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よこはまユースプラザはあれでいいのか

はじめまして、ひきこもごもと申します。

メディカルソーシャルワーカーを中心としたひきこもり支援に関する任意団体「ひきこもごも」と申します。 支援者目線と、元当事者のメンバーによるひきこもりの状態にある方のいまと、気持ちを一緒に考えています。
いままでひきこもりの方、その家族、現行の支援とその課題、支援者のあり方を発信してきました。

39歳までのひきこもりの状態にあるかたの伴走支援専門機関

ひきこもりの件数は年々多くなってきています。特にコロナ自粛期間が長期化し、その後の復学や就労につまずき、そのまま長期化していること、ひきこもりの定義が市民にも理解されてきたこと、相談機関が増えインテークやアウトリーチが進みケースとしてあがってきたことなどが理由として分析されています。相談窓口が増えてきたものの、横浜市健康福祉局は原則39歳までのひきこもり支援の拠点として4カ所東西南北に設立して対応しています。

コンペ合戦で運営法人が決定する

行政機関が管理運営するのではなく、社会福祉法人等の手上げによって指定管理者を決定する方式をとっています。複数の法人が今までの実績や今後の方針、指定管理施設の周辺環境やニーズの分析などをプレゼンテーションし行政機関や運営協議会などが指定管理者を決定します。

非専門家のための印象を優先する法人が指定管理を受託していく設計

実績として「利用者(ひきこもりの状態にある当事者)がこんなにはつらつと輝いています」ということを発信をする法人が指定管理を受託することがあります。よこはまユースプラザは4つございますが、そのうちのひとつには広報でも「BBQをしてきました!」「フットサル大会です!」「バンド活動の報告です!」といった発信が並び、活動内容も「みんなでディベートしてやりたいことを決定しました!」というやり方を強みとして実績報告をしています。

あらゆる相談機関がつなぐ先がユースプラザ

小さなきっかけを見逃さないためにもあらゆる相談機関や訪問支援員が分野を問わずひきこもりの状態にあるかたを敏感にキャッチし、支援機関同士で連携して専門外であっても繋いで繋いでとあるユースプラザまで届いたバトンがあの姿勢でいいのでしょうか。

ひきこもりという岸から川を渡って社会という岸に向かう

ひきこもりが長期化して安定している(してしまっている)人が、1歩目を踏み出し、飛び石を踏みしめながら進んでいくには、とても不安感を覚えます。ようやく回復期を迎え、勇気を出して踏み出した1歩目から、もし万が一にも壁を感じてしまっては、大きく本人の改善を阻害してしまいます。

はつらつを売りにした発信を続ける支援機関が「受け皿」を名乗っていいのか

専門外の支援者が、情報を集め行政機関に相談し、教えられた支援機関として当事者やご家族に紹介し、藁をもつかむ思いで39歳前の長期のひきこもりの方に届ける支援が、「みんなでディベートして決定したやりたいことをしました!今回は卓球大会です!」でいいのでしょうか。
もちろんそんな活動があっていいですし、必要な段階にあるひとにとっては社会に出る前にそんなワンクッションが大いに機能する状況があることでしょう。しかし受け皿としての機能を求められるワンストップ型の支援機関がそんな2歩目3歩目の、リカバリ期間の完了期にあるかたを当事者の中核として捉えていていいのでしょうか。

非専門家には素晴らしい実績に見える

避難所的な機能の必要性に知見のない人から見ると華々しい支援結果に映ります。「あの施設ではひきこもりがひきこもりではないようにいきいきとしている」「あの施設からこれだけ就労につながっている」「地域の活動にボランティアとして力を発揮している」と評価を得ます。
しかし、受け皿を求めて紹介に紹介を重ねてたどり着いた、濁流に1つ示された飛び石としてそんな活動を、「はい、あなたのこれからの居場所です」と突きつけられて、「ここじゃない」という結論を出した逼迫した当事者は表にでません。「ひきこもり支援の活動すら参加できなかった」という体験が、その重い状態にあるかたにとってどんな受け止めになるでしょうか。場合によってはとても危険なことにもなり得ます。

1歩目の飛び石は、手前に、平らで、すべらない、安定した低負荷のものであるべきでは

当事者にとってレベルの低い、低ストレスの活動内容であっても、回復期にあるかたはすぐさま次のステップに移行していきます。
受け皿機能を求められるワンストップ型の支援機関は、より逼迫した、状況の悪いかたであっても参加できるような、逃げ場としての居場所に特化しておき、そのなかで次のステップに移行できる人だけ、違う支援機関や活動につないでいくということが本来安全な設計ではないでしょうか。

よこはまユースプラザは4箇所あります。

危険だと発信してきましたが、すべてのユースプラザを指摘しているわけではありません。運営法人が違うので全く毛色は異なりますし、私が指摘するユースプラザも4年前までは違う運営法人で避難所としての機能が強かったです。しかしパフォーマンス性を持つ法人が高く評価を得てしまう現状があるので指摘いたしました。

ここでは親がしてはいけないこと、と銘打ちひきこもり状態にあるかたの気持ちを考えています。


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