サブカル男とは、単にサブカルチャーに親しむ男性という意味ではもちろんありません。誰か特定個人のことでもありません。「オタク」「パリピ」のようなカテゴリとしての「サブカル男」です。大学で対面授業が再開しつつあります。キャンパスに足を運んだ新入生がサブカル男との交流を回避し、その悪しき影響から逃れることができるよう、今日は彼らの生態をご紹介します。

その男は大学に入って最初に参加したサークルの飲み会にいます。髪が長くて細身、そしてエスニックなだらっとした服やチャイナっぽい服を着ています。どちらにしろ変なぺラい木の皮で出来たサンダルみたいなやつを履いてます。この時点でかなりしゃらくさいですね。

屈強な応援団長とかに「軟派モンが！」とか言われてぶっ飛ばされてほしいですが、そういう手合いは「傷ついた俺」に酔いがちなので殴ったところで無意味です。ちなみに酒ではあまり酔いません。酔っていたらそれは演技です。悪の演技です。泣き出し、自分がどれだけ不憫で繊細な心の持ち主なのかを語りだすかもしれませんが、そんなのに騙されてはいけないのです。
一度騙されたら最後、そいつはあなたに甘え、数々のふしだらな屑行為や人間性はいずこへと言いたくなる所業を平気で繰り返し、少し責めようものなら病みツイをするんですから。

でも心配しなくても大丈夫です。その病みツイを見たフォロワーから「私ならそんなこと言わないのに……」的なDMが4件やってきて、サブカル男は大満足なのです。甘やかすのをやめろ！
調子に乗ってリスパダールやアルプラゾラムの写真をあげ、いいねを稼ぐこともあるでしょう。サブカル男は薬の写真をあげるといいねがつく最悪のインターネットで、たくさんのフォロワーを抱えています。○○大学Twitter界隈的な場所で有名人かもしれません。そこには大学で哲学や文学を学ぶ人間が常駐し、専攻のわりに深慮も洗練さも欠いた文章で自分の赤裸々な内面をたれながしていることでしょう。言い過ぎました。すみませんでした。

というか公衆の面前で服を脱ぎ身体を露出するのは犯罪なのに、内面をむき出しにするのはなぜ取り締まられないのか。そういうツイートをする人間は全員鍵をつけるべきではないか……もし、あなたがそういったタイムラインにいるならすぐに脱出してください。脱出！

すみません、少し脱線しました。サブカル男の話を続けましょう。彼は飲みの席で一体何の話をしているのでしょうか？そうです、もうおわかりでしょう。ユーロスペースでやっている映画の話と、女児アニメの話です。「マニアックな単館系の映画」と「女児向けアニメ」を同列に小難しく語るのが彼らの特技です。なんだか賢そうだ……僕もできるようになりたい。ずいぶん素敵に見えますが騙されないようにしましょう。生きる現代思想、喋るユリイカ。そんな教養とサブカルチャーの反復横跳びを薄目で見るのがサブカル男と上手く付き合うコツです。いや付き合わなくてもいい。

彼の話に聞き入っていると、あなたはいつの間にか中央線沿線にあるサブカル男のアパートで行われる読書会だか飲み会に誘われていました。サブカル男は中央線の吉祥寺～神田辺りを生息範囲としています。そして荻窪に行きつけのカレー屋があります。
サブカル男の部屋に入ると、本棚に小説と現代詩と漫画と画集と写真集が詰まった本棚があり(『AKIRA』があります)、部屋の隅にキャンバスが置いてあります。外山恒一と千坂恭二の本が落ちています。この手のサブカル男はたいていアナーキーぶって反体制感を出していますよね。美大か私文でおまけに留年してるので家はブルジョアですが。ところで、煙草だの酒だのドラッグだのを常に摂取していますが、お金はどうやって稼いでるんでしょう。

普段はレコード屋で働いているのですが、時々知人の自主制作映画を手伝って小銭を稼いでいます。その金で去年の新歓コンパで捕まえた新入生の女子とシーシャを吸いに通っているのです。シーシャを吸っているその子に突如「撮らせてよ……」とか言って古い型のカメラで写真を撮り、部屋に二人で帰ってその子の首を合意の上で絞めます。彼女は首を絞められると生きてる感じがして嬉しいらしいです。はぁ、そうですか……。たとえ相手が病院沙汰になってもひとしきり呟いてODキャスしたあと小説だかなんだかにして文学フリマに出すから良いのです。サブカル男は自分の情けなさの需要を理解して創作するのが得意です。やめて欲しいですね。心の鬱屈の50％は乾布摩擦で解決します。それはともかく、こういう

「少し歳上の社会不適合者っぽくて文化芸術への造詣深く喋りは上手く手も早くその界隈では名の知れた心の弱さを軽薄な態度で覆って才能ある感醸し出した長身痩躯のサブカル男」が、多分大学とかにはいるはずです。

もし、こういう奴に会ったら……いやまぁ、別に仲良くなっても良いと思いますが……しかし「セックスとドラッグとプリキュアで生きてる」とかネットで言ってる先輩、嫌じゃないですか？嫌じゃないか？いや嫌ですが……でもまぁそういうサブカル男と関わるのもまぁ、大学生のうちなら良いのかもしれません。でも卒業したら縁を切りましょう。そして数年したら

「当時はああいうやつ世捨て人みたいで何かカッコよく見えたけど、普通に社会性ないガキでダサかったな〜」と懐かしく思い出しましょう。

あ……いまさらですが、癇に障ったらすいません。しかし僕はサブカル男が……サブカル……サブカル男め。

サブカル男め！！！