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西尾維新「人類最強の熱愛」『人類最強の純愛』その3 ステルスリアクション・エクストラ117

(ステルスリアクションとは、見えないリアクションである。表向き別の事を表現しているように見せながら、同時に、特定の何かに対するリアクションとしても意図された、そのような表現方法なのだ)

(ご注意・本稿では西尾維新「人類最強の熱愛」『人類最強の純愛』のネタバレを含みます。閲覧の際にはあらかじめご了承ください。表紙画像と本文は一切関係ありません。また、登場人物や組織の実名は伏せられている場合があります。そして、明かしづらい内容は不明瞭な表現となっている場合があります)

前回はこちら(関連リンクは末尾を参照)。

また本稿においては「西尾・忍殺」を重要な関連資料として参考して頂きたい。


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・小唄(怪盗)も失敗の産物?

僕とベータロンと両方失敗したあの件から小唄がリニューアルされたって事かなぁ。色んなキャラクターがちょっと変わっちゃったカンジは大抵の読者がはっきり読み取ってるからコントロールすべき課題だよね(対策してればもう解決してると思うけど)。


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・所詮はものの見方

よく見る事も悪く見る事も出来るけど、照らして基準にされる原則って無意味に作られてる訳じゃないからねえ。誤魔化しや言い繕いにも限界があるよ。


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・あなたが派手に稼いでいる間に、地味にこそこそ、おこぼれを頂戴する
・どの辺が地味なんだ

まったく表沙汰になってない分おこぼれの方が多いんじゃないかなー。というか商売柄派手にならざるを得ないんだから地味になんてなりゃしないってば。

露出前提のポジションだと炎上が必然になるって知ってるだろうにどうしてパクれるんだろうねぇ。


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・手品師

「手塚マンガの風刺性を検証する――『地底国の怪人』の場合――」参照。「手品」ってワード1つ入れるのにそれだけで多少は文体や作風に影響するはずだから、ちょいちょい同じ単語を使っていくだけでも何か変化があるんじゃないかなーとも思う。

そこまで繊細じゃないもんなのかなぁ(よくわからん)。


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・どこまで本気か

これまだ僕の本気度が疑われてる頃だろうか(まだ疑われてるんだろうか)。


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・戦争の調停から迷子の子猫探しまで

人類最強っぽい仕事ぶり。SFとステルスリアクション側に振れ過ぎて戯言シリーズからのファンの受けが悪かったのか、元のあの感じに戻そうっていう意図があるかなぁ。

面白けりゃいいんだけどね、僕は。


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・敵意
・攻撃性

向こうから仕掛けてこなきゃあ僕だって手は出しませんよ……。


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・戦争を知らない世代
・世代ってのは、順調に進むもんだ

戦後生まれ(歴史寓話)と世代交代の兆し。歴史寓話論そのものは画期になり得ると踏んでるけれど、さてどうなることやら(時間と違って待ってても進んでくれないからなぁ)。


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・プロのプレイヤーではなく、ただの個人
・若手

ジャンル内の構成員になるって事は現状のルールを内面化する事でもあるからね、内から変えられる可能性があるのは天才かベテランかトップかなぁ。僕みたいなのは外からアタックするしかないみたい。


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・示際祭(しめぎわまつり)
・若い
・そしていい名前だ

終わり際、区切りの時期に、ひと騒ぎ起こると。新時代を切り拓くっていうのなら、若い方がいいのだろうけどねぇ……。

名前はまぁ、この世界観でのネーミングはそもそも変わってるからなぁ。何とも。


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・監視下が進んでも、意外と隙間はある
・時代を読み解くようなこと

人に発見されにくい場所、状況ってそうそう無くならないと思うよ、実際。特にキーワード検索では見つけ切れないものは意味的な水準で検索出来るようになるまで探り当てづらいだろうし。


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・人気も人目もないだだっぴろいところをバトルフィールドに選ぶ

さして有名でもない奴がネットの片隅で特に流行ってる訳でもない批評なんて熱心にやっててもそりゃ誰も見やしないので、この指摘は正しい。

ならどうしてそんなトコでやったの、と思われるかもしれないが、誰にも邪魔されず好きにやれる場で、風向きが変われば一気に注目を集める可能性のある所って少ないよ。それに見ようとすれば誰にでも見える、っていうのも重要だしね(そういうところからこういう出方をするのって、このジャンルでは珍しいはずだからね)。


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・まさかのこのこと何のアクションも起こさずにただただ相手に道案内されてついてくるなんて

普通はそうは思わないんだろうけどベータロンはそのつもりでしかなかったんだろうなー、というポイントのアレンジかな。それで両者にとってメリットがあるんならそのままついてって上手くやってくっていう展開だってあったんだよ? どう見てもその見込みがなかったから離脱するのがベストになっちゃっただけで。

しかし、任せてちゃんとやってくれる人がもしいたとして、その人に任せっきりにするのが本当にベストと言えるもんなのかねぇ?




(続く)

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関連リンク

西尾維新を読むことのホラーとサスペンス、ニンジャスレイヤー、そして批評家の立場と姿勢の話

西尾維新篇

第1話「ゼロ年代の終わりに」(約1,600文字)

第2話「西尾維新からの応答」(約3,200文字)

ニンジャスレイヤー篇

第5話「『ニンジャスレイヤー』をオマージュする西尾維新」(約2,600文字)

策謀篇

第6話「過渡期の人」(約1,900文字)

第7話「茶番の始まり」(約1,800文字)

第8話「違和感の塊のような」(約2,100文字)

第9話「地雷と第二次性徴」(約2,200文字)

第10話「アメリカンなジェスチャー」(約3,500文字)

第11話「俺に合わせろ」(約2,900文字)

第12話「物語の終わり」(約1,800文字)

第13話「閉じろ、その地獄の釜の蓋を」(約3,200文字)

昇華篇

第14話「『天狗の国へ連れてゆく』」(約1,700文字)

批評篇

第15話「『どうだ ピンク色の光が見えてきたか?』」(約2,300文字)

第16話「『やめろ!俺の頭から出て行きやがれ!狂気め!』」(約2,800文字)

第17話「『消えろ』‘彼を呼ぶのだ!’『消えてくれ』」(約2,400文字)

第19話「『俺は向こう側に、天狗の国に行かなきゃならねえ』」(約3,400文字)

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#批評 #コラム #ステルスリアクション #小説 #西尾維新

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