呼び捨て→さん付けへの奇跡〜38の夜〜

この記事は初投稿記事の続きです。お読みでない方は【「3度のいいね」から始まった歴史的ダイレクトメールの話】を先に読んでいただけた方がわかりやすくお読みいただけると思いますので是非。

コチラ↓↓


伊藤というアホみたいに多い苗字に嫌気がさしているので今日から「大樹」「ヒロキ」「hiroki」と名乗ることとします。

「HIROKI」にすると某XJAPANに入りそうなので小文字表記にしておきます。

どーもhirokiです。

さて、歴史的ダイレクトメールを送ってから数日。

SBSフェイスブックグループにも招待され。


うん。


何も変わらねぇ!!!!


アクションしないと何も変わらない。

所属してるだけじゃなーんにも変わんない。

それに気づいたので

チラシを職場に貼ってみたり、割引券を作ってみたり。大したことじゃないけどなんかやってみた。

そうこうするうちにスポンサーが追加で決まったりなんか皆んな凄かった。

もっとなんかしなきゃ。もっとなんかしなきゃ。

なんだかんだしているうちに何も出来ないまま7月13日が来た。

朝も早くから会場設営などこなしていった。

午前の部を終え、昼飯を食べ、会場に戻ってふと会場の外に目をやると

いたぁぁぁぁぁぁぁ。


鈴木啓太!


鈴木啓太がそこにいる。啓太がそこにいる。

鈴木啓太はどんな選手よりも大好きな選手だ。

僕はサッカーが上手くなかった。

鈴木啓太本人も引退セレモニーで言っているようにプロの中では上手い選手ではなかった。

それを自分に重ね合わせていた。

啓太のがむしゃらに走る姿、プレースタイルが大好きだった。オシムジャパンの時「水を運ぶ人」と表現され、縁の下の力持ちの啓太が注目を浴び代表で活躍する姿に本当に勇気をもらった。

下手くそな俺でもチームの役に立てるかもと希望を与えてくれた。

想像してほしい、今読んでくれているあなたの心の底から憧れていた人、心の底から好きな人。

そんな人がそこにいるのだ。

僕は心の底から憧れていた人が手の届くところにまで近づいた。

僕はずっと鈴木啓太とか啓太と呼んでいた。

当たり前だよね。芸能人みたいなもんだし。

鈴木啓太のプレーを見るたび勇気をもらった。

2012年の広島戦(だったはず)鈴木啓太が2ゴールを決めた。

啓太が決めた!啓太が点を決めた!と喜んだのを今もはっきりと思い出す。

そして今僕はSBSのスタッフ。

そこに座っている鈴木啓太に名刺を渡すことは不自然じゃない。

意を決して近づき、挨拶をした。

本当に何を言ったのか覚えていない。

名刺を交換できた。

もうこれは宝物だった。

名刺の裏も表も何度も読んだ。

名前も知ってるし啓太の会社の名前なんて当たり前に知っているのに何度も読んだ。

そして興奮冷めやらぬ間にSBSは始まった。

SBS本編は為になる話とスポーツ業界におけるハイレベルな話の応酬だった。

その間、鈴木啓太の話を食い入るように聞いた。

ビデオ係だった俺は聞き入りすぎてカメラを動かすのを忘れていた場面が何度かあるのは福田先生には秘密。笑

楽し過ぎてあっという間に終わった。

その後のアフターパーティ。立食形式だった。

せっせと会場の設営をした後

我々の長、岡部さんの乾杯の音頭にてアフターパーティーは始まった。

迷わずサッポロクラシックを取る鈴木啓太は流石だと思った。←もはやストーカー

参加者とゲストが和気あいあい、ざっくばらんに会話を始めた。

皆有名人の鈴木啓太に話しかけ、写真を撮ってもらい色々話して楽しそうだ。

ほんとは話したくてウズウズしていたけど緊張しすぎて吐き気がした。

どんな偉い人でも緊張しないし、タメ口をきいてしまう僕がこの日は違った。

何度も話そうとしたけど諦めた。

啓太と名刺交換したし、一言話しもした。

充分だった。

でも誰かが近くで「写真撮ってください!」と鈴木啓太に言った

なんだかんだ是が非でも写真を撮りたかったのでささっとその列に並んだ。

人には晒せない「全然緊張してませんよ。余裕ですよ〜」のフリをしている不細工な笑顔である。

おまけに親指も立てている。恥ずかしい。絶対に晒せない。



画像1

ここで緊張の限界を超えた。

その場を離れ極度の緊張を解きほぐしていると

SBSゲストの福田先生が僕の背中をポンポンと叩き

「啓太さんとちゃんと話したの?」と

「吐きそうになるのでちゃんと話してません」と

はっはっはと笑いながら去っていく福田先生。


全然笑い事じゃないのである。


アフターパーティも終わり。待ちに待った寿司!

啓太と寿司が食えるぞ〜!!


ここに賭けようとと思った。

2ヶ月これを楽しみにしてきた。

自分の周りには7月13日鈴木啓太と寿司が食えるんだと嬉々として言いふらしていた。

しかし現実は残酷だった。

サミット会場の撤収をしなければならなかったので寿司屋に着いたのは最後の方だった。

回らない寿司屋の「小樽政寿司」は寿司が順番に出てくるため席移動が基本的に出来ないのだ。

鈴木啓太は1番奥。僕は1番入口側。話せるわけがなかった。

ショックのあまり死ぬほど美味しい寿司が美味しい寿司くらいだった。なのでまた行こうと思う。

寿司を食べ終わった後も飲みに行くとの話が出た。

なんと鈴木啓太も行くとのこと。

どーせ話せないけど、少しでも同じ時間を過ごしたかった。

もちろん参加した。

皆楽しそうだ。

席は奇跡的に啓太の前だった。横にはヴォレアスの池田さん。

2人は楽しそうに仕事の話やら何やらしている。

僕はうんうんと必死に話を聞いていた。

いや、聞いてるふりをした。

どんどん2人は盛り上がり今度どこかに行く予定まで話している。

入る余地なんてなかった。


後にも先にもこの時ほど男と話す男に嫉妬した事はない。


もういいやと思い違う人と話し始めた時

なんと目の前で啓太が歌おうとしている。

夢みたいだった。

サッカーをしている時以外の姿を見るなんて夢みたいだった。

尾崎豊の15の夜のパロ「38の夜」を歌いきり

その後啓太はトイレへ行った。

その時岡部さんが話しかけてきた

「啓太さんに思いは伝えたの?」

「吐きそうなので伝えてません」

「ダメだ!絶対に伝えなきゃ」

「でも。。」

「好きなんだろ?憧れなんだろ?」

「中学からずっと目指していて、どんな海外の選手よりも大好きでJリーグのカードだって5枚持っています」

「選手は2度死ぬんだよ。知ってる?」

「引退する時と本当に死ぬ時だよ」

「引退してからもこれだけ思ってくれている人を嫌な選手なんていないはずだ!僕が啓太さんと話す機会を作るから必ず思いを伝えなさい!」


いつもの優しい岡部さんの眼とは少し雰囲気が違ったように思う。すごい勢いだった。


笑いながらどこかへ行ってしまった福田先生とは大違いであった。笑



「啓太さん!思いを伝えたい人がいるから聞いてあげて!」

啓太が目の前に座った。

僕は思い切り17年分の気持ちをぶつけた。

「中学から目指していてどんな選手よりも大好きで僕の中のトップオブトップでリスペクト中のリスペクトでジダンよりもベッカムよりもガットゥーゾよりも俺の中では鈴木啓太でした!!」

すると啓太は「俺はもう※☆%¥♪」と言った。

(なんか良く覚えてないけど俺は大したことないとかもっと上手い人がいるとか。いったような気がするが本当に覚えていない)

ただそこで何か上記のような否定的に言われたような気がして急にスイッチが入り


「誰が好きだっていいだろうが!好きなもんは好きなんだよ!」と怒鳴った。


とにかくこれだけ鈴木啓太が大好きで本人に思いを伝える機会があり、本人に対してなんか怒鳴ったのは日本でも数少ないだろう。

啓太が言った

「お前バカだなぁ〜」


そしたらなんかこうなった。



画像2

好、夢、幸、楽。全てのポジティブ感情が爆発した。

歌っているのは「we are the champions」

気持ちは本当にチャンピオンでした。笑

この時、この瞬間。僕の中で変わったのだ

彼は憧れの鈴木啓太でもなく

憧れの啓太でもない。

憧れの“啓太さん“になった。


二度とないかもしれないけど

今度また会えた時。

いつの日か一緒に仕事ができるとき

こう声をかけるんだ。


「お久しぶりです!“啓太さん”」と


半年前のダイレクトメールが。

ちょっと勇気を出して送ったダイレクトメールが

今では恩人である岡部さんとを繋ぎ。

そして僕の背中を何度も押してくれた岡部さんの優しさ、そして使命感が

僕の夢を叶えたのである。

hiroki


追記 実はこの日ミスユニバースとAKBの言い訳maybe を振り付け付きで一緒に歌うという快挙も成し遂げています。笑


次回

夢の続き〜背中を押された奴らの連鎖反応


乞うご期待










励みになりますので宜しければサポートお願いします!!