明け方近くの246

今日、というか昨日はどうしても眠れなくて明け方近くに『どうせまだ眠たくならないなら』と、外の空気を吸いにいった。

明け方といってもまだあたりは暗いし、もはや夜道。

遠くから新聞配達員がバイクのエンジンをかける音が聞こえてくる。

近くのコンビニで毎日日課で飲んでるパックの調製豆乳を購入し、なんとなく国道246号線沿いまで歩く。

ここなら明るいし安全な気もする。

この時間の246は普通の乗用車より大きなトラックばかり走っていた。

こんな朝早くから大変だなあ、事故の無いように気をつけて。と、トラックの運転手に心の中でエールを送る。

ベッドの中では自分のことでいっぱいいっぱいだったが、まだ見知らぬ人間の安全を願う心があるんだな…と、そんなことを思う自分に少し安心してしまった。



7月だというのになんだか秋の朝みたいだ。

鼻をスンスンさせ、肺の中を秋っぽい空気でいっぱいにする。

深めにかぶっていた帽子も取って、頭にも秋っぽい空気を通す。

少し肌寒いが気持ちがいい。

上着も羽織らず半袖で外に出てしまったため、両腕は鳥肌が立っていた。

少し先にたまに通る歩道橋がある。

どうしよう、歩道橋の真ん中でちょっと黄昏たいなあ。けどこんな時間に女一人で歩道橋のど真ん中でぼーっとしていたらやばいやつがいると思われそうだ。

せっかく安全祈願のエールを送っているのに勘違いされてしまう。

いかんいかん。そろそろ帰ったほうがいいな。そして寝なくちゃ。

30分ほど歩いたがまだあたりは薄暗く、夜道のままだ。


246沿いから住宅街の細い道へと入っていく。

たまに変な妄想をして怖くなり後ろを何度も確認する。

『住宅街なのに誰も歩いてないんだな』と、誰かいたら逆に怖いくせに人の気配を感じない道に孤独感を覚える。

かわいい螺旋階段のあるアパートの横を通ると、明かり一つついてない家が見えてきた。

まだ帰りたくないような、帰りたいような気持ちになる。

自販機の白い明かりがゴミステーションを照らしていて、その明るさに目の奥がツーンとする。

また眠れない夜がきたら歩きにいってもいいかな。

寝不足になること決定で、きっとほどほどにしておいた方がいいのはわかっているが、もう次回のルートを考えている自分がいた。

なんとも不思議な時間だったな。

おやすみなさい。


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