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ドクターズコスメの基礎知識①

今回はAquaAgeのアドバイザーであるマリポサビューティークリニック 院長 皮膚科専門医 医学博士 野田香菜先生に、AquaAge代表の包娜仁を交えて、狩野がオンラインでインタビューを行いました。(全6回の1回目)

マリポサビューティークリニック 院長 皮膚科専門医 医学博士

ドクターズコスメとは何か


狩野:今日は野田先生にドクターズコスメのことや成分、肌悩みについて美容皮膚科医の観点で色々お話を伺わせてください。
ドクターズコスメとは何か教えてもらえますでしょうか。

Dr野田:ドクターズコスメは薬に近いと思っています。
狩野さんもnoteで「化粧品は薬ではない。」と仰っていましたが、私も一般的な化粧品は薬ではないと考えています。薬機法という法律があって、角質層までしか届かない。作用してはいけない。なので、一般のスキンケアCMでは謳ってはいけない表現が多いです。
ドクターズコスメは一般のスキンケアよりも効果がある。という認識です。全ての商品ではないですが、一部の商品は表皮、真皮に作用する。と考えられています。ビタミンA、ビタミンC、ペプチド(ペプチドの中にも色々な種類はありますが、肌の表皮や真皮の接合部分を強化するものだったりするもの)が配合されているものが多いものがドクターズコスメです。
ですので、ドクターズコスメは一般のスキンケアとは別物と捉えてください。 
化粧品、医薬部外品、医薬品と分類されている中で医薬品と医薬部外品の間に位置付けられている。というイメージでしょうか。 
商品にもよりますが、診察が必要なものは医薬品の扱いに近いです。海外だと医薬品扱いになっているものでも、日本では承認されていないので医師が個人輸入をしている。という形のものは診察が必要になる。と考えています。

ドクターズコスメで診察が必要になる理由


狩野: ありがとうございます。それでは、ドクターズコスメは医師の診察が必要になるのはなぜなのでしょうか。

Dr野田:「必ず診察が必要」という法律はありません。
ただ、多くのクリニックが診察を義務づけているのは
①ハイドロキノン(美白成分)
②トレチノイン(強いビタミンAの活性をもつもの)

これら二つに関しては、必ず診察を行っています。

一つ目のハイドロキノンは、肌の表皮の深い部分にメラニンを作るメラノサイトという細胞が存在しています。
メラノサイトにはトゲトゲがあり、そこからメラニンをたくさん作って、シミやくすみの原因になります。
一般の化粧品は直接的にメラノサイトへの作用ができないのですが、ハイドロキノンはメラノサイトの細胞の核そのものに作用して、メラノサイトの産生を抑えるような作用があります。
ただ、強力な美白作用があるため、弊害がいくつかあります。
まず細胞に対する毒性が強いことです。具体的には、赤道直下のネグロイドが大量のハイドロキノンを使用すると皮膚がんが発生するという報告もあります。
そして、白斑の問題です。
昔市販の美白スキンケアの成分であるロドデノールが白斑で問題になりました。
ロドデノールは、ハイドロキノンととても近い構造を持っていて、ロドデノールをずっと使った時にメラノサイトそのものの機能が落ちてしまい、本来の肌の色も作ることができなくなってしまいます。
それがまんべんなく作用するならばよいけれど、一部分ではメラニンを作ることができて、一部分ではメラニンを作ることができない。その一部分メラニンを作ることができない部分が白斑となってしまいます。そのようなこともあり、正しく使用しないと危ないので診察が必要ということですね。
ハイドロキノンは、使用期間がだいたい5ヶ月くらいが良いと言われていますが、それを患者さんだけに任せるというのは難しいです。
そして5か月と言っても、個人差がとても大きいです。
5か月使える人もいれば、すぐに白斑が出てしまう。という方もいらっしゃいます。
そのサインを見つけた時には必ず使用中止をした方がいいので、診察が大切になってくる。ということです。
また、ハイドロキノンが効くタイプのシミかどうかも診察が必要です。
自己判断によるハイドロキノンの使用は危険です。
あとはかぶれる方も多いです。その反応はかぶれによるものなのかどうなのか?というのも診察が必要になります。それがハイドロキノンです。

 二つ目のトレチノインですが、使用する人のほとんどが赤くなったり皮がむけたりします。それはアレルギー反応ではなく正常な反応です。
ただ、それを一般の方が自分でコントロールするのはすごく難しいので診察が必要となります。

狩野: 必ず診察が必要になるのは、ハイドロキノン、トレチノインなんですね。

ドクターズコスメと一般のスキンケア化粧品の違い


狩野:ドクターズコスメと一般化粧品(スキンケア)の違いについてお伺いしたいのですが、冒頭で仰っていた通り、薬に近いのがドクターズコスメということですよね?その他に一般のスキンケアとの違いはありますか。

Dr野田:マーケット的に目指しているものが違うというのが大きな違いかなとも思います。
一般の化粧品はリラクゼーションや癒しを求めて購入する方が多いと思われます。
反対にほとんどのドクターズコスメは癒しの効果は一切ありません(笑)とにかく効果一択!という感じでしょうか。 

狩野:効果一択!とてもわかりやすいですね。効果を求める代わりに、皮むけしたり、赤みが出たりするよ。ということですよね。
ドクターズコスメのメリット、デメリットを教えてください。
メリットはとにかく効果と仰っていましたが、デメリットはどのようなことがありますか。

Dr野田:実はそんなに強い治療をしない方が良い方はたくさんいらっしゃいます。
そもそもスキンケア自体していない。という人は、普通のスキンケアから始めた方が良いです。そういう方にはドクターズコスメは高価になってしまいますし、購入する必要はないと思います。ちゃんと洗顔と保湿をするだけで肌の状態が良くなるという方はたくさんいらっしゃいます。
シミ、シワを気にしている。という理由であれば、ドクターズコスメを使うとよいと思います。そもそも肌がごわごわしているという方や脂っぽいという方はスキンケアをきちんとすると改善することも多いです。
 

まとめ


・ドクターズコスメは一般のスキンケアと別物である。
・ハイドロキノン(美白成分)とトレチノイン(強いビタミンAの活性をもつもの)使用のドクターズコスメは効果がある分、副反応が強いので医師の診察が必要になる。
・一般のスキンケアは肌への働きかけ+癒しだが、ドクターズコスメは効果をメインにしている。

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