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保育園のメリット・デメリットと、園選びのコツ

「保活」という言葉をよく耳にするようになりました。

我が子を保育園に入れて働くため頑張る保護者さんたち。でも現実はなかなか難しいと聞きます。

安定期に入り、我が家はこれからどうしていくか。そろそろ本格的に考えなくてはならない時期です。

保育士になって約10年。三重県のとある園で数年働いたあと、関東では派遣保育士としていくつもの園を転々としてきました。その経験は私の中で「我が子は保育園に入れたくない」という思いとなって大きくなりつつあります。

今回は、子どもを保育園に入れることのメリット・デメリット、保育現場の現実など、私自身の見てきたことを書いてみようと思います。

保育園の魅力1:お友だちの存在

私が思うひとつめの良さは「お友だちの存在」です。

「あまり小さいうちに保育園に入れるなんてかわいそう」という意見を聞いたりします。「ママー!」と泣き叫ぶ子どもを置いていかなくてはいけない、わが子にこんな思いをさせてしまうなんて・・・という思いを抱えている保護者さんたちも多いようです。

その気持ちは当然のことと思いますし、否定する気持ちはもちろんありません。

が、保育士としてはそこは「全然だいじょーぶ!」です。むしろそういった面に関しては「どうぞ保育園にお任せください」といった気持ち。

ほとんどの子が初めは泣きます。泣き続ける期間はその子によって様々。かなり長い期間続くこともあるのは事実です。ですが、必ず慣れます。

家庭と保育園の大きな違いは「集団生活」だと思います。そこには「お友だちの存在」があります。

0歳児さんのように小さくても小さいなりにお友だちの存在を感じ、刺激を受け、時にぶつかりあいながら一緒に成長していきます。保育士はもちろん最大限の愛情を注ぎますが、とても「お友だち」には敵いません。

保育園の魅力2:子どもを一緒に見守る大人(他人)の存在

初めての子育ては全てが未経験・未知数の世界です。

「この泣き方っておかしい?」「ご飯を食べないのはどうして?」「他の子はどうやって遊んでるの?」

きっと毎日が初めてと不安とで溢れていることと思います。

家庭内で子育てをするということは、子どもと向き合う大人が基本的には家族のみになるということ。その役割がママ(パパ)だけにのしかかり、不安な気持ちを抱えながら毎日お子さんと向き合っている・・そんなおうちも多いようです。

保育園に預けることは、単純に「その子を見ている(知っている)大人が増えること」です。

親「最近あんまりご飯を食べてくれなくて・・・」
保「たしかに前に比べると少し減ってきてるかもしれませんね。好き嫌いが出てくる時期というのもあるかもしれません、保育園ではこのメニューがお気に入りだったみたいですが、おうちではどんな様子ですか?」

なんて会話がよくあります。「毎日を保育園で過ごしているからこそ、悩みが共有できる」これは大きなメリットだと思っています。

もちろん悩みだけではなく、かわいい部分も!

親「昨日○○が絵本を見ながらおしゃべりしてたんです」
保「かわいいー!保育園では最近この絵本がブームなんですよ」
親「そうなんですね、今度買ってみようかな!」

こんな会話ができるのも、普段子どもを預けているからこそ。

◆家族とは違う「他人」の目線で我が子を見てもらえること
◆我が子のいろいろな姿を共有できること

それもまた、保育園の大きなメリットであるように思います。

保育園への不安:子どもの扱い・保育の進め方に差がありすぎる

私が何より引っかかるのはここ。「当たり外れが激しい」というところです。

病院であれ買い物であれ、人と接する以上は仕方がないことかもしれません。ですが、わが子に対しての扱いとなると「ここはハズレだったなぁ」では済まないと思うのです。

たくさんの園を見てくる中で、正直なところ「我が子は絶対に預けたくない」と思ってしまうところも少なくなかったのが事実です。

その経験から、入園前の見学で気を付けておいた方が良いポイントを幾つか挙げてみます。

・・・・・

◆園長が子どもの名前を覚えている・子どもの方から園長に話しかけてくるなど、普段から良い関係を築けていそうか?

子どもへの話しかけ方が明らかに今だけ媚を売っているかんじ、嘘くさい態度、園児の名前を知らない、「かわいいわねー」などその辺のおばちゃんと同じレベルの対応、などの場合は・・・ちょっと気をつけたほうがいいかも。

◆保育士はきちんと挨拶をするか?笑顔があるか?

見学の方が来た時は保育士もそれなりに緊張しています。明らかに普段と違う「演技」をする人もいるので、その場面だけではわからない部分も多いです。

それでも、子どもへの対応は普段に近いことが多いと思います。子どもに対して自然な笑顔で接しているか?子どもの気持ちを優先した対応をしているか?

できれば目の前にいる保育士だけでなく、見学の方に気づいていない・警戒していない大人(掃除の人なども、保育士以外も含めて)も意識してみると良いと思います。

◆子どもたちに笑顔はあるか?幼児さんは「将来こんな子になってほしい」と思えるような姿か?

幼児さんたちが楽しそうに遊んでいる、赤ちゃんに興味を持って話しかけてきてくれるなど。こんな子になってほしい、こんなお兄ちゃんお姉ちゃんたちに囲まれて育ってほしいと思えると安心です。

・・・・・

これらはあくまで私個人の考えです。

見学の時間は本当にわずか、その短い時間でどこまでの情報を手に入れることができるか。とても難しい問題です。

もっときちんとしたデータ・具体的な保育園の選び方が知りたい方はぜひこちらの本を↓

保育の今

保育現場は人不足が顕著になってきており、どんなに理想の保育をしたくてもできないというのも現実です。

人手不足を埋めるため安い時給で学生バイトを雇ったり、日替わりの派遣保育士を入れたり・・・というのは、ごく普通に行われています。

◆担任が休憩中は、資格を持たない学生バイトにクラスを任せきり
◆日替わりで違う保育士が来るため、子どもの名前すら把握できていない(赤ちゃんたちは人見知りで泣き、落ち着かない)

こういった部分は、見学に来た保護者さんたちにはもちろん明かされることはありません。入園してからも特に知らされることはなく、保護者の目があるときはうまく誤魔化して毎日をまわしていく。それが現実です。

じゃあどうやって「安心できる保育園」を選べばいいのか?(いやそもそも選ぶ余裕なんてないのか?でも!)

大切な我が子を預けるのに「当たり外れ」で済ませたくない。「ハズレ」も有り得るということは、保育園に入れるうえでの大きな大きなデメリットです。

初マタ保育士の葛藤

保育士同士で話していて「現場を見ちゃうと、保育園なんか預けたくないよね」という声を耳にすることがあります。それはとてもとても悲しいことです。

我が子にもこんな風に大きくなってほしい
保育園てこんなに素敵

保育士自身がそう思えるような毎日を過ごせていなければ、保護者さんたちに顔向けできません。

子どもたち一人ひとりを、愛情を持ったたくさんの大人の目で見つめられること。子どもたち一人ひとりが、安心できる大人と友だちの中で育っていけること。

私は保育園が好きです。保育士という仕事に誇りも持っています。

でも、だけど。私は今、葛藤しています。

※ブログ「ヒナスイッチ」2016.11.21の記事を移動しました

※この記事を書いてから2年後に保活、1才児から保育園に入園しました


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