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自分のセクシュアリティーの言語化は必要だと思った話

僕はね、自分が自分のことをどう定義するかっていうのが言葉になっている必要は全くないと思っていたんです。僕は誰がなんと言おうと僕という性別を生きるし、僕という人生を歩むから、それが一語になっていようがなっていまいが、関係ないと思っていたから。だけどたまあに、自分の説明するのが面倒なセクシュアリティーにも名前があれば、仲間とかすぐ見つかるのになあ、と思うことはありました。まあそこが不便だったり不安になるくらいで、特に別にそれですっごく困ることはないだろうから、焦らずいようって、思ってたんですよ。

3ヶ月くらい前のことです。
(バイト先特定とか、バイト先の社員の目に触れることとか考えて少し話はぼかしてあります)
世はハロウィン。トレンドのど真ん中がバイト先なもんで、もちろん、毎日ではありませんでしたがチームごとにテーマを定めて仮装することになりました。もちろんチーム内の社員さんが企画。私のチームではサンリオキャラと同じ格好をすることになりました。私の最初はマイメロディーでした。私はその頃とっても女の子がいやで、どうしても、どうしても頭に水色のリボンをしたくありませんでした。嫌だ嫌だと家で駄々をこねる間も、そんなのわがままなんだよなあ、と心の中でつぶやきながら、重い足でバイト先に向かいました。

朝礼前も「嫌だ嫌だ」と駄々をこねていると「なんでそんなに嫌なの?可愛いんだからいいじゃん〜」と言われました。そこで「僕の体は女性で、男の人とセックスもしたいけどでも僕自身が女かどうかなんて社会に決められるものじゃないし・・・」なんて説明できたら良かったのですが、そういう話を一ミリもしたことがなかったので「うーんだってまだ私が女かってはっきり言ってないじゃないですか?」とわけわからない回答をしてしまったのです。はてなマークをそこらへんにたくさんぶちまけたまま朝礼をすることはできなかったので、「LGBTみたいなやつですよ!」とクソ修飾をしてしまったのでした。本当に悔しかった。失礼すぎだろ。大した定義もせずにLGBTなんて単語使えないし、僕がいつもいうLGBT ”Q” すら言えなかった。しかもそんな単語を使ってしまったから、その後めちゃくちゃ気を使われた。

違う、そういうことじゃない。水色のリボンは嫌です!って言える環境だけ作ってくれればそれで良かったんだ。

こういう時に、この分野に馴染みのない人にもわかりやすく説明できる何かしらってあったほうがいいんだな、と思ったのでした。

ちなみに、今はもっとキャラが定着してきて、最近の一人称は「やまこし」ですし、私のチームは私に似たような人も多く、一応ルールである化粧をしていかなくても何も言われません。それに何より優しく厳しい環境で、僕は総じてバイト先が今のところとても好きです。

トレンドの真ん中にあるところだからこそ、来年のハロウィンはそういうところにも気を使える職場になってほしいな、と思いました。ひどいフロアだとスカート強制とかあるので・・・。

比べたって仕方のないことだけれど、僕より苦しい状況にいる人だって、たくさんいます。「こんなことで」って思う人もいるかもしれません。僕だって、今思えばあの時なんであんなに青いリボンが嫌だったのか、思い出せません。でも、確かにあの時の僕は苦しかった。それは誰も否定しちゃいけないって、思うんです。ダメでしょうか?

難しいけど、言語化、していきましょう。いつかの自分のために。

いただいたサポートでココアを飲みながら、また新しい文章を書きたいと思います。