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無自覚なカルピスウォーター

カルピスウオーターが好きだ。
いつもは飲まないが、突発的に無性に飲みたくなって
続けて2〜3本飲んだりする。
そしたら気が済んで、またしばらくカルピスウォーターのことは忘れる。
そしてまた突発的に飲みたくなる、の輪廻。

カルピスウォーターとカルピスウオーターどっちが正しいんですかね。
「オ」の大小の違いですが。
ウォーターよりウオーターのほうが1個キー打ち込みが減って楽なので
ウ「オ」ーターで行きます。

カルピスウオーターが発売された時の気持ちは、缶入りのお茶が発売された時の気持ちに似ている。
「いやいや、好きだけど。」
「家で作るものでしょ。お金を出して買うものじゃないでしょ。」
でも、
そのうちお茶を買う行為は定着し何の抵抗も伴わないものとなった。
カルピスウオーター然り。

カルピスウオーター、家で作るカルピスよりも美味しく感じるふしぎ。
絶妙に薄くて(と、わたしは感じる)だから喉に気持ち良くて、
水分欲と甘味欲を同時に満たしてくれる。

…なんて、関係ない話をしましたが。
(関係ないんかい)
(だいぶ長く話したな?関係ないわりには。)

話したいのは、この、突発的、という部分だ。


突発的に何かが欲しくなること。
それは大して継続せず、すぐに消えていく欲求であること。
満たされても満たされなくても、すぐに消えていく欲求であること。
そして、
それがひとつの商品を継続的に存在させていることが
なんだか魔法のように感じる。

世の中には、
「飲むんならこれ、これしかない」とか
「食事の時はこれでなくちゃね」とか
「毎日欠かさずこれ飲んでます」という人もあるだろうけど。
カルピスウオーターに関しては、
たぶん大多数は私のような、非継続的なユーザーだと思う。
これで商品が成り立ち、生産が続けていけるんか。
すごいな。

あれっ やっぱカルピスウオーターの話題続くのか。


わたしがカルピスウオーターを飲みたくなるのはどんな時だろう。
考えてみたが、法則がよくわからない。

疲れた時にも飲みたくなるが、朝きもちよく目覚めた後にも飲む。
暑い時に飲みたい時もあるが、冬の寒い日にもいきなり飲みたくなる。
甘いものを飲みたい時にも、すっぱいものを飲みたい時にも、
スッキリと水みたいなものをゴクゴク飲みたい時にも、これを飲む。
書いていて、
カルピスウオーターがとんでもなくすごい商品に思えてきたぞ。
けれど実際には、
緑茶やどくだみ茶、無糖の炭酸水やりんごジュースなど、
果てはチョコレート、ビスケット、苺、白桃、ハンバーガー、梅のど飴でも 
この突発的な摂取欲求はおこる。
たいていそのキッカケは、有って無いようなものだ。
わたしはわたしの体が求めるものに、わりと無自覚でいるんだなあ。


ひとりで居たい欲求とか
誰かとお話ししたい欲求とか、
ふたつの相反する欲求もまた、脈略なく沸き起こる。…ように、思う。

若く人生経験が少なめのひとに起こる欲求が、
年齢と経験を経てじゅうぶん大人と呼ばれるわたしにも、起こる。


義務を全て放っぽって、やりたい事に全力投球したい欲求。
やらなければいけない事を全クリし、清く正しく優しく生きたい欲求。
何もかもを投げ出して、自分をも投げ出して逃げてしまいたい欲求。
ズルズルと時間をドブに捨て続けたい欲求。(わたしは、あるよ!)
誰かのために生きている、と言ってみたい欲求。
ささやかながら人に喜ばれ、認められて生きていたいという欲求。

無自覚なまま、満たされないまま、水のような気軽さで飲み込み続ける。


自分で自分に気付きたいという欲求。
それまで、ここにじっと立ち尽くしていたいという欲求。


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