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裸足で駆け出したシンデレラ、王子様候補は何を追う #推し備忘録 #御伽の国の舞踏会


はじめに

はじめましての方ははじめまして、そうでない方もはじめまして。月小森です。2021年3月10日をもって私の推しである御伽原江良さんがにじさんじから卒業することとなりました。なので、1オタクの備忘録としてnoteにありのままの感情を押し付けようと思います。対戦よろしくお願いします。
※ほぼ全文自分語りです
※少しだけvtuberの禁忌に触れる話が出ます
※御伽原江良さん(以下、江良ちゃん)以外のvtuberの話も出ます
※ただの1ファンの備忘録にすぎません、総意では無いことを表明しておきます
※たぶん「これからの話」だけ見てくれれば大丈夫です

・にじさんじにハマるまで

今や1つのオタクコンテンツとなったVtuber。しかし僕はおじいちゃんなので、10年前からTwitterでゆるゆりを実況して規制されまくってたし、μ'sのライブに行って限界化をよくかましていた、そんなオタクでした。そんなオタクはやがて大学生になるとそこそこ忙しくなり、いわゆるオタ活はあまりしなくなってしまいました(それでも声優さんは追ってたりしたけど)。自分の中ではμ'sラストライブが1つのターニングポイントだったのかも。だから卯月コウさんのラ帰雪牛の話はまじで共感できる。牛丼は食ってないけど。

やがてソシャゲが勢力を増すようになり、僕もシャドバを始めました。それをきっかけにゲーム実況者をよく見るようになりました。RAGEで生もこうさんに会ったりその時はその時でおもろい生活でした。やがて名だたる実況者がプラットフォームをニコ生からYou Tubeに移行する時期がありました。ニコ生の匿名性のコメント欄から名前が見えるコメント欄になったことで色々戸惑いましたがすぐに慣れました。よくバロリさんの配信とか動画とか見てました。

そして僕が大学4年になるころ、なんかとんでもない人たちがやってきました。その名は「Virtual youtuber」。最初は3Dモデルがリアルタイムで配信しとる!とすげえ時代が来たと思いました。そりゃラブライブのPV時代から見てたオタクなのでその凄さとかはすぐにわかりました。当時はアイちゃんはもちろんばあちゃるとかも見てた。この頃のあの馬おもろすぎる。

そして程なくしてまたとんでもないグループが生まれてました。その名は「にじさんじ」。これまた絵がリアルタイムで動いて喋っとる!とすげえなと思ってました。そして委員長のヨーロッパ企画実況をよくリアタイしてたのを覚えています。当時はVtuberとしてではなく、実況者の新しいジャンルとして見ていました。その後、にじさんじゲーマーズが発足され、叶くんがOPENRECで配信を始めました。ここまでがにじさんじに会うまでの経緯です。

・江良ちゃんを推すまで

察しの良い方は「あっこのセクションなげーぞ」ってなってると思います。
長いです。ぶっちゃけ飛ばし推奨です。

やっぱゲーム実況っておもれえわってなり、叶くんを主にリアタイするようになり、ちょっと時が過ぎて7月、ある女の子がにじさんじゲーマーズに加わりました。その子はビジュアルから好みでしたが、自己紹介動画で間違いなくやべぇやつだという印象を持ちました。彼女の名は「笹木咲」。ちなみにその動画は今見ても頭がおかしい。
そして彼女のスタイルは当時の、というか今でも珍しい動画勢というスタイルを取っており、1動画大体20分で見れるという、とても追いやすいライバーでした。喋り方も関西弁+やよ族という独特な喋り方でしかもおもろくてかわいいときた。V界隈に来て初めての推しが笹木咲になりました。
そうして伝説の富山配信やらゲーム部の道明寺くんとの無言コラボやら辛ラーメンをかざちゃんに先を越されたり色々あって、

2018年11月11日をもって引退することが決定した。

あまりに急で当時は何が起こってるかわけわかんなかった。色々な推測が飛び交ってにじさんじ界隈は地獄と化してもうそれは大変だった。後々で事実は推測より遥かにマシだったことがわかるがそれもこの段階では何もわからない。運営を疑うもの、ライバーを疑うもの、様々な憶測が飛び交っていた。中の人漁りまで横行し大変なことになっていた。
それでもゲマズのライバーは笹木咲ちゃんを笑顔で送り出そうと、マイクラで卒業式を行った。その時、初めて知ったゲマズのライバーもいましたが、本当にあったけぇなと感じた。今思えばこのあったかさがゲマズ推しに繋がったのかもしれないと思う。
そして予定通り2018年11月11日、桜ノ雨をもって笹木咲は卒業した。
当時、僕は寂しさを紛らわそうとしぃしぃの配信を見に行ったりしていた。だけど、やっぱり推しが卒業するって初めての経験で、正直当時のことはあまり覚えていません。推しが卒業しても通常運転な日常に寂しさを感じていたりしたんだと思います。そんな中でした、

「おかえりって、言える日が来る」

なんと、あの「笹木は嫌われている」を担いで帰ってきたのである。もうオタク感情ぐちゃぐちゃ。でも誰もが笑っておかえりって言えるそんな空気にしてくれた。今考えてもこのムーブすごすぎる。

そっからにじさんじとしてはMusicFesやMusic mix up!!など音楽展開も始めてて活動の幅を拡げている最中でした。
そんな中、僕は笹木→しぃしぃ→にじレジと見てきて割と見る人の幅が広がりました。にじレジ経由でSEEDs組を知ったりゲマズをより見るようになったり、色んな人がいるんだなぁと。

またVだけでなく偉大なるすもも先生やバビ咲楓さんなども見るようになりました。毎日色んなことが起こるから楽しかった。かなりハイスペースでライバーがデビューしていた時期でもあり目まぐるしく拡大していった印象です。

まぁ色々ありましたと。江良ちゃんのデビューは2019年3月10日ですが、時を2019年夏辺りまで進めます。ちなみにこのときの江良ちゃんへの印象は「アグロ失言デッキ使い」、人の印象って結構変わるもんですね。

まぁ前述の通りしぃラジをよく見ていたのでゲストで来たときやしぃしぃとJK組家爆破とかで見ていた。この人トークもリアクションもおもろいなって思ってました。実際おもろい。割と雑談多めだったので人となりがなんとなくだけど見えて、オーディションのときに面接官へ人生相談した話とかしてて、なんか自分と似てんなぁとか思ったっけ。新衣装でドレス来てきたり、あと並行して見てた戌亥のとこちゃんとじゃれてたりで微笑ましかった。根っからの関係性オタクなのでふたりの関係性にはすぐにハマりました。
ちなみに当時の僕は社会に殺されてしまいメンタルが崩壊していた頃だったので、なんとかにじさんじを見ることを生き甲斐に死にませんでした。サンキューにじさんじ。

もうちょっと時を進めて12月、「Virtual to Live in両国国技館」が開催されました。これには僕現地にも行けずなんならリアタイもできてなくて今思うとすごく悔いがあります。後日、機材トラブルの件を知るのですが、ギバラコールが暖かすぎて心が動かされてしまった。そして、そんな彼女の感想配信を見て、更に突き動かされました。この子のライブの成功を、成長を見ていきたいと。しかも次の機会はそう遠くなかったんですね。

そんな中、江良ちゃんの3Dお披露目配信がありました。あの伝説のコオロギ回です。いや、にじさんじ伝説回多すぎないか?なんかユードリックの3Dも出てくるし。個人的にはスパチャタイムで重すぎて一瞬札束の海が消えるところが見所です。ガチでおもろい。だけど最後にはリベンジを果たして終わりかと思えば足ツボに突っ込んで終わるというなんとも彼女らしいお披露目でした。1時間ちょっとに色々詰め込みすぎだろ!またオタクくん感情ぐちゃぐちゃにされてるよ。ちなみに個人的には先の件もあり、あまり個人に執着するのもよろしくないなと思っていたのでこの時点でもまだ推しとは言い切れません。

ただ、少し時間を進めて2020年2月9日、もうずっと推してやると決めてしまった、そんなイベントが開催されました。それは「にじさんじ Japan Tour 2020 Shout in the Rainbow!」。

・江良ちゃんを推してから

僕の推しきっかけは「ファンサ」でした。これまでの経緯を考えたら、めちゃくちゃに刺さりました。エモいとか尊いなんてレベルじゃない言葉じゃ表せないものがこみ上げてきて、オタク泣いちゃった。これが推す決定的な瞬間となりました。もちろん後悔はしてません。「今ね〜とっても笑顔です」とそう呟いてくれた。めちゃめちゃに幸せでした。

そうして、御伽原江良さんが数あるVtuberという認識からひとりの人間として尊敬したいと思うようになりました。初めてYouTubeのメンバーシップに登録したし、出来るだけ江良ちゃんの活動を追いたいと思いました。そうして追っていくうちに、一般的に知られるただの芸人Vtuberではない努力家としての一面があると感じました。メンバーに入る前はわからなかったことがそこには広がっていました。

ただ、僕は王子様候補(以下、王候)というよりはにじさんじの1ファンだったので、もちろん他のライバーさんの配信も拝見していました。2020年3月はARKブームがあって、あの大戦争も追っていたのでもう生活はにじさんじ一色。まぁ関係性オタクであり実況者もよく見ていたので当然の帰結と言えば当然と言えるでしょう。思えば2020年はずっとにじさんじのオタクをしていた気がします。

ちょっと時間は前後しますが、江良ちゃんはかざちゃんとユニットを組み、「petit fleurs」としてメジャーデビューしました。メジャーデビューですよ!メジャーデビュー!ちょっと前までただの女子大生だった子がメジャーデビュー!なんて夢のある話なんでしょう。ほんとにシンデレラストーリーを見ている気分でした。1stアルバムが出ました。買いました。1stライブも応募しました。なんと偶々偶然運がいいことに現地参戦が決まりました。ご時世もあり開催が延期になったり、コール禁止にはなりましたが無事に開催されました。これが最初のVtuber関連イベント初参戦になりました。ぷちふるのアイドルとしての成長が見れて本当に楽しかった。バルーンでの応援もたくさんしたし、推しがそこにいるんだって感じることができました。「推しが生きてる!」、vtuberじゃなきゃこの感覚は味わえないなと。そして同時期に、個人的な出来事ではありますが社会復帰が決まりました。これも江良ちゃんのおかげです。僕のようにきっとあなたのお陰で人生が変わった人はいると思います。やっと人生の目的が決まりそうだった。あなたがいる世界でなら働くのも悪くないと思った。ここには書かないけど御伽原江良さん色々起こり過ぎなんですよねここまでですでに。普通の人だったら心折れてると思います。だけどあなたは違った。

『だから辞めない 負けず嫌い 私はいる』/ファンサ

そう歌った。その姿に心を何度も動かされ、そしてより幸せになってほしいと願った。願ってしまったんです。

つい先日、江良ちゃんのメンバーシップになってから1年が経ちました。飽き性の僕が1年間同じ人を推してきた証ができました。江良ちゃんの活動の2年間。太古の昔、ネットの誰かが言った「半年ROMれ」の言いつけを守っていたので今まであまりコメントはしてなかったのですが、最近はリアタイできる時にコメントを打つこともありました。にじさんじの3周年イベントも一部無観客ですが開催されました。通しチケットを買って全部見ました。様々なライバーが僕らリスナーを楽しませようとしてくれていて、にじさんじのこれからを希望に満ちた言葉で表現していました。

『君と僕らで作り上げた 世界はまだ続いてく』/Wonder Neverland

・これからの話

本題までが長すぎるよオタクくん。
元も子もないことを言ってしまえば、Vtuberの引退はそう珍しいことではありません。申し訳ないことに引退という事実を聞いたことで初めて知るVtuberさんすらいます。きっと僕が観測できてない引退のほうがほとんどです。そんな短命なVtuberというコンテンツ、さらに残酷な事実があります。それは引退は死を意味するということ。

これを理解するには、Vtuberというものがそもそもどういうものなのかを知る必要があります。アニメキャラクターは、キャラクターが存在してそこに「声優」と呼ばれる人が魂を吹き込み、世に出ることができます(極稀にこの順序が逆になるケースがあります)。ゲームキャラクターでは、まだ声がついてないものの、テキストベースによって魂が吹き込まれることで、世に出ることがあります。その彼ら彼女らは、キャラクターと誰かの力によって成立することができるのです。誰かの力がなんらかの理由で無くなったとき、おおよそは代替案がでます。例とすれば、声優さんが世代交代するなど。そして、彼ら彼女らのいる世界は、その制作者によって終わりを迎えることがあります。これによって、正式な物語は終わりますが、ファンによって同人誌が書かれたり、公式によって後日談が語られることがあります。彼ら彼女らはそうして人の記憶で生き続けることができます。

ではVtuberは。
Vtuberは、ある人がある人に生る(なる)ことで、成立しています。これは紛れもない事実であり、このコンテンツにおいてもっとも興味深いことであり、最も残酷なことを意味します。そして「にじさんじライバー」はこの特徴が最も顕著です。
これだけでは意味不明なので、もう少し噛み砕いて説明します。

誠に勝手ながら名前を出すのですが、ものすごい便利なので「犬山たまき」さんと「佃煮のりお」さんを例にこの話を説明します。
「佃煮のりお」さんは女性漫画家で、「犬山たまき」さんは男の娘系Vtuberです。ここで言いたいのは「佃煮のりお」さんは実在する人物であり、「犬山たまき」さんはVirtualに実在する人物であるということ。現実世界で「佃煮のりお」さんを「犬山たまき」さんと認識する人はいないし、Virtual世界で「犬山たまき」さんを「佃煮のりお」さんとして認識する人も少ないと思います。つまりですね、「佃煮のりお」さんと「犬山たまき」はそれぞれ別の人物なのです。「佃煮のりお」さんが「犬山たまき」さんとして配信して表に出た瞬間、「佃煮のりお」さんは「犬山たまき」さんとして生きることになります。そしてその「犬山たまき」さんを構成する要素は恐ろしいことに「佃煮のりお」さんだけではありません。そう、あなたたちも少なからず含まれてしまうということです。これは実在する人間の人格形成にも適応できます。人間の人格形成は周囲の環境、家族や友人、あるいは社会によってかなり影響を受けます。それと同じようにVtuberの人格形成には、所属グループや人間関係、そしてリスナーの影響を大きく受けます。よって、「佃煮のりお」さんと「犬山たまき」さんの人格形成環境には大きな差があることがわかります。それは、別の人格を形成するのと全く同じ意味合いを持ちます。

この話は「出雲霞」さんの配信を見ればより理解できると思いますし、なんなら彼女の説明のほうがとてもわかりやすいです。ある人が別の人生を歩み始める。まさにそれがVtuberの根本にあるのです。

この美しく残酷な事実を理解しましょう、いやするしかない。「御伽原江良」は「御伽原江良」でしかないんです。つまり「御伽原江良」さんが引退するということは、ほぼ確実に「御伽原江良」さんが再び呼吸することはなくなるということ。

じゃあ私達にできることは何もないのか。いいえ、そんなことはありません。

「人は死んだだけじゃこの世から消えない」
「人が本当に死ぬのは生きてる人たちから忘れ去られたときだから」

僕らが忘れない限り、僕らの記憶の中であの子は生き続けます。あの子は確かに2年間を全力で生きていた。茨の道を裸足で駆け抜けていったシンデレラがいる。僕たちはその御伽話を語り継いでいこう。

僕は推しに対して恥ずかしながら積極的にリプライやコメントをするような推し方ではなかったし、時には他のにじさんじ配信を優先してしまうときもありました。それでも江良ちゃんと過ごした思い出はとても楽しいもので、推すことに誇りさえも持たせてくれました。江良ちゃんは言葉にならない、数では表せないものをたくさん貰いました。

僕はそんな江良ちゃんに対して恩返しがしたい。江良ちゃんがいたからこの2年間毎日が楽しいものでした。だから胸を張って、自分の推しは御伽原江良だよって、言いたい。

特技も才能もなにも無い、どこにでもいる極々一般的な社会人の僕が、生きる意味を見出した。これからもあなたが世界に生き続ける限り、自分なりに推していこうと思います。

今まで本当にありがとう、そして本当にお疲れ様でした。そして一方的な思いだけれども、これからもよろしくお願いします。

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