自信のない私を救った言葉を、あなたに100万回伝えよう

若い頃は自分にまったく自信がなかった私が、28歳の時に出会った絵画教室の先生に救われた。そんな話を以前に書いた。

10年後にさらに私を救ってくれた言葉について書こうと思う。

とても長いし、途中恥ずかしい失敗談などもあるけれど、それも何かしらの参考になれば。

今、自信がないと悩むあなたに、私からこの言葉をささげる。

本当にプロとしてやって行っていいの?

絵画教室の先生のおかげで、絵を描くことが本当に楽しくなった。人と自分を比べることもなくなったし、下手でもいいや、と思えるようになったのだ。

けれど、30代半ばになって、プロのイラストレーターになったときに、新たな悩みが私を襲うようになった。

素人であれば、「下手でもいい」なんてナマッチョロいことを言ってヘソで茶をわかしてもいられるが、プロとして仕事をして行くなら、そんなわけには行かない。

その後通ったイラストスクールでは、まーったく褒められなかったこともあり、私はすっかり自信を喪失した。

絵本づくりと結婚

スクールを卒業して、そこそこ仕事もこなしていた2007年頃
「あなたの絵は絵本に向いてるんじゃないかなぁ」
そう言われたのがきっかけで、私はギャラリー主催の絵本塾に通い始めた。

私の絵や私自身が絵本に向いてるかどうかは別として、絵本の仲間と過ごす時間は居心地がよく、すっかりとっぷりと絵本の世界に浸かっていくようになる。

そんな活動をしていた頃に、今のオットと知り合った。今はカメラマンの彼は、当時はまだサラリーマン(SE)だった。出会って8ヶ月後、とんとん拍子に私たちは結婚した。

絵本道に迷い込み、イラスト道を見失う

彼は激務をこなしながら家計を支え、私は毎日絵本づくりに励む。そんな日々。

私はますます絵本に夢中になって、イラストの営業をすっかり忘れていた。ふと気づくと、どうすればイラストの仕事が来るのか、さっぱりわからなくなっていたのだ。

本当に売れっ子の人ならば、絵本を描きながらイラストの仕事も来るのが普通かもしれない。でも、絵本に合うイラストと、カットなどに向くイラストはちょっと違ったりする。周りでも、絵本を出していても、イラストの仕事はなかなか来ない、という話はよく聞く。

そんなわけで、パッタリとイラストの仕事は途絶えた。私の場合は、絵本もさっぱりダメだった上に、絵本に夢中で家事もおろそかになっていたから、本当に始末に負えない。

そのうち、生来のマイナス思考が、ムクムクと顔をもたげて来た。

仕事も家事もできない、こんな何の役にも立たない自分は、生きていても仕方がないのではないか、と考えるようになったのだ。ヤバイ。今思えば、ウツの一歩手前だったのかもしれない。

結婚したオットはホトケだった

彼にしてみれば、地獄の日々だったのではないか、と思う。

仕事は激務で、土日休むのすらままならない。疲れて帰ってくれば、引きこもりの妻が「自分に価値はない」だの「死んでしまいたい」だの言ってグジグジグジグジ泣いている。。。。

オットの方こそ、死にたくならないか?私だったら、なる。
いやホント、死んで欲しい。あの頃の私、今目の前にいたら殺す(笑)

しかし我がオットは、想像以上に神、いやホトケだった。彼はごくつぶしで、ただ泣くだけの私を叱りもせず、こう言うのだった。

「何を言ってるんですか。ひよこちゃんは『世界の宝』じゃないですか」

「せ、せかいのたから・・・とな?」

「そうです。だから大丈夫なんです」

その後も結果が出せないと落ち込む私に、彼は言うのだった。
「結果なんて出せなくていいんですよ。自分でやり切ったと思えるなら」

このときはまだ、この言葉の本当の意味に気づいていなかった。

ホトケ病に倒れ、ヒヨコ悟りを開く?

なかなか自信の持てない私を、オットは根気よく励まし続けてくれた。
そんな二人がある時を境に逆転する。

彼が重症のアトピーで倒れて、会社を辞めた時だ。その後、彼は写真の学校に行き、私が会社員をして、働いて家計を支える時期がしばらく続いた。そこでようやく私は、役に立てたことで、何とか自信を取り戻せるようになる。

しかし、写真の学校を卒業後、彼の体調はなかなか安定しなかった。体が弱ると、心も弱る。あんなに自信を持っていつも私を励ましてくれたオットが、どんどん自信を失って行くのがわかった。

今こそ、同じ言葉を言うべき時だ。

彼の「世界の宝」という言葉の意味が、ようやく私にもわかった。結果を出すとか、家事ができるとか、そんなことどうでもいいのだ。ただ相手がいてくれること、相手の存在そのものが「世界の宝」なのだということに。

「大丈夫、あなたは『世界の宝』なんだから!」
それでも、そう簡単にオットは自信を取り戻せなかった。そりゃそうだろう。

悪循環なのだ。アトピーにはストレスが大敵だ。仕事をして自信が持てれば、きっとうまく回り出す。それがわかっていても、「早く営業しないの?」とチクチク言ってしまう自分もいた。今思うと、本当に申し訳なくて泣けてくる。

闘病とその後

拙著「アトピーの夫と暮らしています」にも、こんなくだりがある。

ありがたいことに、このお話は「闘病記」でありながら「夫婦の物語ですね」「夫婦のあり方が参考になる」と言っていただくことも多い。いやはや、ダメ人間ですけどね。

まだまだ悟ったとは言えない私ではあったが、ひとつだけ言えるのは、オットの写真の才能を心から信じていたということだ。営業しさえすれば、彼は絶対仕事が来る。そう信じていたからこそ、体調が万全になるまで営業を控えようとする彼にヤキモキしたのだ。

今は彼もたくさんお仕事をいただけるようになり、精神的に安定するのと同時に、体調も安定するようになった。もちろん、いろんな方に支えられての今があることに感謝の想いしかない。

誰もを救う魔法の言葉

男だけでなく女も、仕事をすれば外には7人の敵がいる。そー簡単に認められたり、褒められたりすることって、ない。

時にはどん底まで落ち込むこともあるだろう。そんなときに、お互いのパートナーだけは、お互いの才能や人柄や諸々を信じて褒め合えたら。そしたらきっと上手く行く。

私もオットも、どん底の時に「世界の宝」と言われても、すぐに立ち直ることはできなかった。それでも、何かのきっかけで這い上がった時こそ、この言葉は効果を表す。

最悪の時も「世界の宝」と言い続けてくれた人が、そばにいる。そのことが、じわじわ効いて来るのだ。

だから、うまく行ってないときこそ、相手を信じてあげて欲しい。
「あなたは素晴らしい」「あなたは絶対大丈夫」と言い続けて欲しい。
お互いのパートナーにとって、お互いは「世界の宝」なのだから。

この世にあなたはたったひとりきりしかいない。

たったひとりの「世界の宝」なのだから。


「世界の宝」といえば、やっぱりコレ。ネコ様ですよね。


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陽菜ひよ子 / イラストレーター&漫画家&文筆家

著書『アトピーの夫と暮らしています』(PHP研究所)。イラストのお仕事は、NHK・Eテレ『すイエんサー』、書籍『おいし なつかし なごやのおはなし』(戸田恵子著、ぴあ)など多数。現在2冊目の本の執筆中。ひよことプリンとネコが好き。 http://www.hiyoko.tv/

コメント2件

いつも楽しく読ませて頂いてます。
感動しました!
宝んぼ まるみ 【宇宙人タデトさん】さん いつも読んでくださり&コメントありがとうございます!すっごくうれしいです。まるみさんはお名前にも「宝」が入っていますね♡
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