1日3人かなと思います。

その後、並行してやっていたバイト先の雰囲気がちょっと悪くなったりして、セラピストの方を週4回くらいにしたんですよね。その後店長になったので、最終的には週5回勤務になりました。店長をやっていた期間は半年ぐらいなのですが。

ー そこからなぜ独立しようと思ったんですか?

本当に思いつきなんですよね。ここで店長をやってるんだったら、そのうち自分でやった方がいいかなと。そう思ったのが、ちょうど1年前の夏でした。

でも、そんなことをぼんやり考え始めたタイミングで、突然とても安くていい物件が見つかったんですよね。その物件があったから、突然動き出したという感じです。

ー アンテナを張っていると、そういうふうに物事が動いたりするんですよね。でも、その物件があまりに古かったので、リノベーションしなきゃなという感じだったんですね?

そう、初めて友達を連れて見に来た時に、あまりに古くて、みんな「えっ、ここ?大丈夫?」って言ってました。笑

(リノベーション前の部屋は、30年人が住んでいなかった和室でした。)

ー リノベーションは初めてだったんですよね?まず、どうしたんですか?

まず、『たまTUKI』に行って、髙坂勝さんにこの写真を見せたら、「いいところになるよ!」って言ってくれたんですよね。それで大丈夫かなと思いました。

髙坂勝さん:今年の3月末まで、池袋にてオーガニックバー『たまにはTUKIでも眺めましょ』を14年間経営。内装はこだわりのセルフリノベーションだった。現在は千葉県匝瑳市にて、NPO SOSA Projectにて活動中。

ー その後、長野県諏訪市のリノベーションツアーに行って、技術を学んでから、実際リノベーションに取り掛かったんですよね?どうでしたか?

諏訪市のリノベーションツアー:ReBuilding Center JAPANのスタッフを講師に迎え、諏訪市の公共施設「ホシスメバ」の一部を、2泊3日でリノベーションするというツアー。

ツアーでは仲間ができてよかったですね。参加者が全員女性だったので、すぐに仲良くなり、私のサロンをリノベーションした時には、その仲間も2人来てくれて、皆で1日で壁を塗ってしまいました。

壁は元々漆喰にしようと思っていたんです。漆喰は呼吸する壁と言われていて、入った瞬間に、施術をする前から癒される空間にしたかったんですよね。

リノベツアーで、漆喰を塗ることができるとは知らなかったので、ちょうど経験できて、運が良かったです。

ツアーで使った漆喰は本格的なもので、かなり難しく、みんなが漆喰まみれになりながら塗っていましたが、ペンキで塗るよりも味が出るし、塗っていても楽しかったです。

私のサロンの壁は、プロが塗る漆喰とは違いますが、それも味だと教わっていてよかったですね。

床は髙坂さんに教えていただいた『NPO法人 森の蘇り』の方たちにお願いし、一緒に床を張りました。無塗装にしたので、杉の優しい香りがサロン内に漂っています。

トイレも本当に古くて汚かったのですが、かなり頑張って綺麗にしました。

今年2月の丸1か月間で、施術室のリノベーションが完成しました。


ー お金のことについても聞いていいですか?

リノベーションに関しては、床は11万円程、漆喰で壁を塗るのに4万円程。全部で15万円ぐらいかかりました。あとは、エアコンや照明等を購入しました。ふすま紙が意外に高かったですね。

ベッドやタオル等、施術に必要な物も揃え、他に、いろいろ貰ったものもありますが、サロン全体を完成させるのには、総額30万円くらいかかりました。

家賃は2万円で駐車場代が1万円と、古いとはいえ、本当にリーズナブルな物件なんです。

集客の面から言うと絶対1階の方がいいんですけど、お客さんが全裸に近い格好になる時もあるので、路面店だとちょっと抵抗があったんですよね。

お客さんの安全面や安心感を考えると、物件が3階というのも、ちょうど良かったんです。

ー 去年の9月に「独立しようかな」と思ったら、10月に古い物件が決まり、今年2月の丸1ヶ月間で店舗を完成させて、4月にオープンと、凄いスピードでしたね!オープンしてからはどうでしたか?

最初の1か月は精神面が結構大変でした。なんとか家賃分は稼げたけど、集客ってなかなか難しいなあと思って。でも、次の月からいろいろな人が結構来てくれるようになりました。

まあ、すごく売上が伸びているわけじゃないですけど、沼津まで来てくれる人がいるっていうことが、ありがたいですね。

ー ついでに観光もできていいですよね。

そうなんです。東京からでも日帰りができるし、ちょっと田舎気分も味わえるし、港もあるし。熱海も近いですけれど、熱海は諸々が観光地値段なので、そこよりご飯とかが安くていいんですよね。

ー 今の時代、物を買うことや体験することに、付加価値が求められてると思うんですよね。確かに、沼津は食事の美味しいお店がたくさんあるし、サロンで癒されつつ、沼津の魅力を知ることができますね。私も、施術を知っている人にやってもらえる安心感があります。

ー ところで、骨盤底筋ケア(膣の周りのケア)という、珍しいことをやっていますよね。これに興味を持ったのはどうしてですか?

最初から骨盤底筋ケアをやろうと思っていたわけではないんですよね。

私は1年程前に、子宮頸がん検診でひっかかったのですが、それ以前にも、しょっちゅう婦人科系の病気になっていたんですよね。

それには女性ホルモンが関わっているんだなと思い、女性ホルモンをアップさせる施術が自分でもできるようになりたいと、ネットで調べていたんですよね。それで骨盤底筋ケアのことを知って、習いに行こうと思いました。

その時ちょうど『ちつのトリセツ』や『潤うからだ』といった本が出たりと、世間でもそういったことが、ちょっと注目され始めたと思ったんですよね。

骨盤底筋ケアを学んだり、それらの本を読んでいく中で、女性の膣をケアするっていうことは、例えば、性交痛・生理痛・PMS(月経前症候群)・尿漏れ・便秘など、その他にも、女性のあらゆる悩みに関わってくる本当に大事なことなんだと、よく分かりました。

私も今まで全然知らなかったし、そういう人が殆どだと思うんですけど。

日本はやっぱりそういう教育とかが遅れているんですよね。

ー 最初に発信した時って抵抗ありましたか?1年前に沼津で会った時には、まだその話はしていなかったですよね。

抵抗はもちろんありました!

骨盤底筋のことを習い始めたのは去年の9月の終わり頃で、それを発信し始めたのは冬頃です。

でも、Twitterやブログなどで、発信したから何かを言われたということは、そんなに無かったですよね。言ってみると意外と誰も気にしないということが分かりました。

初めて自分の顔写真をネット上に出した時も、最初は危ないとか言われたけれど、別に実際今日まで何もないですね。私の周りはTwitterを使っている人が多かったですけれど、Facebookは、元々みんな顔出ししてますしね。

ーうん。人の言うことを気にしていたら、やりたいことはできないですよね。骨盤底筋ケアを受けたお客さんは、どんなことを言っていましたか?

お客さんで膣がすごく硬い方がいてびっくりしたのですが、その方は尿漏れをすると言っていました。

やはり、みんなここをケアしたほうがいいということは知らないし、自分で手を入れるのにも抵抗があるって言いますよね。

でも、ケアを受けてから、表情が柔和になったという人がいたり、また、自分の膣が緩いと思っていたけど、ここで初めてアドバイスを貰えて、緩いわけじゃないと知れてよかったという声もありました。

自分でケアをすると、それまで無かった感覚が、わかるようになるんです。

触ることによって動きやすくなるんです。それが、美容や健康、より良いセックスにもつながってくるんですよね。

ー 今って社会はすごく健康志向だし、これからもっとそういう意識は高まっていくと思うので、三樹さんがやっていることは浸透して行きそうな気もするんですが、手応えはありますか?

いや、どうかなと思いますね。

ケア自体は、マッサージなどと違って、気持ちよくてまた受けたいとというものではないですしね。「ふーん、こういうものか」というような感覚だと思うので。

産婦人科に行って内診を受けて、また受けたいなとは思わないのと同じですね。

だから、施術の売り上げとして考えるのはちょっと難しいんですけれど、やっぱり伝える重要性はあるなと思っているので、これからも伝えていきたいんですよね。

今、坂爪真吾さんと藤見里沙さんの『誰も教えてくれない大人の性の作法(メソッド)』という本を読んでいるのですが、ここには、「大人が性の悩みをなかったことにしているのが問題」と書いてありました。

甘いものや辛いものを食べ続けるということは、刺激を求めてるという意味で、自分では気づいていないけれど、性欲を満たす行為と同じという説もあるそうなんです。

三大欲求は生きる上で絶対必要なものだから、これを無視するといろんな弊害が出てくるんですよね。欲求を否定しないことも大事です。

今言っていることは、私も1年前には知らなかったことだし、この本の通り、なかったことにしていたんですよね。

誰も言う人がいないから、誰かが言わなければと思うんです。だからこそ、伝えていきたいですね。

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ご自身の婦人科疾患の経験から、女性ホルモンについて学ぶうちに、世の中には全然浸透していない大事な事実があると知った三樹さん。

言いづらいけれど、大事なことを伝えていきたいという想いは、決して押し付けがましいものではなく、そんな三樹さんの、心もほぐれる優しい施術を受けていると、素直に自分を大事にしたいなあ、もっと自分の身体に向き合いたいなあという気持ちになりました。

また、沼津は食事の美味しいお店も多く、付近にも魅力的な場所がたくさんあり、三樹さんのサロンと一緒に定期的に訪れたい場所になりました。

三樹菜緒子(みき なおこ)
2008年に販売業から、セラピストの道へ。
静岡で水野美代子先生から「水野式リフレクソロジー」を取得。
その後、4店舗ほど職場を移動動しながら、オイルトリートメント、ストレッチ、もみほぐし、英国式リフレクソロジー、台湾式足つぼを学ぶ。店長経験あり。
2018年に女性の為のリラクゼーションサロン「月と樹」をオープン。
https://tsukitoki.com/


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インタビュー

2018年8月から始めたインタビュー記事です。これから、あらゆるジャンルの方々にお話を伺っていきます。
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