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物語の力。

作家・原田マハさんの著書『暗幕のゲルニカ』を読みました。この1ヶ月で『楽園のカンヴァス』や『たゆたえども沈まず』を読み、すっかり気分はアート女子に。

あまりにもおもしろかったので、友人に向けて熱狂的にレコメンド。中でも『暗幕のゲルニカ』はピカソのゲルニカを題材に戦争の愚かさや芸術の強さを伝えた一作で、特にお気に入りだった私は熱のこもった声で友人に話していました。

「すっごくおもしろくて、戦争が今にも始まるという時、パブロはゲルニカを描いて言ったんだよ。”芸術は飾りではない。敵に立ち向かうための武器なのだ”って。それでね...」

そこで思わぬコメントが。

「相当おもしろかったんだね。ピカソじゃないもんね、”パブロ”だもんね。」

「え...!言ったか私、確かに”パブロ・ピカソ”を”パブロ”って呼んでたか。それは無意識で...ゴニョゴニョ...(照)」

中学、高校と世界史を勉強してきたけれど、今まであの「ピカソ」を”パブロ・ピカソ”という1人の人として認識したことはなかったな。私もコアなアート好きの仲間入りか~なんて自惚れてしまいましたが、そんなことはなく、物語の力によってのことです。

物語はいくつもの時代を超えて、読む人の目の前に「物語の中の人」を浮かび上がらせ、まるで友人のように思わせてくれます。
そこで起きた物事に想いを馳せ、共感する楽しみを味わせてくれるのです。

そんな、物語の力を感じたのでした。


言葉で、日々に小さな実りを。そんな気持ちで文章を綴っています。