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運動遊びの重要性とその効果

皆さま、こんにちは!引原です。

前回は、「子どもにとって、専門スポーツが抱える問題点」について説明しました。

今回は、生涯にわたってアクティブなライフスタイルを獲得する上で、「スポーツ」だけでなく「運動遊び」を子どもたちにお勧めしたいと思います。「運動遊び」とは何か?ということと、「運動遊び」の効果について考えたいと思います。

そもそも「運動遊び」とは?

日本では古来よりさまざまな「伝承遊び」や「レクリエーション遊び」が考案されて、運動要素を取り入れた遊びが親しまれてきました。

「遊び」には明確なルールや第三者(親、教師、 コーチ)に統制が図られることは少ないため、子ども自身が主体的に選択できる自由な身体活動であるという点で、組織的で体系的な運動・スポーツ活動(主にスポーツクラブ、部活動)とは異なります。

特に、確固たるルールやフィールドがないこと(シンプルでわかりやすく、どこでもできる)や、人数、異年齢などの条件に応じて、子どもが自由に遊び方を変更できる点が特徴です。そのときどきの状況にあわせて、遊びのルールを変えたりしながら、自然と別の違った遊びへと変化させやすいことも特徴です。これは、1つの種目をやり込むというスポーツ活動とは異なり、各個人の運動能力の優劣(評価)を表面化させにくくしていると考えています。

基礎的運動能力とアクティブライフ


将来的なアクティブライフにおいて、幼少期のFMS(fundamental movement skills)が注目されています。

FMSは多様な身体活動(スポーツを含む)動作の土台となる基礎能力と考えられており、移動系スキル(走る、跳ぶ、スキップなど)と道具操作系スキル(投げる、打つ、転がすなど)、そして姿勢制御系スキル(姿勢を維持する)に分類されています。

これらのスキルは、幼少期から児童期の初頭にかけて自然に発達しますが、専門的な指導受けたり、身体を使った多様な遊びなどを日常的に経験することで、その発達の仕方に個人差をもたらします。

このFMSを幼少期や児童期の早い段階で獲得しておくと、自己肯定感を得やすくなります。結果、将来的に運動やスポーツへの積極的な参加を促し、運動やスポーツ参加への機会の増加がさらにFMSを成熟させるといった良い循環を生み出す可能性があります。

コーディネーション能力(調整力)も重要な要素


運動遊びを推奨するもう一つの理由が、コーディネーション能力(調整力)の育成です。以下7つがコーディネーション能力の要素です。スポーツに要求される専門的技術(スキル)を支える神経系の体力と考えてください。


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バランス能力 :バランスを正しく保ち、崩れた態勢を立て直す
反応能力 :合図に素早く反応して、適切に対応する
識別能力 :道具やスポーツ用具などを上手に操作する
定位能力 :動いているものと自分の位置関係を把握する
リズム能力 :リズム感を養い、動くタイミングを上手につかむ
変換能力 :状況の変化に合わせて、素早く動きを切り替える
連結能力 :身体全体をスムーズに動かす
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これの能力を発達させるためには専門家の指導下で訓練することは合理的といえますが、必ずしもそうでないと発達しないものではありません。特に幼少期の子どもは、多種多様な運動刺激を求めようとしますから、その欲求を満たすために、「楽しさ」を前提としたさまざまな遊びを体験させること、またそのような環境を提供することを大切にすることで、子どもは継続的に様々な運動にチャレンジしていくでしょう。

(Photo by Anna Earl on Unsplash)

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