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ひとり旅で見つけた、思考の整理法とやりたいことの見つけ方

はじめまして、@himatani です。都内でウェブエンジニアをしながら週末はiOSアプリの開発を楽しんでします。先週の末に4連休をいただき、栃木県へ1泊2日の旅行に出掛けてきました。

この記事では2日間の旅の記録と、私が旅をする中で模索した「思考の整理法とやりたいことの見つけ方」について備忘録を兼ねた小話です。

❄️ ❄️ ❄️

旅の目的は

結論から書くと、これからのキャリアについて落ち着いて考える時間をつくりたかったからです。

スタートアップからいわゆる大企業に転職し、気がつけば3年が経過していました。経験に伴って新たにやりたいことも増え、周囲の優秀なエンジニアと会話する中で自分も挑戦してみたいと思える技術分野やキャリアの方向性に関する選択肢もどんどん増えていきました。

一方で「自分がどんな仕事がやりたいのか」が明確になっておらず、メインとする技術領域はウェブのフロントエンドでありながら、サーバサイドもバックエンドもやるので困ったら呼んでくださいというスタンスでした。週末は趣味でネイティブアプリの開発をしたり「Designship」や「Design Scramble」といったデザイン関連のイベントに参加したりといった感じで、何かに特化することを避けて過ごしてきた気がします。

興味の幅が広いことは良い反面、この数年の間に「自分って結局、何になりたかったんだっけ」と自問自答する機会が増えました。いつまで経っても自分なりにしっくりくる答えに辿りづけずにいて、これはどこかで時間をつくってゆっくり整理したいなと思い至った次第でありました。

旅の行き先は直前まで決まりませんでしたが、自然に囲まれながらゆっくり落ち着いて考える時間をつくろう! と考えた末に栃木県の中禅寺湖に行くことにしました。

対象の読者

この記事では、次のような悩みを持つ人に向けて私が2日間の旅を通して実践した「思考の整理法とやりたいことの見つけ方」を紹介してみたいと思います。(そして少しだけ、旅の記録も)

こんな方はぜひ参考にしてみてください。

・1年後、3年後、5年後の理想像が定まっていない人
・現在のキャリアや働き方に対し、漠然とした不安がある人
・やりたいことが見つけられない人、もしくは、やりたいことが多すぎる故に何から手をつけてよいのかわからない人
・自分の持つ価値基準を明確に定義し、やるべきことに迷いがない状態にしたい人

私は特にこの「やりたいことが多すぎる故に何から手をつけてよいのかわからない」状態 に陥っていました。

そして、旅の中で最も意識していたのは思考の「発散と収束」に向き合う時間をそれぞれ明確に区別することでした。頭の中で思考がループして考えがまとまっていなかったことは誰しもが経験があると思います。まずは風呂敷を広げるように1度すべてをアウトプットし、その後で分類・観察し自分のやりたいことを客観視しようと考えていました。

〜1日目〜

❄️ 2日間でやりたいことのプランニングする(2時間くらい)

自宅から中禅寺湖までは、電車とバスでおおよそ4時間くらいということがわかりました。まずはその道中で「2日間でやりたいこと」の予定をざっくりと立てることにしました。行き方を調べつつ、景色も楽しみつつ、最終的に 大体どんなことができていれば旅のゴールとするか をゆっくり考えていきました。

# 2日間でやりたいこと(メモより抜粋)

1. まずはブレーンストーミングしてみる(発散)
2. カテゴライズしてプロットしてみる(整理)
3. マインドマップに落とし込んでみる(観察)
4. 自分の中の価値基準を明確にする(分析)
5. 今年の目標に落とし込んでみる(収束)
6. 具体的なアクションをリスト化してみる

そしてこれらの作業からアウトプットとして、およそ次のようなものが整理されていると この旅はいいものになる と思いました。

# 最終的な成果物のイメージ(メモより抜粋)

(1) マインドマップ
(2) ミッション・ステートメント
(3) 今年の目標
(4) やることリスト

マインドマップ は思考の整理プロセスの1つで頭の中で考えていることを木の枝を生やすように書き出していく手法です。「自分がこの先やってみたいこと」を可視化するために、最も適しているものはマインドマップだと感じ取り入れることにしました。

ミッション・ステートメント はあまり聴き慣れないかもしれません。ここでは作家であるスティーブン・R・コヴィー氏が自身の著書「7つの習慣」で紹介している、自身の行動の価値基準・原則を明らかにしたリストを指しています。ミッション・ステートメントを定めることで目標達成における迷いや悩みを軽減する効果があるとされています。

❄️ マインドマップのためのブレストをする(2時間くらい)

自分はよく「あれもやりたい、これもやりたい、、」と思ってしまい、本当に必要なことが見えなくなってしまうことがあります。当然ながら自分ができることには時間やスキル・経験の面で限りがありますから、とても全部はできませんよね。。

そのためまずは「自分がこの先やってみたいこと」を思いつく限り、とにかくたくさん書き出す という作業に時間を使いました。いつもは付箋を使って書き出しますが、今回は持参したメモ帳に箇条書きで起こしていきました。

(少しお見せしようと思いましたが字が下手すぎて読めそうにないので割愛します。。)

夜は吹雪がすごくて、氷点下6度まで下がったようでした。ホテルのロビーの脇にあるお洒落な書斎で1人、黙々とブレストしていました。自分でも何やってんだろう。。と思ったりしました。

〜2日目 午前〜

天候に恵まれたので湖畔を散歩し、雰囲気の良いカフェを見つけて1時間くらい籠もりました。

❄️ 前日のブレストの続き(1時間くらい)

メモ帳の裏にスペースがあったので、前日の続きを少しだけやってみました。自分がこの先やってみたいことを事細かに書き留めていった結果、おおよそ120個くらい書き出すことができました。

2日に渡ってやることによってより洗練された成果物となった気がしました。一通り書き出し終わったところで、次のようなカテゴリに分別できるなと気づきました(内容はあくまで一例です)。

A. 働き方・キャリア
 例:大学院に進学したい / フリーランスとして活動したい

B. 暮らし方・ワークライフバランス
 例:週末の朝は読書をしたい / 月に1度は高尾山に登りたい

C. 経験・スキル
 例:TOEICで700点取りたい / AWSSA* の資格を取りたい

D. 夢
 例:温かい家庭でゴールデンレトリバーと一緒に暮らしたい

(* AWS認定ソリューションアーキテクト資格の略)

自分の場合では、概ね上記のような4つに分類できそうでした。人によって異なると思いますので、ブレストをしてみた結果をよく観察し自分に合った粒度で分類するとよいな と思いました。

〜2日目 午後〜

せっかく旅行にきたので「華厳の滝」に行ってみました。日本三大名瀑の1つに数えられるとのことで軽く5年分くらいのマイナスイオンを浴びた気がしました。その後、昼食に入ったカフェでまた続きを再開。

❄️ ブレストで得られた成果物をカテゴライズする(1時間くらい)

マインドマップの作成には「MindNode」というアプリがおすすめです。有料ですが2週間の試用期間があり、月額280円から利用できます。iPhoneアプリとの同期もできるようでした。

公式サイト:https://mindnode.com/

先ほど考えていた、4つのカテゴリ「働き方・キャリア」「暮らし方・ワークライフバランス」「経験・スキル」「夢」に分類していきました。

頭の中に思い描いているものを書き出し視覚的に分類することによって、第3者の視点から俯瞰して眺めることができるようになりました。例えば、

「3年以内に〇〇に挑戦してみたいなあ。でも、△△もやってみたい。。いやでも、視点を変えると××と〇〇はほとんど同義で、そうなると××に挑戦する過程で、自然と△△も達成できているのでは?」

といった気づきです。(わかりづらいかあ)

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本当にざっくりとした雰囲気はこんな感じになりました(内容はあくまで一例です)。実際は項目によってもっとたくさんブランチが分かれていたり内容が具体的に書かれていたりします。

❄️ ミッション・ステートメントを策定する(1時間くらい)

帰宅の途につきながら、次は行動指針の軸になるものを定めていきました。行動指針というとあまり馴染みがないですが、かんたんに言うと「自分が大切にしたい価値観や、行動の基準となる自分ルール」です。

私の場合は、同僚や友人と会話したことや勉強会で誰かが言及していて「なるほど!」と感じたことを普段からストックしています。それらを1箇所に集約し、文言の取捨選択をしながら自然な文章になるようブラッシュアップさせていきました。

アプリは「Bear」を使いました。こちらも月額150円から利用できるため重宝しています。MacアプリとiPhoneアプリで同期が取れる点はもちろん、日本語フォントに最適化されておりデザインが優れている点が気に入っています。

公式サイト:https://bear.app/

おおよそ、次の7項目に集約できました。

# ミッション・ステートメントの一部(メモより抜粋)

1. アイデアの発散と収束を意識的に反復させる
 アイデアの発散は、3B(Buss / Bed / Bath)で行う
 アイデアの収束は、落ち着いた狭い部屋で行う
 発散と収束の時間を意識して切り替える

2. 内緒です

3. 内緒です

4. 内緒です

5. 目標に貢献しないものはやらない
 理想に近づくための効果に貢献しないと直感的に感じたものはやらない
 逆に、貢献する可能性のあるものは深く考えずに直感的にやってみる

6. 内緒です

7. テクノロジーの力で人々の行動パターンに変化を与える
 プロダクトや技術で語ることが自分にとって最も得意な表現方法
 技術者であることを強みにし自分ができることを探し続ける

大切にしたい考えや習慣、判断に迷ったときの指針になるものを定めることができました。このような行動指針を持っておくことで、普段の日常における選択の迷いが少なくなり、本当に必要なことにより意識を向けられるようになる と自分は考えています(後から眺めてみると、IF THEN PLANNING* に近いかもしれないなと思いました)。

(* 社会心理学者であるハイディ・グラントハルバーソン氏が自身の著書「Nine Things Successful People Do Differently」で紹介している思考プロセスの1つ)

❄️ 2020年の目標を決める(1時間くらい)

年が明けてもう1ヶ月が経ってしまいましたが、年始に立てていた目標を振り返りつつ再考する時間に当てました。この2日間で考えたことが活かされるよう「その目標は、なりたい理想像になるための目標になっているか」を吟味し、削ったり集約したりしながらBearアプリ上で洗練させていきました。

「習慣目標」「達成目標」「行動目標」「やってみたいこと」の4つのカテゴリに分類することができました。その後、それぞれのカテゴリごとに優先度を付け、並び替えを行いました。より達成したいと思えるものから順に着手していくべき だと考えているからです。

ちなみに、目標は具体的であればあるほど行動に移しやすいなと思っています。例えば「Go言語をマスターする!」ではなく「Go言語のチュートリアルを1週する!」といった、具体的な数字が反映されたアクション の方が行動に移しやすい気がしますよね。

❄️ Next Actionを決める(1時間くらい)

続いて、これまでのアウトプットがベースとなるよう、今年の目標から直近やるべきことをカスケードダウンしていきました。こちらもBearアプリでリスト化してみました。

目標決めの際には、習慣目標や行動目標といったある程度継続しないと達成できないものであありましたが、Next Actionではさらに細分化し直近のタスクに落とし込みます。

先ほど「Go言語のチュートリアルを1週する!」を例に上げましたが、ここから Next Actionを決めるとすると

・Go言語の公式サイトをブックマークバーに追加する
・Go言語のドキュメントをスマホのホーム画面に追加する
・Go言語の情報を発信しているTwitterユーザーを5人フォローする

などが思い浮かびました。

まとめ

最寄りの駅に着く頃には、次の5つが成果物として手元にある状態となりました。ここまでの発散と収束の過程で生まれた雑多な思考メモも、いつか見直すときがきたときのために残しておくことにしました。

# 2日間の成果物

(1) マインドマップ
(2) ミッション・ステートメント
(3) 今年の目標
(4) やることリスト
(5) その他のちょっとしたメモ x 3

そしてさらに、これらの成果物は私がずっと明確にしたいと考えていた次の要素とほとんど同義であることに気が付きました。

マインドマップの「夢」
超・長期目標7年後の理想像

マインドマップの他3項目
→ 中長期目標3年後・5年後の理想像

今年の目標
短期目標(1年後の理想像)

やることリスト
超・短期目標(Next Action)

ミッション・ステートメント
行動の価値基準・原則

これまでの作業によって、自身がこの先時間をかけて追うべき理想像 の輪郭が明確になったような気がしました。

それはつまり、ブレストとカテゴライズ の作業によって自身の未来像が具体化されこの先長い時間をかけて目指す場所が 俯瞰して観察できるようになっている ということです。さらに、そこに到達するための 具体的なロードマップがひけている 状態にあります。

そして、Next Actionより今この瞬間から 何をすれば良いのかが明確になっていて 取捨選択し整理されたミッション・ステートメントによってブレない自分軸を手に入れており、目標達成に向けて、あとは手を動かすだけ になっていることを意味しています。

少し時間がかかりましたが、ずっと考えていたことが明確になりスッキリました。これからこのアウトプットは、定期的に見直しながら少しずつブラッシュアップしていければいいなと思っています。

さいごに

久しぶりの遠出だったので少しだけ億劫でしたが、思い切って行ってよかったです。ちょっとだけ良いホテルに泊まったので決して安くはない旅費でしたが、とても有意義な時間になりました。

ここで紹介したのは自分なりの手法なので、どれくらいの方の参考になるかわかりません。でも、自分が1年前に知っていたらどれだけ役に立ったかを想像しここに考えをまとめておきます。

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(中禅寺湖、思ったより広かったなあ… 🦕)

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