月刊タロティスト9月号「悪魔学」1700年代
1700年代(18世紀)
天上に仕えるより地獄にこそ君臨すべし!
ロックな悪魔誕生!
この時代、書物が安価で出回り始めたことは、これから話す「とんでもない話」の発端の一つではある。
(タロットも印刷技術が向上したので広まった)
ルネサンス期には、上級の魔術師しか見ることができなかった書物があらゆる人の手に渡るようになり、ごく普通の労働者が悪魔を呼び出す呪文をいとも簡単に知ることができるようになった。
この時代は、革命があり、科学が進歩し、合理的精神で慣習を打ち破り、感情的に迷信を信じることが減った「啓蒙主義の時代」と言われるが、
同時に、17世紀の薔薇十字団など、錬金術に基づいた秘密の知識を主張するなど、オカルトと民主主義を矛盾とは思わない時代だった。
そんな中、ごく普通の書店がいくつかの魔導書(グリモワール)を製造。
その中で持っても影響力を持つと言われる「大奥義書」もあった。
この本では、かつてのオカルテイストたちが、黒魔術さえ神の力を通して行われると主張していたのに対して、臆面もなく悪魔の邪悪な力を認めている。
いわば、大衆が、ファウスト(前回のフォースタス博士、のちにゲーテのファウスト)などの妖術師に抱く好奇心や熱を帯びた悪夢が、実際に手に取って見ることができる書物の形となって出現したと言える。(怖いもの見たさ)
大奥義書には、悪魔を呼び出す方法だけでなく、新しい悪魔を呼ぶ方法も書かれている。
それは「ルキフゲ・ロフォカレ」
(その他の悪魔は、伝統的な面々)
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