ChatGPTは、ユーザー等から集めた意見を〈志〉でグルーピングしてくれるか?
はじめに
KJ法では、親和性の高い意見を1つのグループにまとめ、各意見の志をくみ取って簡潔な文章にまとめます。まとめた文章を表札と呼びます。
この表札づくりにおいて、複数の意見をひとつのグループにまとめる際、ありきたりの意見を集めるか、異質な組み合わせを集めるかはセンスです。
※ここでいう異質は、何ら共通項がない意見と意見ということではなく、一見すると共通性がないようにおもえるが実は・・・という異質です。
人のセンス?! ・・・いやいや ChatGPTでもできるはず。(と信じたい)
書籍『創造工学』に紹介されてた表札の事例はすごい!
「創造工学」で、以下の意見がひとつのグループとされた例が紹介されていました。
KJ法の生みの親である川喜田二郎さんは、グルーピングされた方の意図は読めぬものの何らか感じられるところがあり、なぜこの5つの意見を同じグループにしたのかについて理由を尋ねられたそうな。
挙げられた理由は以下です。
さらに上記の理由を挙げた理由を尋ねられ、
さらにこの理由を尋ねられ、以下が挙げられています。
最終的に以下の表札となったようです。
すべての意見の志を崩したり変質させることなく、まるっとまとめられています。
これらの意見を見た時に共通性をイメージの先で見出され、ひとつのグループにまとめられた方のセンスと、この異質ともいえる組合せからストンと腹落ちする表札の形に昇華された川喜田二郎さんに頭が下がりました。
ChatGPTに相談してみる
上記の内容には「芸事」や「○○道」のようなところを感じましたが、半信半疑で以下をChatGPTに尋ねてみました。
User
これらの意見をひとつのグループにするというのは、かなり高尚な内容に思えます。集めた人は整理するまで言語化はできていないが、これらの意見の共通性を肌で感じていたというものであるからです。
ChatGPTで同じアプローチを取ることができればと思いますがどうですか?
ChatGPT
ChatGPTにおいても、同じアプローチを取ることは一部可能です。ChatGPTは人間のように直感的な感じ取りをすることはできませんが、与えられた情報を元に類似性や共通のテーマを理解し、それに基づいて意見を整理することができます。
例えば、与えられた意見を分析し、共通するキーワードやトピックを抽出することができます。また、複数の意見を比較し、類似した傾向を見つけることも可能です。ChatGPTは、前の文脈を理解して返答することができるため、与えられた意見を整理し、それらが共通のテーマを持つことを指摘することもできます。
ただし、ChatGPTは人間ではなく、情報の理解や意見の整理には限界があります。高度な分析や複雑な意見の統合は得意ではありません。それでも、KJ法のようなグループディスカッション手法でのような洞察を提供する一助となることができるかもしれません。
ChatGPTを使用する場合は、専門的な知識や洞察が求められる場合には、その限界を理解した上で、参考程度にするか、より高度な分析が必要な場合には専門家のアドバイスを仰ぐことをお勧めします。
え?!まじ?
ただ、私はまだChatGPTの返事が信じられません。
これらの意見を見た時に共通性をイメージの先で見出すっていうのはセンス・・・「センスをもって」っていうのも、なんか変だし・・・どうするかを示さないとなということで、ChatGPTに以下を伝えてみました。
User
意見をグループにまとめる前に、すべての意見の背景を探り、その背景の親和性が高い意見をグループにすることができるかもしれません。
ChatGPT
正確です!意見をグループにまとめる前に、意見の背景を探り、親和性の高い意見を見つけることは非常に重要です。背景の親和性が高い意見を同じグループにまとめることで、より意味のあるテーマやパターンを発見しやすくなります。
ChatGPTは、与えられた文脈や情報を理解して応答することができるため、意見の背景を読み取り、関連性や親和性のある意見を見つけるのに役立ちます。ChatGPTを使って複数の意見を整理する場合、次のようなステップを考えることができます:
1.全ての意見を理解する: ChatGPTに与えられた全ての意見を読み取らせます。
2.共通するトピックやキーワードを抽出する: ChatGPTに意見を分析させ、共通するトピックやキーワードを抽出します。
3.背景の親和性を考慮する: それぞれの意見の背景や文脈を理解し、親和性の高い意見を同じグループにまとめることを試みます。
4.テーマやパターンを見つける: 親和性の高い意見をグループ化した後、共通するテーマやパターンを見つけることに焦点を当てます。
ただし、ChatGPTは完全に自律的ではなく、限界もあります。特に専門的な分野や複雑な意見に対しては、正確な結果を出すことが難しい場合もあります。そのため、ChatGPTの結果を重視する際には、人間の判断や専門家の知見と組み合わせることが重要です。
そうか・・・ステップバイステップやんと気がつきました。(おそい ^^;)
ようやく、そこそこいけそうな気がしてきたので、ChatGPTに「上記のステップで先の5つの意見を処理して」とお願いすると、以下の要約文が返ってきました。
日本社会における男女の役割や行動に関する文化的な観念とジェンダーに基づくステレオタイプの存在です。
文章は少し長いけど、この要約を返してくれるのはChatGPTは流石です。
ChatGPTでKJ法、親和図を適用する場合は、似た者同士の意見をグルーピングしてではなく、上記のようなアプローチが望ましいのかもしれません。
余談
ChatGPTは、KJ法のことを カッシュワー・ジャン法 などと呼んでいました(なんやねん、それ😅)ので、KJ法のことはあまりご存知ないのかも。
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