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家にありて思うこと

昨日は有給休暇で1日中家にいた。土日が過酷な夏フェスだったため、社会復帰のための療養DAYとして取っておいたもの。気楽なものだ。
家の用事もなく病気でもないのに日がな家にいると、否が応でも母のことを思い出す。

母は私の観測範囲ではずっと専業主婦だ。娘の私からすると、出かけるまでの朝の時間と、帰ってから寝るまでを一緒に過ごし、土日もたまに出かけたりする、家の人。
だが社会人になってからずっと家にいてみると、その「行ってらっしゃい」と「お帰りなさい」の間に果てしなく広く日中の時間というものが広がっていたことを初めて知ることになる。
そりゃあヒルナンデスも王様のブランチもやりますわ。日替わりのスーパーの特売もありますわ。永遠に続く砂丘だもんねこんなの。

昨日は昼過ぎにちょっと気が向いて「今のうちに」とか掃除洗濯などしてみたけど、必要に駆られてというよりも、家にいてできる有意義なこととしてやっているからか、なんとなく自分のためというより家族のための様な気がしてくる。
「ご飯作って待っててくれたりするの〜?」という冗談めいた夫の一言に反射的にムカつきながらも、反対の立場の時いつも美味しいものを作ってくれるので、重い腰を上げて材料を買いに行った。
なんか、これはこれで日常のちいさな幸せ感あるな。スーパー、これだけ買っても千円とかだし…。

実家にいた頃に母が、私だけ使っている切れそうなシャンプーを買ってくれたり、父の靴下を買っておいてくれたりしたのって、ただ自分の住む家を綺麗にする以上にこういう尽くすタイプの使命感があったのだなと改めて思う。
毎日全力で感謝してほしいでしょこんなのぶっちゃけ。もっとしてよかったよ私。相談したいこととかLINEしたいの我慢して待ってるのに帰宅したら「疲れた疲れた」ってさ〜。こちらの主戦場はこちらなのですよ。休憩所ではないわけですよ。という気持ちになったね。
そりゃ〜あドラマだってめちゃくちゃみるし、学校や仕事で起きたことを知りたいよね。3週間先の家族のおでかけが楽しみだし、家族の記念日とかすごく待ち遠しいし、綺麗になった箇所は気がついてほしいし、新製品の柔軟剤の感想も聞きたいし、洗濯機の買い替えは寝れないくらい悩むし、自分だけ旅行に行くのとかかなり気が引けるし、図書館で本も借りて、YouTubeでヨガ見てやるよね。あと水筒洗わない娘にキレるよね。
もういろんなことがすご〜〜く納得がいった。1日だけで。

母を見て育って主婦というのは本当に選ばれし幸せな立場だなと思う一方で、私は仕事を持ちたいなと思っていた。やっぱり叶うことなら自分が苦労して稼いだお金で、楽しみな予定を作ったり、大切な人に贈り物をしたりしたい。
でも主婦の方にそうした充足がないのはおかしい様な気がする。だってめちゃ仕事してるし…普通に専業主婦も家政婦に換算して給与制にしたらいいんじゃないか?とか本気で思う。成り立たないのかなそうすると。
片方が出稼ぎして片方が住環境を守るという役割分担は効率的で完成されたモデルだと思うし、女性に責任ある仕事が任される様になっても男性に責任ある生活の仕事が任されることはまだ少ないので、絶滅はしない形態だと思うからこそ、気になるよね。

住み心地のよくなった家で、料理を作りながら「帰るよ」のLINE通知と玄関のドアがガチャリと開く音を待つ生活。1日だけ気まぐれでやった私がグダグダ色々言っていても、そこには確実にあたたかい思いやりの好意があったのだよね。
感謝だなあ。
私は自分のことで精一杯なので、当面は共働きでなんとか週末の一気掃除で耐えながら、日々職場に向かいたいと思います。

この気持ちにはさよなら、また次の在宅有給休暇まで…。

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