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感想「トニカクカワイイ 13巻」

現在アニメ絶賛放送中のラブコメ漫画、「トニカクカワイイ」の最新刊が発売されています。

早速語って行きたいと思います。

・漫画紹介

紹介記事をリンクします。

・前巻の感想

感想記事をリンクします。

以下、最新刊のネタバレ注意!

さて、クソ甘なラブコメであるこの漫画も、13巻まで来るとストーリー展開が増えてきています。

・月光輝夜について

13巻の導入は、ナサくんが教師を担当する御伽女子の謎の生徒、月光輝夜についての過去回です。

現状、彼女は非常に謎の多い人物です。前巻のラストで司ちゃんとすれ違った際、意味深な言葉を口にしており、なんらかの因縁を感じます。名前も明らかに月を連想させるものですし、同じく月と浅からぬ関係を持つ司ちゃんとの関係が気になるところです。

ですが、司ちゃんと違って長い時間を生きているようには見えません。わざわざ学校に通っているのを見る限り、見た目相応の年齢だと考えてもよさそうです。

ただの早熟な天才……というわけではないとは思いますが……司ちゃんとは似て非なる出自なのでしょう。そもそも司ちゃんの出自がまだ朧気なのですが。

今回、彼女の新しい面が明らかになりました。元々ナサくんが感心するほどの頭脳の持ち主という話でしたが、今回「壊れた物を直す」という特技を発揮しました。

……頭が良くて、壊れた物を直せる?

どちらも司ちゃんには無い能力です。むしろそれは、ナサくんに近しいものがありますね。

司ちゃんのミステリアスさとナサくんの器用さを持ち合わせた彼女は、まるで二人の子孫のようです。今のところナサくんに対してはあまり関心が無いようですが、果たして……

・ナサくんの夢

ナサくん視点のお話って、独白からして面白いんですよね。ナサくんは常識人ぶってる一方で頭の良さが振り切れているから、思考回路や感性が独特で、独白にそれがよく表れるんです。今回も、思考と切り替えの速さがナサくんらしくて好きです。

さてナサくん。どうやら昔の時代の夢を見ているようです。

もちろんナサくんは現代人です。飛鳥時代に生きているわけもありません。胎児の夢よろしく、先祖の夢でも見ているのでしょう。

新しく建築された法隆寺がある事、「天子様」と呼ばれている事からして、ナサくんの役は聖徳太子のようです。

対する司ちゃん。夢の中の司ちゃんも可愛いですね。

司ちゃんは誰……というわけでもなさそうです。聖徳太子に対してタメ口を利くような遣隋使というのは想像し辛いですし、これは彼女本人と見て良いでしょう。元々不老長寿の疑いがある人物ですし、何もおかしい事はありませんね。

この夢は単なる夢ではなく、実際に過去に起こった出来事を見ているものだと考えるのが自然でしょう。であれば作中において、司ちゃんは聖徳太子と親しい間柄だった事が窺えます。

ただし、恋愛関係ではないでしょう。司ちゃんの口調がそれを物語っています。

司ちゃんの口調は、相手によって使い分けられます。ナサくんと話すときは普通ですが、ナサくんが相手でない時は強気な口調になります。心を許した相手には口調を変えるという認識で……まあ良いでしょう。

けれど、恋人関係でなくともただならぬ関係ではあったようです。もしかするとこの辺りが、司ちゃんの初対面の態度と関係しているのではないでしょうか。これはなかなか面白いです。

で、目が覚めて泣いてるナサくん可愛い。

「怖い夢見た」

「可愛いかよ」

この会話、めっちゃ好きです。

・池の水を抜く話

綾の思い付きで池を作る事になったナサくん。

導入、雑か!

綾は万能ですね、これ。

初登場時は、ナサくんに淡い恋心を抱く普通の女子校生だった彼女ですが、今や登校拒否のぽんこつユーチューバーとして立派に話を回す役割の持ち主です。キャラの汎用性の高さからか登場回数も多いため、キャラクターとして魅力的です。

実際にこんな知り合いがいたら面倒でしょうけれどね。

さてナサくん、言われるがままに池を作ります。彼は本当に断るという事を知りませんね。

綾にテストの手ほどきをする回で司ちゃんが言及していましたが、ナサくんは効率重視な行動を好むくせに、自分に全く得の無い頼まれごとも簡単に引き受けてしまいます。こういう部分で、ナサくんの魅力が溢れますね。

そんなナサくん、今回は珍しく力仕事です。

頭脳において右に出る者無しな天才のナサくんですが、腕力や運動能力は非常に乏しく、事あるごとに体力不足が描写されています。

ですがそんな彼も力仕事を行えば、ワイルドな一面が……

おっと、そういえばこれはラブコメでしたね。

ナサくんがかっこいい回は貴重です。司ちゃんが可愛い回はいつも通り最高です。

ナサくんにしろ司ちゃんにしろ、赤面顔が可愛くて、非常に官能的です。畑先生はどうしてこんなに赤面顔を描くのが上手いんでしょうね。

そして今回も入るキスシーン。なんかもう慣れてきた感じありますが、調理台の下というのが素晴らしいと思います。「所かまわず」って感じで、すごく本能的だと思いました。

・映画撮る話

また綾が猛威振るってる……

「ハヤテ」で言う例の三人組を足し合わせて三で割らなかったようなこの強烈なキャラクター性、素敵です。

さて映画。ジャンルはホラー、舞台は洋館。

なんかテンプレですが……

それを差し引いても、なんかどっかで見た事あるような館ですね。

お嬢様とメイドと執事と白い虎……なんか聞いた事ある組み合わせですね。

その執事って、ちゃんと二人分換算なんでしょうね?

クラウスさんは入ってるんでしょうねえ?

……いや、何でもないです。そんなクロスオーバーしまくるような作品でもありませんし、単なる噂ですもんね。

さて映画の方ですが……突入組と裏方組で、持っている情報量に違いがあるようです。まあありがちな仕込みというわけですね。由崎夫妻はまあとばっちりという事で。

っていうか月光さん、なんだかんだ普通に部活を楽しんでいますね。この人一体何目的なんでしょうか。由崎夫妻と直接的に接触しない現状も、この企画の間に変化が訪れるのでしょうか。

気になるのは、司ちゃんが極端に暗さに強い事。というか暗さに限らず司ちゃんは、人間関係……殊更ナサくんに関する事以外ではほとんど動揺しないという、不自然なまでの肝の強さの持ち主です。何度見ても、やっぱりミステリアスですね。

「人が闇を恐れるのは、死を連想するから」

という事は、闇を恐れない司ちゃんは死を連想しない……すなわち不死の存在であると推察できます。不老長寿ではなく不老不死だとすると、尚更そのルーツが気になってきますね。

とはいえ映画撮影はまだまだ途中。この話は、次以降に持ち越しです。

総評

単純にラブコメとして面白いのはもちろんですが、ストーリーもなかなかです。無視出来ないミステリアスさを小出しにしてくるこの感じ、好きです。

13巻の満足度:86/100



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