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5月29日は幸福の日

こう(5)ふ(2)く(9)の語呂合わせが由来のようです。

まあこういう日に関しては、由来があっても問題です。何をもって「幸福」とするかなんて人それぞれですし、人間が多様性の生き物である以上、どんなにマジョリティーに賛同を貰える「幸福」を募っても、その裏側には不当を訴える人が絶えません。

それは森羅万象の出来事に言える事ですが、「幸福」という概念に対しては、殊更それが懸念されます。

「幸福」とはつまり、幸せであるという事。人間の視点が主観的である以上、個人的な幸せというものは何物にも代えがたい、誰しもにとって重要な概念です。重要で大事な概念だからこそデリケートで、見ず知らずの他人に勝手に押し付けられては気分も悪くなるというものです。

とはいえ、基本的にはプラスの意味の言葉である「幸福」を冠した「幸福の日」。楽しい一日にしたいですね。

さて、幸福といえばこの漫画。

あんハピ♪です。

前にも紹介したのですが、何度でも紹介します。

不幸な高校生が集められた「幸福クラス」。その中でも群を抜いて運が悪いのがこの物語の主人公、花小泉杏こと「はなこ」です。

彼女の不運は極まりすぎて、まるで常識が通用しません。

彼女は自動販売機を、「いつも何が出てくるか分からない」と形容します。運が悪すぎるあまり、奇跡のような確率で毎度毎度業者か機械かが間違いを犯しているという事なのでしょう。

彼女はいつも、早い時間に登校します。通常起こり得ないほど不幸なトラブルの数々は、彼女の中では予定調和の日課という事です。

平和な課外活動で熊と遭遇し、料理をすればコンロが誤動作を起こしてボヤになり、プールに入れば落雷が落ちる。

もはや災害のような不運っぷりですが、しかし本人に悲壮感はありません。どんな困難もどんな不遇も、彼女にとっては不幸のうちには入りません。どんなに「不運」でも、それを認めず「幸福」を求め続ける彼女の健気さと能天気さ、そして自分よりもずっと幸運な周りの人間を慮る優しさが、この物語を終始明るいものへと作り上げています。

幸せとは要するに当人の感じるまま、気の向くままという事を、この漫画を通して知りました。

明るく楽しい物語です。全10巻と読みやすく、オススメです。

そういうわけで、明日は幸福の日。各々が考える幸福のままに過ごしてみましょう。

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