私はコーヒーになりたい

2018年のCoffee Advent Calendarの最後に何を言い出すのか、というタイトルだが、自身の本質というものを考えたときにたどり着いたことだった。

12月初旬に行われたDesignshipというイベントに参加しのだが、その中の印象的だったのがコミュニケーションデザイナーのTomo Oginoさんによる「The Inner Power of Brands — ブランドの内なる力」というセッションだった。

彼女のセッションでは聴講している皆に対するちょっとしたエクササイズをおこなった。「自分」というブランドの本質的価値を考えるために、A4用紙にいろいろと書き出すというものだった。

Who(肩書、仕事、役職)
What(作っているもの、作りたいもの)
Why(どうしてそれを作っているのか、作りたいのか、どうして好きなのか、それを通して何がしたいのか)
Value(仕事や人生を通して、世の中に作っている、作りたいあなたの価値とは)

The Inner Power of Brands — ブランドの内なる力 #designship2018のレポートより

普段の僕の仕事というのは、エンジニアに軸足を起きつつ、デザイナーとのエンジニアと間のところをいろいろと動いている。必要があればUIデザインもやるし、テクニカル/クリエイティブ・ディレクションもやる。これらはその時々の環境で、こういう動きをすることが求められていることもあるが、器用貧乏なりにいろいろな間にはいってつなぐことが好きだったり、安心感をもたらしたいというのがあるのだと思う。

一方、仕事としてやっているわけではないが、コーヒーをサーブすることが好きだ。なぜコーヒーが好きかといえば、もちろんコーヒーそのものの味や香りが好きだというのはあるが、コーヒーがもたらす時間や空間が好きだというのが強い。コーヒーを淹れていると周りのひとが集まってくる、そういう時間が好きだ。

僕がGoodpatchという会社のはじまりのときから持っている想い、人が集まる場所をつくりたいというその想いは、数年後にコーヒーという存在によってより強くなってきている。

と、こういうようなことをエクササイズの短時間の中でブレイクダウンしていくと、たどり着いた自分のブランド、本質的価値として目指しているものは「コーヒーのような存在でありたい」ということに気づいた。

おいしいコーヒーは安らぎや時間を与える。コーヒーそのものが最重要なのではなく、それを媒介にして人が集まり、コミュニケーションが生まれ、なにかを解決したり、新しいアイデアを生みだすきっかけになることが素晴らしいとおもっている。

コーヒーと同じように、僕という存在が他の誰かの、何かの役に立てたならばそれが嬉しい。

だから私はコーヒーになりたい。

明日の元気の素になります。