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No Title…。

「なんで今頃、そんなこと言おうもんね!」

相方が大声を出して、仕事部屋に飛び込んできた。
2時間後に迫った、とあるコミュニティの食事会の連絡のグルチャに書き込んだメッセージを見たからのようだ。
そして、問い詰めにやってきた。

今日は仲間との食事会で、特別な料理をみんなでシェアをしようということになっていた。
しかもその特別が、半額で食べることが出来るとのこと。
それには、そのお店のメルマガに登録していることが条件だ。
その会の主催者は前回行った時に、その一回だけの権利を使ってしまったので、今回はわたしか相方かにその大事なお役目を託してきた。
メルマガ登録くらいは、全然出来る。
すぐに登録して、その旨を主催者へ報告をした。
ここまでがほぼ1ヶ月前の話だ。
そして、今日、2時間後には家を出て、会場に入る。
その準備をするのに、わたしはハッと気が付いた。
あれ、その半額の話はどうなってたんだろう?

そういや、なんか半額になる証明に何か持っていかないといけないですか?
(@今回のメルマガ担当大臣)

このように書いただけだった。
それなのに興奮して大声を出されたのには、わたしはとても驚いた。
そもそも、怒られるなんて身に覚えがない。

「考えてみて?
 あなたが言ってることおかしいでしょ。
 今さら言われて、みんな困るでしょ。
 なんで直前なんだよ」

多分、彼は声を荒立てているけれど、普通に言ってるんだと思う。
彼の言い分では、一週間かせめて前日までに確認するでしょ、ということらしい。
手配は友人の主催者がしてくれている。
何も言ってこないということは、問題ない、ということだ。
心配ではなく、友人を信頼していたわたしは、彼が注意してくる理由がわからない。

なんなら、つい先程、おなじグルチャに
彼が今日の支払い金額を聞いていたことの方が失礼なんじゃないかな、くらいに思った。

「一週間前とかに聞いてても、わたしは忘れるし
 そっちの方が失礼じゃ」

こう言ってしまったから、さらに怒らせてしまったようだ。
ものすごく怒っているように見えてわたしには怖い。
涙がポロリとこぼれた。

「ごめんなさい」

それだけしか言えなかった。

実はこれには”真因”があった。

そもそも遡ること、数ヶ月前。
彼が所属するコミュニティでイベントを去年からやっている。
そこのリーダーがうちの相方を見初めて、一緒にやることになっていた。
わたしはわたしで、公私共に何かを相方とするのが夢だった。
だから、あまり気乗りしないそのイベントにも参加していた。
唯一、彼らがやっていること、ホントはやりたいな、と思ったけれど、練習に出ることを考えたら、時間を取られてわたしは仕事ができなくなるから、その時点で締め出されてしまった。

相方に対してはプライベートなパートナーでもあるので、お世話は普通にできる。
けれど、一緒にいると、なぜだか「俺も」とリーダーがわたしに甘えてくるようになった。
甘えられて嫌な気はしないので、出来ることだけは付き合っていたが、そのうちどんどんとその許容範囲を超えてくるようになった。
わたしも仲良くしないといけないと思って、適当なことを言ってはいたが、さらには、お金まで貸して欲しい、と言ってくるようになった。

その時はすぐに返してくれるって話だった。
貸す時には相方には言わないで、と言われていたので、そう言われたこともちゃんと相方には話をして、リーダーには知らないフリをしてね。と言っていた。
だけど、返済期限を超えてもズルズルと返してはこなかった。

リーダーはリーダーなりに、わたしたちのためを思っていろんなことをしてくれようとした。
プレゼントもくれた。
イベントにも一緒に参加させれるようにも便宜をはかってもくれた。
その気持ちは嬉しいけれど、正直何一つ嬉しいことはなかった。
ありがた迷惑って言葉はこういう時に使うのだと思う。

相方は、そのリーダーと一緒にいろいろやりたいので、わたしがやりたいことや言い分は拒否をした。
かなり喧嘩にもなった。
別れ話にも発展したこともある。
ある日、グループのメンバーがわたしのことをリーダーにあることないことを言った。
言った言ってないことが出てきて、リーダーからわたしに問い合わせのメッセージがきた。
その時に、それだけを聞けばよかったのに、彼との話も聞いてやったのに、おまえがやってることの方がひどい。
言ってもいないことに、問い合わせまではわかるけど、わたしのことを一緒になじるような言い方をした。
とうとう堪忍袋の緒がキレた。

そんなわたしを見た相方は、決断した。

「俺が入るから、その代わりもうこのイベントには関わらない。
 この話ももう一切しない。おしまい」

その後、お金も返ってきたし、イベントにも一切関わりをもたないようになったけれど、わたしはリーダーからは一言も謝ってもらってないところで、あれから一度も会ってない上に、連絡も取ってない。

なのに!だ。

今日の食事会にそのリーダーが来ると言う。
彼がわたしのことも考えずに呼んだのだ。
当然、内心穏やかではない。
わたしが心から嫌だとしても、これも何かのきっかけだとも思うので、と昨日から心を落ち着かせていた。
それだけでもかなり、モヤモヤしているのに、なぜわたしはこのタイミングで大声を出されて注意されないといけなかったのか。

そもそも、彼が自分の気持ちを優先せずに、わたしのこともちゃんと考えてくれていたら、そんな立ち回りにはならなかったはずだ。
そもそも、わたしが我慢せず、自分の気持ちを伝えてから行動していたら、嫌な思いもしなかったのかもしれない。

ぐるぐるといろんなことを考えていると、涙が止まらなくなってしまった。

幸いなことに、今日の食事会の主催の友人は、そんな気持ちを汲んでくださる優しい方なので、事前にその話をすることができてよかった。

多分、友人に話せなかったら、自分が壊れてしまっていたに違いない。
彼女には心からこう伝えた。

「あなたがいてくれてよかった。ありがとう」

わたしは愛されてる。ツイてる。ラッキー。
周りの人のことを考えたら、
自分が死ぬほど嫌なストレスフルなことでも我慢してしまう、
そんな自分のこともしっかり慰めてあげよう、そう思った。

今日の教訓
自分の気持ちを言ってから行動しよう。

まみ助語録


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