ショッピングアドバイザーはショッピングのアドバイスをする職業

アドバイザーというのはむかしの世話焼きが職業化したみたいなものでコンサルともまた違う存在である。たとえば片付けアドバイザーというのも人が自分で考えるべき問題を奪っているように見えるけれどそれは全然マシな方で、今日は新たにショッピングアドバイザーと名乗る男を見た。

長身で白髪、かなり口調が強い初老の男だった。アドバイスを聞いているものをバカにしたり、威圧するように助言をしていたが、男は年末年始のいつごろになんの食材を買うのがベストかを語っているだけなのだった。調味料は年末は安くならないから、少し前に買っておけばいいというような話を、さも重要なことのように喋っている。だがそれがアドバイザーとしてのスキルそのものなのかもしれない。重要なことを喋っているように見せることさえできれば人は耳を傾ける。

再放送で1話しか見なかったが田中邦衛が主役の古いドラマでクリーニング屋が舞台のものがあった。そこでは弟子みたいな感じで若い男が田中邦衛のもとで働いている。田中邦衛は面倒なタイプの職人肌である。作法に厳格であり、すべての洋服が儀式のような感じでアイロンにかけられ、弟子は師匠の技を見て盗まなければならない。1話のクライマックスはその弟子がキレるシーンだった。「たかがクリーニングだろう」と弟子はキレていた。たぶんあのドラマを見ていて誰もが思っていたことをその弟子は言ったのである。私は2話以降が非常に気になったが結局見なかった。

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