見出し画像

本屋の夢

下がパンツいっちょで、大型書店に居る夢をみた。
夢の中の書店ビルは、各階で入口が段差になっていて、靴を脱ぐことになっている。
これがマズかった。
なんとなく、帰宅した時のような、リラックスした体で入ってしまったのだ。(もちろんそれが狙いでそう作ってあるのだ。書店は悪くない。)
個人的な話で申し訳ないですが。外出から帰ったら、自宅ではいったん全脱ぎする派です。もちろんその後、汗が引いたら部屋着に着替える。
書店入口の段差にて、つい、自宅に戻ったかのように安心した私は、靴とともにジーンズまで脱いでしまったのであった。
ジーンズ。それは、帰宅したらば最もさっさと脱いでしまいたい衣類。
だって固くて、リラックスにはちょっと向かない気がしません?

書店(の、夢)の話に戻る。
その書店はほんとうに良い書店で、古い本も新しくて探しにくい本もすべて、わかりやすく並んでいる。こんな格好でないなら、いくらでも長居したい書店なんだ。
上着の丈が長かったおかげで、パンツを見せびらかしながら歩いたわけではない。幸いにも。
けれど、ミニスカと主張するにはかなり多すぎる量の生足を出しっ放しで歩いては、いた。これはまずい。
急いで入口に戻る。と、私が脱ぎっぱなしにしたジーンズが、たしかにそこにその形のまま残されている。誰も変に思わなかったんか。ありがてえ。
急いでまた、履こうとするも。
履こうとする、も。
なんということでしょう。脱ぐ時は無意識だったから何ともなかったんだろうが、履く時は履く時で、これがかなり人目が気になってしまうのだ。
はやく履きたい。
でも人目が気になって履けない。
恥ずかしさとジレンマと、ジーンズを抱えてウロウロしている。
そんな夢。

いかにも、普段の私のだらしなさが透けて見える夢である。

ところで。
裸の夢ってのは、自分の本心がバレてしまうという不安が現れた夢だ、と聞いたことがある。
聞いたことがある、程度なので、真偽のほどはともかく。いやそもそも、夢判断というもの自体がどうなのかはともかく。
本心とか本性って、基本、ひとには知られたくないものではなかろうか。
私もきっと、この卑しく怠惰な本性を、本当は誰にも知られたくない。
あるいは。
みんなに知られて、「ああ、あの人はああいう人だから、もういいわ」と
諦められて暮らしたい。
そして、
それなのに、
どこか自分では、諦められないんだ。
勤勉で誠実なひとでありたい。そういうひとに、なってみたい。

もしかしたら、いちばん恥ずかしいのはこの、いまだ自分を諦められていない自分なのかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?