秘匿ハンドアウトがキライ

※本記事には現在流行している秘匿ハンドアウト有のクトゥルフ神話TRPGに対する否定意見が多分に含まれています。また、ここの記事は全て筆者の個人的な意見であるため、気分を害したくない方は読まないことをオススメします。
特に秘匿のクトゥルフを楽しんでいる人達にはマジで読んで欲しくない。あなた達の考えは間違っていない。どちらかと言えば私が異端だということは理解している。その上で多様性の1つとして受け取ってもらえればそれが良い。







クトゥルフの秘匿がキライ

この記事は「己のTRPG観」というタイトルで書くつもりだったが、秘匿が嫌いという話を書いていたら1500字を超えていたためやむなくタイトル変更を行っている。そのため、微妙に文章がおかしい事になっているもの場合があるが、気にしないで欲しい。



最近卓やった人には取り敢えず言っているが、大前提として私はクトゥルフの秘匿がキライだ。この際だしキライな理由を事細かに文章化しておこうと思う。

1.PCが敵かもしれないのがキライ
これが最大にして比率の8割を占める理由。そもそもクトゥルフは大前提として協力型のTRPGだ。シノビガミやパラノイアとは違う。本来は無条件で信頼できる味方が敵かもしれない。この中の誰かが重要な情報を隠し持っている、ひいては握りつぶしているかもしれない。その可能性があるだけでも思考のノイズとなり相当なストレスを感じる。
なにより大きいのは、秘匿ハンドアウトの扱いについて一切ルールが整備されていないこと。情報判定をして知ることもできない、公開しなくても一切シナリオに影響しないことが明記されている訳でもない、完全どフリーな状態だ。誰かが根幹に関わる情報を握ったままシナリオを終えてしまうかもしれない。そいつが一人勝ち状態になろうもんなら最悪だ。PC1人の動き次第で他PCが全員殺されるなんてことも有り得てしまう。そんなの俺は全く楽しくない。これが起こりえてしまうのが私の秘匿嫌いの根幹だ。
これは机上の空論ではなく実際にあった事だ。そのシナリオは秘匿ではなく、もっとタチの悪いものだったが。

2.キャラの感情を決められるのかキライ
別にキャラの職業が決められていたり過去にやったことが決められてるまではまだ良い。ただ、あるキャラについての感情を決められることがどうにも納得がいかない。事前情報は良い子でも、シナリオ中で印象が180°変わることなんてザラだろうし、そもそも嫌いな設定のキャラを愛さなければいけなかったりする。何があっても好きでい続けなければいけない、そうでなければシナリオが進行しないようなものもいくつか知っている。というかキャラを好かれさせたければそういうRPをすればいいし嫌われたければ悪党を演じればいい。ハンドアウトで示す理由がまるでない。PCは舞台の役者ではない。そのセッションの中で生き、考え、選択をしていく唯一の存在だ。そのキャラクターがどう考えるかを決めつけてしまうのならば、それはわざわざ人間が1人中にいる必要はないし、独自の物語性も生まれない。ストーリー進行が決まっているのなら、それは演劇や声劇であってTRPGではない。

3.役割が決めつけられてるのがキライ
2.と近しいものがあるが、これはもっと広い視野で見た場合のもので、シナリオの舞台装置としての役割が固定されてしまうのがキライだ。そのシナリオの主人公が決められていて、他がその引き立て役を強制されるのがキライだ。目立つ機会が平等なのは良いことだ。ただ、シナリオ中憎んだ相手を自分の手で攻撃できない、好きな相手を自分の力では守れない、それが他のPCによって成されるのは、シナリオとしてはいいかもしれないが、1個人としては消化不良感、無力感を味合わされてしまう。また、ものによってはPC間のパワーバランスが大きく異なっているものがある。物理的なパワー然り、シナリオの比重然りだが、「強さ」に差が出てしまうと、弱い側には不満が溜まる。誰だって自分のPCをカッコよく魅せたいものだが、それが許されないこともある。それはとても悲しいことだ。

4.筋書きが固定されるのがキライ
TRPGの良さのひとつに、自由度の高さがあると考えている。PCが神話生物で他PCにSANチェック強要したり5尺玉で山を吹き飛ばしたりするのを指して自由と言っているわけではない。独自の考えや推理の元に、情報を調べたり探索したりできることが自由度の高さだ。それはGM側からしたら見せかけかもしれないが、そう思い込ませられるのが良いのだ。
だか、秘匿のあるシナリオというのは、筋書きがほとんど固定されている。PLとしては見せかけの自由を楽しめるかもしれないが、KPがPLの行動を許容させてあげられないような場面がとても多く感じる。そのためにPLの提案を潰し、筋書き通りに進行させなければならない。そういった提案をしないPLの方が多いことは事実なのだろうが、提案が安易に潰されてしまうのは、とても悲しいことだ。

5.待ち時間が長いのがキライ
シナリオによっては、PCごとに行動が秘匿されていることもよくある。マジで待ち時間が暇なのだ。考察の時間と言っても限度がある。その時間でシナリオからの興味が薄れてしまったり、なんなら寝落ちとかしかねない。普通にシナリオに関わらない時間が長いのは悪い点だと思う。せめて他PCの行動を聞かせてくれと切に願う。

6.個人の役割が重すぎるのがキライ
秘匿ハンドアウトではPCに重い情報や役割が付与される。それは存在そのものだったり家族だったり様々だ。さて、クトゥルフは割とあっさり人が死ぬ。死なないまでも動けない状態に陥りやすい。ファンブルでも発狂でもだ。その人でしか立ち向かえない相手の前で、発狂して逃げ出したりしたらどうするのか、もし応急手当ファンブルで死んだらどうするのか。PC1人の死でシナリオが崩壊してしまう。こういった柔軟性に欠けるのは、シナリオの自由さを減らす要因となる。


まだ書き足りない部分もあるし、言葉足らずで誤解を産んでいる部分もあると思うがこの当たりで止めておく。大体人に伝えたいことは書いたはずだし、冗談抜きでキリが無いと感じたからだ。

勘違いされていないことを祈るが、クトゥルフ神話TRPGは好きだ。秘匿がないクトゥルフで面白いシナリオがあったらぜひ教えて欲しい。欲を言えば回して欲しい。散々ネガった文章は書いているが、TRPG自体は本当に好きなのだから。

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