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イラストレーターの処世術

イラストレーターの仕事は、絵を描くのが好きであればOKというわけではなく、意外と高度なコミュニケーション能力が必要です。それは、10年以上続けても実感として感じ、「まだまだだなぁ」と反省することも多いのです。

そのコミュニケーション能力とは、相手を仲良くなるというより、自分自身を守るために必要なこと、だとも言えます。


全く知らない人と仕事をする危険


イラストの仕事の来るきっかけはいろいろだと思いますが、私の場合は、Webを見た方から突然メールが来ることが多いです。

相手は全然知らない人なので、依頼主の身元は、わりとシビアに確認します。

出版社の編集さんやデザイン会社のデザイナーさんであれば、メールアドレスのドメインとその会社のWebsiteのドメインが同じであることは念のためにチェックします。

フリーランスの方でWebsiteもないような場合は、お名前や屋号を検索したり、FBで探したり、「その方が実在するかどうか」を確認します。

私は諸事情から、一般の方からのご依頼は受けておりませんが、誰でも私にメールは送れます。本(闘病記)も出版しているので、たまに感想や問い合わせも同じメールフォームから受け付けているためです。

いたずらや悪意を持って「なりすまし」て「依頼」することは、いくらでもできるのです。


気持ちいい仕事ができるかどうか判断する基準


今はメールのやり取りだけですべてが終わってしまうことも多いのですが、そんなやり取りの中でも「相性の良し悪し」は感じます。

まず、圧倒的に「言葉の足りない人」から「いかにして言葉を引き出すか」ということに注力します。乱暴な言い方をすると、最初のメールでしっくりこない相手とは、最後までしっくり来ないことが多いのです。

イラストレーターに仕事を依頼するに当たって、イラストレーター側に必要な情報は、大体以下の通りです。

・依頼主(メールをくれた人)の肩書
・クライアント名
・使用媒体(広告、ポスター、FP、書籍、雑誌、Webなど)
・使用形態(カバー、中面など)
・スケジュール(開始時期と締切)
・点数
・サイズ
・色(4C、2C、1C)
・ギャランティ、もしくは予算
・ファイル形式(jpg、ai、psd、pngなど)(レイヤーの有無)
・カラーモード(RGB、CMYKなど)
・掲載(使用)時期
・支払い予定日

下に行くほど優先順位が低くなります。

基本的には、「ギャランティ」までの情報を明記されて初めて「仕事を引き受けるかどうか判断」できます。

しかし、依頼主は編集者やデザイナーなど、忙しい方が多いせいか、非常にザックリとしたメールを送ってくる方もいらっしゃいます。そのザックリにめげず、何とか情報を聞きだすことが大事。

上記のような必要事項は、聞きそびれると、後々本気で自分の首を絞めることになるので、できるだけ早い段階で確認したほうがいいのです。

たとえば、優先順位としては低いファイル形式やカラーモードも、聞きそびれたまま納品するととんでもないことになります。

仕事を始めたばかりの頃、たまたまファイル形式がjpgばかりだったので、納品=jpgと思い込んで、後から違う形式を言われて真っ青になったことも。

カラーモードは、今はRGBでもデザイナーさんが上手く色調整して、きれいに印刷していただけることがほとんどです。しかし、たまに、そのままCMYKに変換されただけ、みたいな仕上がりになることがあり、沈んだ色合いにがっかりすることもあるので、マジで気をつけましょー。


相手の望むことをくみ取る能力


こうして何とか必要事項を聞きだしたとしても、実は本番はここから。

イラストの仕事って、いかにしてお互いの中のイメージを言葉にして伝えるかってことが重要なポイント。相手の要望をくみ取れないままだと、何度も修正が入って、苦労するのはイラストレーター自身なのです。

いくつかの仕事を、同時に進行しているとしみじみ感じるのは、クライアントとの相性やお互いのコミュニケーションスキルで、仕事の進行具合に、こんなに差が出るものなのかということ。

改めて、自分自身のスキルを上げる必要性を感じたのでした。もちろん、相手のスキルが高ければいうことないのですが、文句を言って相手が変わってくれるわけではないですし。

自分の方が変わる努力をしないと、何も変わらないですもんね。

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陽菜ひよ子 / イラストレーター&漫画家&文筆家

著書『アトピーの夫と暮らしています』(PHP研究所)。イラストのお仕事は、NHK・Eテレ『すイエんサー』、書籍『おいし なつかし なごやのおはなし』(戸田恵子著、ぴあ)など多数。現在2冊目の本の執筆中。ひよことプリンとネコが好き。 http://www.hiyoko.tv/

一億総「社長」「復業」時代の働き方と経営術

アーティストもデザイナーも、科学者もエンジニアも、漫画家も著述家も音楽家も役者もゲーマーもアスリートも、そして子どももシニアも、目指せ「独立自存」。😃✨
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