「#エクストラホイップにセクシーサンキュー」激動の一週間を経験した一セクラバの記録。

前置き

40,640枚。
この数字の裏側に、どんなドラマがあったのか。

ここに言葉にして残すかどうかも迷っているうちに1ヶ月経ってしまったのだけれど。
自分が彼らを追いかけ始めた時に、過去のいろんな出来事をセクラバさんたちが書き残してくれていたものを読んで追いかけたことを思い出して、きっとこの一週間はこれからのSexy Zoneの歴史においても大きな出来事だと思ったので、筆を執ることにしました。

あくまで、わたしが感じたことの記録。
ことの良し悪しを語るのではなく、自分の記憶の整理のため、そして未来のセクラバに一セクラバから見たこの出来事を伝えるために。

私視点での初週の記録

2023年5月3日に発売された、Sexy Zoneにとって23枚目のシングルとなる「Cream」。
楽曲だけでなくMVやジャケットまで豪華な製作陣。前年の12月末にグループを卒業したマリウス葉くんの映像や音源が入った最後の作品。
多くの人の手に届いてほしいし、結果として売上として記録に現れてほしいとわたしも願っていた。

水曜日に発表されたフラゲ日の初動の数字を見て。あれ、思ったより少ないぞとなり。
その後の数字を見て、同週リリースの他アーティストの売上状況を知り、このままではデビュー以来連続1位の記録がいよいよまずいぞとなり。

金曜日までのTwitter上の様子は、正直「このままじゃウィークリー1位難しいかもしれない、でも結果はどうであれやれるだけのことはやりたい」という状況に見えていました。
Mステで興味を持ってくれた人が「CD買ってみようかな」って思うような、ポジティブな空気を作ろうよ、っていう声かけもあった。

ちょうどその頃から、Twitter上で「セクゾがピンチらしい…?」という他担さんの声が目に入るようになり。
「応援してるよ、何をいつまでに買えばいいの?」という声も。

土曜日。
朝からFMおとくにさんのSexy Zone特集。
わたしは聴けなかったんだけど、きっと萎れかけていたセクラバたちの心を奮い立たせる時間だったと思う。

その日のお昼頃にレコード会社から発表された追加特典。
3形態同時特典にオンラインファンミーティング参加権が追加され、日曜日には東名阪の指定された大型CDショップにて販促用のポスター抽選会。
誰がどう見ても、急遽テコ入れで決まったんだろうなという企画。
でも、少なくともこの知らせを受けて、それまで落ち込み気味だったセクラバの士気は上がったように見えた。
タイムラインに過去のファンミの感想や名(珍?)場面の振り返りが流れ始めて、読んでも全然意味がわからなくて笑って。
そうだ、初週はお祭りだ、やれるだけのことをやって、楽しんでいこう、という空気がタイムラインに流れ始めた。

日曜日。
朝から全国のCDショップにセクラバが繰り出している様子が、インターネット越しに伝わってきた。
各店舗の在庫情報を発信する人がいて、それをまとめる人がいて、拡散する人がいて、店舗にいるセクラバをいろんな形で応援したり、思いを託す人がいて。
助太刀するよ!今からでも間に合う?といった声を見つけて、それを拡散する人も、返信をする人も。
代行での購入を頼んだり、YouTubeでMVを回したり、それぞれのセクラバがそれぞれのところで自分にできることをしている姿が伝わってきた。

そして、月曜日。
夕方18時のオリコンデイリー速報。
初週最終日の売上は、なんと40,640枚。

タイムラインが、ウィークリー1位を守れた安堵と歓喜と、そんなに売れたんかい!?という驚きに溢れていた。
データをまとめてくださってる方の情報によると、初週最終日の売上としてはデビュー以来最高とのこと。

その結果、発売翌週のネットニュースではこのように取り上げられました。

Sexy Zoneの最新シングル「Cream」が、2022/9/19付の前作「Trust Me, Trust You.」の初週売上を上回る21.5万枚を売り上げ、5月9日発表の最新「オリコン週間シングルランキング」で初登場1位を獲得した。

https://www.oricon.co.jp/news/2278719/

このニュースからは、そんなヒヤヒヤした状況があったことは全く見えないのだけど。
あの一週間には、確かにいろんなドラマがあった。

セクラバって素敵だな

Twitterに割とかじりついていたこの期間、セクラバのみなさんの素敵さにたくさん触れました。

気持ちがめげなかったこと。鼓舞し続ける人がいたこと。
情報の統制がとれていたこと。タグの使い方や情報伝達の仕方など、それぞれ音頭を取ってくれる人がいて、混乱があまり見られなかったこと(これ、Twitterという場所の特性を考えたら、本当にすごいことだと思う)。
文章を書いたり、機動力を活かしたり、土地柄を生かした動きだったり、それぞれの持てるもので貢献しようとしていたこと。
セクラバさんのこれまでの知識と知恵の蓄積。店舗在庫を確保するための早めの予約の大切さ、どのタイミングでどの店舗が苦しくなりそうかの予想、言語センスとユーモアあふれるタグ(エクストラホイップ→搾乳→パルコ裏で牛飼ってんじゃないの?とか、思わず笑ってしまった)。

1位を争っている相手側の陣営や、マイナスに働くような動きをしている人たちを下げるのではなく、自分達に何ができるかを考えて。
情報が錯綜して場が荒れかけたときに声をかけて鎮める人がいたのも印象的だった。スポーツマンシップというか、団体戦の戦い方を知ってる人たちのおかげで、いろんな混乱が必要最小限で収まったのかなと感じてます。

初週が終わったあとも、他グループファンの方にお礼を伝えにいったり、「セクラバの恩返し」としてYouTubeを回したり、後日CDを買ったり。
1位を争っていたグループの方のファンと交流している姿も見られて。

売り上げのために、一体ファンがそこまで頑張る必要があるのか? という問いに対して、わたしはまだ実は答えを見出せてはいないのだけど。
でも、彼らに自分達ができることを返したい、素敵な彼らを応援するのにふさわしい自分でありたい、という矜持をもったファンがこんなにたくさんいるんだな、それって素敵だな、と思ったのも事実で。
学園祭のような、強豪校の部活のような、目標に向かって一緒に熱くなれることが心地よく、そんなファンダムの一員であることがどこか誇らしくも思えるような、そんな時間でした。

思いは人を動かす

前述しましたが、Twitter上で「セクゾがピンチ? CD買うよ!」という声をたくさん目にしました。
ここまでファン以外の人たちが協力してくれるなんてことなかったんじゃないかと思う(わたしが知らないだけだったらごめんなさい)。
デビューイベントは、キスマイやエビの先輩方が一緒に登壇してくれて握手会をしたと目にしたけど、今回はそういう直接的な見返りは何もなかったので、本当に「応援したい」という純粋な思いからの購買行動だったのではと想像しています。

「推しが〇〇でお世話になったから」というジャニーズファンの方
「可愛いセクゾがピンチとは!」という先輩グループファンの方
「最近買ってなかったけど」という元セクラバさん
マリウスくんのカウコンでの卒業の時みたいな、ジャニーズファン全体で彼らを暖かく応援してくれている空気。
ジャニーズ界隈以外でも、たくさんの方が声を上げてくださってるのを目にしました。

レコード会社からの販促イベント発表と重なったのもあり、「自分達だけで戦ってるんじゃない」という空気感が生まれた。
セクラバの最後の頑張りの追い風になった。
枚数だけではなく、気持ち的に支えられた部分が大きかったと思う。

彼らがこれまで誠実にお仕事をしてきたこと。
お仕事で関わってきた人たちとの関係を大事にしてきたこと。
彼らが「応援したい」と思われる存在であることが感じられたのと同時に、「ファンがここまでの思いで頑張ってるんやったら、いっちょ応援するか!」というような、セクラバの思いや熱さがいろんな人の心に届いて、この応援ムーブメントを動かす力の一つになっただろうな、とも感じてます。

結果として、普段はSexy Zoneの音楽を聴かない層の人たちにもリーチできたことは怪我の功名(だからといって、その経緯を正当化することはしたくないけれど)。
これをきっかけに、彼らの音楽をすきになる人が増えたらいいなぁ。

そもそもの話

なんで数字が振るわなかったのか。
いろんな要因があると思うし、インターネットの世界で目にするあれこれは憶測を多分に含むものが多いので、ここでは言及を避けようと思います(レコード会社側には是非とも分析をした上で今後のリリースに活かしていただきたい!きっともうされてると思うけど!)。

個人的には、特典で複数枚の購入を促すことをなるべくせずに、音楽の中身で勝負したいって思っていたのかな、と想像しています。
「音楽で勝負したい」なのか、「末っ子の卒業を売りにしたくない」なのかはわからないけど(契約上売りにするのが難しい、なのかもしれない)、「CDを売る」ことだけを考えたら取れたであろう様々な方策が取られなかったことから、彼らの音楽活動へのこだわりのようなものを感じました。

自分達の進みたい方向へこだわることは大事にしてほしい。
なんでもファンの言うことを聞けばいいというわけではないとも思ってる。
でも、正直もったいないなぁと思うこともある。
彼らが作り出す素敵な音楽をより広くより多くの人に届けるためには、今持ってる武器を上手に使ってほしいなぁと願ってしまう。

そもそも、「特典映像でマリウスのパフォーマンスが見られる」ということすらファン以外にはあまり知られていない状況だった。
情報が届きさえすれば興味を持って購入してくれる層に情報が届いていない、という現状。
ただ、言い換えると、「情報を自分から取りに行くor情報が入ってくるコミュニティ内にいる」人たち以外へどうやってリーチするのか次第でまだまだCDを手にしてもらえる人を増やすポテンシャルがある、ということでもある。
知ってもらえさえすれば、魅力が伝わることもわかった。

運営側の予算や人的リソースも限りがあるのかもしれないし、それ以外にもいろいろな制限やこちらの知り得ない狙いや意図があるのかもしれないけど、どうかうまいこと彼らのグループとしてのプレゼンスを上げるような施作が今後とられることを願っています。

これからを考える

結果として、「デビューから連続1位」の記録は守られたわけだけど、「終わりよければ全てよし」では決してない。
きっと、ここで無理したことはあとからボディーブローみたいに効いてくるんじゃないかな、と想像しています。
自分自身の話をすると、発売週に曲そのものや特典映像を楽しみきれなかったことがちょっとまだ尾を引いていて、次のアルバムやおそらく夏に発表されるだろう新曲に対して「楽しみ!」という気持ちが盛り上がりきれてないのを感じています。疲労が抜けきっていないのかもしれない。

二度目はない。
ここまでピンチになったことはグループの歴史を振り返ってもおそらく初めてだったと思うし、だからこそたくさんの協力を得られたとも思うけど、他のグループも含めてまた同じような状況が起こったとして、きっと同じようなことは起こらない。
だからこそ、これからどうしていくかを考えてほしいなと願ってる。
もっとファンが増えて、CDを買う人が増えて、デイリーの売上を気にして追加購入しなくても1位を取るのが当たり前になる、という状況になれば一番いいけど、今はまだそこに向かう途中なのだとしたらきっと戦略は大事。

そもそも、「積む」という文化そのもの、サブスク全盛期に「CDの売上枚数」という土俵で勝負すること、きっとこれから変わっていくだろうし、変わっていかなきゃいけないこともあると思うんだけど。

本来なら、一人一枚買って、それを大事に聴けばいい。
擦り切れるのが嫌で保存用を買いたい人や、プレゼントにしたい人は、重ねて買えばいい。
その結果が積み重なったものが「記録」として残る方が健全だ。
わたしはそう思っていたし、今でもどちらかというとそう思っている。

ただ、ここに書き残しておきたいこととして。
少なくとも、わたしの目に映る範囲でのセクラバさんたちは自分の意志でCDを買っていた。
見返りを求めるのではなく。ただただ、彼らに記録をプレゼントしたい、過去のセクラバたちが繋いできた記録を途切れさせたくない、彼らのこれからの活動につなげたい……モチベーションはそれぞれだろうけど、「買う」ことに対する苦しさは見られなかった。
自分の状況や様々な環境を踏まえて、自分にできる応援の形をそれぞれが納得して行っているように見えた。

彼らは、直接的に「たくさん買ってね」を言わない。
だからこそ、自発的に買うことができる、とわたしは感じてます。
彼らに感謝してほしくてやったわけじゃないからこそ、またファンを喜ばそうと思って感謝の言葉を述べる人たちじゃないって思ってるからこそ、彼らからの「ありがとう」の言葉が沁みるんだろうな。

結びに

記録はいつか途切れるもの。だけど、それは今じゃない、ここで途切れさせたくない、という思いから、いろんな人がいろんなところでいろんな動きをした。
そこには、間違いなく彼らを応援したいという、暖かい思いがあった。
少なくとも、わたしの目にはそう見えた。

このnoteはその記録です。

売り上げなんて気にしなくてもいいくらい、売れてほしい。
国民的アイドルになってほしい。
そのために、今何ができるのか。
一ファンとして、どんなふうに応援していきたいのか。
それを考えるきっかけになる出来事でもありました。

このnoteを将来読むあなたが、読み返すわたしが、そんな時代もあったんだね、って懐かしく思うような、そんな未来があることを願いつつ、筆を置こうと思います。

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