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70.跡を濁していく立つ鳥達へ

 子供のころ、「まんがで学習 ことわざ辞典」という本が好きで、5巻セットをよく読んでいました。4コマ漫画でことわざが学べる本で、小学生低学年でも読める本かと思います。おすすめの本です。

 「立つ鳥跡を濁さず」ということわざは、社会人になってよく使うようになりました。人事異動や退職の際、いつも思うこと。

 自分が仕事をするにあたって大切にしていることの一つが「継続性」。今の言葉では「持続可能性」と同じ意味と理解しています。大切な顧客への対応など重要な業務ほど特に重視。半年や一年といった短いスパンでは利益にならなくても、5年、10年、それ以上の長いスパンで考えれば組織の利益になる。このような取組こそ、仕事をするうえで最も重要なことの一つと考えています。そのせいか、営業成績はあまり良くありませんが・・・。

 また、自分がその顧客の担当から外れても後任の担当者や顧客が困らないようにすることが大切。よく考えるのは「自分がある日突然いなくなっても次の人が不自由なく引き継ぎできる」ようにしておくことです。重要なことは記録(文字)に残し、自分以外の人でも見られるようにしておく。そして、その存在を複数の人が分かるようにしておく。手間はかかりますが、それほど難しい事ではありません。

 これができていれば、人事異動や退職に際しても「こまったことがあればここを見れば大抵のことが分かる。それ以外のことはそれほど重要なことではないので、あなたの判断で対応して問題ない」といったように、簡単に引継ぎできる。こうすることで、次の担当者に迷惑をかけることが少なくなります。

 しかし、跡を濁していく人たちがいる。「自分さえよければよい」という発想なのだろう。重要な情報を自分一人で抱え、何も対応せずに、「あとはよろしく」みたいな感じ。「あとは野となれ山となれ」という心持ちなのでしょう。このような人って、通常時は意外に仕事ができるように見えます。評価され、出世していく人も見受けれます。手間のかかる「自分がある日突然いなくなっても次の人が困らない」ような、記録にかかる手間を省き、自分の実績が目立つ仕事に注力しているからでしょう。

 これでは後任はたまったものではありません。前任者の仕事を把握・理解するのに大変な労力が必要になり、場合によっては顧客とトラブルになることもあります。「前任は問題なくやっていたのに」と周囲からの信用を失ってしまうことも考えられます。場合によっては自分の評価を下げられたり責任を負う必要も出かねません。とんだとばっちりです。

 そうならないようにはどうすればよいのか。前任からの引継いだ事項を明確にしておくことで自分の身を守りましょう。書類で引継ぎ事項を残しておけば「自分の責ではない」と抗弁することもできるでしょう。

 しかし、それ以上に大切なことは普段から自分自身が「後任の人が困らないような仕事をする」ことだと思います。そのような意識を自分自身がもち、また指導する立場の人であればその重要性を説いていく。そうすることで組織全体に「跡を濁す」ことを良しとしない文化が広がり、自分自身だけではなく、同僚や後輩もトラブルに巻き込まれたり、誤解から信用を失ったりしなくなるはずです。

 「あとは野となれ山となれ」と考える人は幸せになれないはず。そう考えて怒りを収めています。以前にも書きました、オードリー若林さんが言っていた「幸せになれない命の回転」です。

 自己の利益を優先し、他人に思いを寄せられない人は、幸せになれないですよね。前回に続き、今回も愚痴みたいになって大変失礼しました。

 最後まで読んで頂き、ありがとうございました♪


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