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「泣きたい夜の甘味処」の話。

私はとても涙もろい。ペットが死ぬTVや映画で泣き、キャラが死ぬ小説でも泣き、漫画でも泣く。
キャラに良い事があっても泣く。もうこれはそういう性質なのだと思う。


少し前の、「大江戸妖怪かわら版」の話でも書いたが、ご飯が美味しそうな本が好きだ。漫画も好きだ。
という訳で、今日紹介するのは甘いものが美味しそうな漫画だ。


中山有香里さんの、「泣きたい夜の甘味処」である。


この作品を知ったのは本当にたまたまだった。ツイッターで絵が回って来て、そのイラストのご飯がとても美味しそうだったのだ。


また、作者さんがいつもフォロワーさんに
ご飯や甘いものを差し入れしようとしていて、それも素敵だった。すぐにアカウントをフォローさせて頂いた。



しばらくして、本が出ているらしいと聞いて買ってみた。美味しそうな甘いものがたくさん出てるのかな?ぐらいの、軽い気持ちだった。


甘かった。もう10ページも読まないうちに涙が止まらなくなり、読み終わるまでずっと泣きっぱなしだった。
甘いものも確かに美味しそうだったが、それだけではなかった。


ストーリーとしては、短編集という感じだ。
何か日常で辛いことやしんどいことがあった人が、甘味処で美味しいお菓子を食べてまた頑張ろうと前向きになるような話だ。
ただ重みが違った。


作者さんが現役の看護師さんらしく、人の死に関わる話が多い。
友人に大きな病気が見つかった仲良し3人組の話、おばあちゃんが寝たきりのギャル、夫を亡くした奥さん、自身の病気のために可愛がっていた猫を里親に出したおじいさん。


こうやって羅列しているだけで、また思い出して涙ぐんでしまう。

お菓子も珍しいものではなく、どちらかというと家庭的なのもいい。固めのプリン、自家製ドーナツ、マフィン、ココアクッキー。


疲れた時に、ちょっとした甘いものを食べると、どうしてあんなに癒されるのだろう。
あの体の力が抜けてホッとするような感覚が、ずっとあるような本だった。


ところでこの甘味処、何故か熊と鮭が経営している。何故かはわからない。
きちんとエプロンを付けているところが、とても微笑ましい。


甘いものの種類も、その日一品しかないが、この熊さんと鮭さんなら何が出てもきっと美味しい。近くにあったら絶対通う。


という訳で、軽い気持ちで外で読んだりするとボロ泣きで大変なことになると思うので、是非ご自宅でゆっくり読んで欲しい一冊である。


出来れば温かい飲み物と、何か好きなおやつがあるとなお良いかと思われる。


私は読んだ後、ついプリンを買いに行ってしまった。涙でぐしゃぐしゃだったので、諦めて次の日に買いに行った。
先に用意しておくと安全だと思われる。是非に。

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