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1月27日は求婚の日

1883年のこの日、日本で初めて新聞記事に求婚広告が出されたと言われており、その関係で毎年この日は求婚の日なのだそうです。

「結婚に憧れる」というのはよく聞く声です。華やかな衣装に身を纏い、煌びやかな会場で新しい人生の門出を祝うという行事は、確かにとても心が躍りますね。

そして新郎新婦は、結婚式場において紛れもなく主役です。

これまでの人生でどれほど人望が無かろうと、どれほど地味だろうと、どれほど脇役に徹していようと、全く関係ありません。その日その時その瞬間だけは、誰であろうと主役になれるのです。

そう考えると、なんだか承認欲求が満たせそうな行事な気がしてきました。本当に結婚式を挙げるわけではなく、そういう気分にさせて楽しませるだけ……というレクリエーション的ビジネスがあったら、流行しそうではないでしょうか。

……

既にありそうですね。っていうかホストとかキャバクラとかがその類ですかね。色んな意味で結婚と真逆みたいな職業に行きついたあたり、世の中のシステムの闇の深さを感じます。あるいは闇の浅さかもしれませんが。

さて、結婚システムがあるゲームといえば、もちろんこれ。

「ドラクエ5」ほど有名な結婚システムがあるゲームはそうそうありませんよね。わたし、大好きです。

有名なのが「ビアンカ派」か「フローラ派」かの争いですよね。ドラクエ5の主人公の恰好を盛大にパロディーしている深夜ドラマ「勇者ヨシヒコ」シリーズで主役のヨシヒコ役を演じる山田孝之がビアンカ派なのは有名なお話ですが……ここ、結構好みが分かれるところだと聞いています。

無論わたしの周りでも意見が分かれます。この手の話で知己と激論を交わすと、白熱して楽しいです。

ちなみにわたし、初見でフローラを選びました。

……

いや、待ってください。決してわたしは「フローラ派」というわけではありません。ビアンカもフローラも、何ならデボラも好きです。

それでもわたしがフローラを選んだのは、単純にストーリー上の都合です。

そもそもこの段階での主人公の目的は、父であるパパスの遺言に従って勇者の武具である天空装備の蒐集にあります。そして立ち寄ったサラボナで、天空の盾の所有者であるルドマンと出会います。

ルドマンは、一人娘であるフローラの結婚相手を探していました。そしてフローラと結婚しようと集まった者達を選別するため、魔物の住処になっている危険な洞窟の奥深くにある指輪二つの入手を条件に課せます。それを達成した者に、フローラと結婚する権利と、副賞として家宝である天空の盾を与える……という事でした。

その旅の最中で、主人公は幼馴染のビアンカと再会し、二つのリングを手にした紆余曲折の果てに、ビアンカとフローラのどちらかと結婚する事を迫られます。

……

ここでの決断で重要になって来るのは、何に重きを置くかだと思います。

結婚に重きを置くなら、どうでしょう。

ビアンカは気心が知れた幼馴染。小さい頃に一緒におばけ退治の冒険に出かけた仲です。ゲーム中では描写されていませんが、それ以前にも交流があったようですし、仲の良さという点ではビアンカに軍配が上がるでしょう。

対するフローラは、初めて出会った相手です。あちらは好意を示してくれていますが、幼い頃に知り合ったというアドバンテージには敵わないでしょう。

そもそもビアンカの気持ちだって明らかです。ビアンカが主人公を好いていなかったら、水のリングを手にした段階でお別れしているはずなのです。それなのに一抹の期待を抱いてわざわざルドマン邸まで主人公に付き合っていたのは、そういう事でしょう。そのいじらしさも加味すると、どうしてもビアンカが優勢だと言わざるを得ません。

ただし、結婚ではなく使命に重きを置いた場合はどうでしょう。

主人公の目的は、天空装備の蒐集です。そして天空の盾は、ルドマンの家に伝わる家宝です。フローラと結婚するという条件で貰えるはずだった宝物を、ビアンカと結婚する事で貰えるわけがありません。ルドマンからすれば、義理の息子になると思っていた男が赤の他人のままというわけですからね。

実際にはルドマンに大層気に入られた主人公は、結局ビアンカと結婚しても家宝を貰えるわけなのですが。お金持ちの懐の広さに救われるわけです。

ですがそれは全て事後に判明すること。ゲーム中で主人公と同じ時間軸で悩むプレイヤーは、ビアンカを選ぶ事=天空の盾を諦めるという思考になるわけです。

そしてそれは単にレアアイテムの放棄という事ではなく、亡き父の遺志を放棄する事に当たります。素敵な花嫁を取るか、使命を取るか……というと、フローラに失礼ですよね。フローラだって、素敵な花嫁になり得ます。

フローラと結婚すれば、素敵な恋人も使命も両方手にする事が出来るのです。亡き父の思いを裏切らず、かつ結婚という幸せを手にする事が出来るフローラという選択肢が魅力的過ぎた、というのがわたしにとって決定打でした。

とはいえこういう好みの部分は全て感情論に過ぎません。父の遺志を投げ捨ててでもビアンカと結婚したいと思うのはそれはそれで情熱的ですし、メタ的言えば二週目以降ならビアンカを選んでも盾が手に入るのが分かっているのでまた考えが変わるというものです。単純にゲームシステム上、天空の盾が手に入らないわけがないと予想を立てるのもアリですし、それこそ十人十色の考え方があるでしょう。

なんにせよ、こういう悩み方は楽しいです。次にビアンカかフローラかを選ぶときは、ぜひいつも以上に悩んでみて下さい。

そういうわけで、明日は求婚の日。結婚しましょう。

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