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日曜の夕方に観たい邦画たち

邦画と洋画、私は圧倒的に邦画を観た回数の方が多いと思う。

私の友達は洋画派ばかり。私がオススメの邦画について語ろうとしたら
「え〜邦画ってつまらなくない?」「邦画は観ないんだよね。鬱々としてて特に何も変化のないものが多いし」との声。

でも私は邦画が好きなんだ。退屈なストーリー、ボソボソと聞き取りにくい声、それが良いんだよ。湿ってて、生々しすぎるグロテスクな映画だって好きだし、ちょっと洋画に憧れたような滑った演出も痛々しくて大好き。

今日は、私が選んだぼんやり邦画について書いていきたいと思います。

三月のライオン

ベストofベスト!!

これは声を大にして言いたいんだけど、将棋の話ではない。

記憶喪失になった兄と、彼を心底愛している妹の話。

私が好きな場面は、おばあさんがおじいさんの散髪をしているシーン。

人に「三月のライオン、観てみて」と言うと、「あ〜あの将棋のやつね」と100%返答されるので、いつも被せ気味に「いやそれとは違う、1992年の映画。将棋漫画描いた人がこの映画から題名を拝借したんだって」と早口でまくしたててしまう。

特に何か大きいことが起こることもない淡々としたストーリー。いろんな矛盾や退屈さはあるけれど、ぼんやり西日射しこむ部屋で眺めていたい映画。

監督が撮りたい場面を、監督が撮りたいだけ何分もカメラ回してる、みたいな映画。ハマる人はハマると思う。

百万円と苦虫女

蒼井優が出てる〜って思って見始めた映画。何の前情報もなく観たけれど、とってもよくて驚き嬉しかった。この出会いが忘れられなくて、私は今でも”邦画”が諦めきれない。

ラストには、ぱっかーん!!と心が開きわたるようだった。

害虫

友達にオススメされた映画。幼くて何考えてるかわかんない宮崎あおい。

リップヴァインクルの花嫁

Coccoと黒木華主演。黒木華の演じる役には始終イライラさせられるし、綾野剛の役は結局何を企んでいたんだろうと不気味さも感じさせる(しかし彼の飄々とした演技で、全てを観ていた私ですら最後まで彼の優しさを信じてしまう。)
綺麗な映像で、穏やかなんだけどずっと誰かに監視されているような居心地の悪さを感じる映画。(いい意味で)

長いけど、時々観ちゃう。

違和感とか、嫌な生臭さを出すのが上手な監督だと思った。


青い春

まじかっっこ良い

校内で殺人が起こったり、ヤクザのスカウトあったりどんな高校だよって感じですが。ミシェルの曲がこの映画の7割作ってる。
ミッシェルかっこよすぎて、新しくプレイリストも作っちゃった。

雪男は卒業したかったんだね、青木は悲しかったんだね。

青木はあの時死んで良かったと私は思っている。九條を超えて、手を叩くってのが彼の人生の頂点だったと思うから。すごく満足された気持ちのまま頭かち割って死ぬなんて早々ないよ。

私が何も語らなくとも、予告編見たら観たくなるよ、きっと!


海辺の生と死

満島ひかりが出てるから観た。ここまで書いてて、私って出演してる人で観る映画決めてるなって思った。

辛い役をやることが多いなか、「次は幸せになる役をやらせてください」と言っていたいう満島ひかりさんの言葉を思い出しながら観ていると、これはトエの物語だけど満島ひかりそのものののお話に思えてきた。

満島ひかりさんの時々ひっくり返ったようにかすれる声が好きです、その声を聞いたら涙が溢れる。

この映画を人に話すときはどんな感想を言ってもネタバレになるので
「とにかく見て!!!!」としか言えないもどかしさ。

岸辺の旅

三年前に失踪したミズキの夫ゆうすけは再び彼女の元に現れた。しかし彼はすでに死んでいた。それから始まる死者と生きる者の旅。終わりはわかっているけど、少しでも彼と一緒にいたいミズキの気持ちが痛いほどわかった。

何もかも辛くなったら、好きな人と一緒にどこか遠くへ行ってそこで暮らすの、そしたらきっと生きていける気がする。

ゆうすけは私の知ってる幽霊とは違う、餃子も包むし、白玉も食べるし、お坊さんだって彼が幽霊なことに気づかない。(そして車酔いもしてた)生きているミズキとは何も変わらないように見える。

この映画にはすでに死んだ人も生きている人も同じ世界で生活している、もちろん死んだ人間はいつかあちらの世界に行かなければならない。ゆうすけも例外ではなかった。

最初に観たとき、「ゆうすけはほんとにミズキを愛していたのかな」って思ったけど今日二回目を観て、彼がどんなに彼女を愛していたかを知った。じゃないとわざわざ歩いてまでミズキの元に戻ってこないよね。

(明らかに他の感想より長いのは、今日見直したために記憶が新しいからです、)

ノルウェイの森

一番最初に観たのは中学生のとき。放課後、誰もいない図書室で。

最初に村上春樹の小説を読んでいたので、話の流れは知っていた。かなりのセリフが結構そのまま小説から引用されていたので、当時は正直違和感を覚えた。村上春樹の言葉は生身の人間には言わせてはダメだなって。

それから時々ふとしたときに観ている。洒落ついたセリフにも、とうに慣れてしまった。

菊地凛子の白い肌ににじむ桃色と、深く塗りこめられたような緑が印象的だった。彼女を観るための映画と言ってもいいくらい。


ぼんやり観る映画、といったけれど実際どれも全部涙流しながら真剣に観ちゃう。またいいのがあったら紹介します。

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