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【兎馬フィグ&小宵インタビュー】#打奏驚蛇 Vol.1を終えて

初めましての方は初めまして、そうでない方はお久しぶりです。日向キタローです。

インタビュー第30弾はおやすみホログラムの兎馬(とば)フィグさんとバーチャルアーティストの小宵さん。

2022.5.15に行われたリアルライブ『打奏驚蛇』に関していろいろとお話を聞いてきましたのでお楽しみに。



兎馬フィグ
小宵



・私が最初に考えていたのはもっと小さい規模というか、一緒に曲を作って期間限定で一緒にユニットみたいなのをやりたいっていうものだったんですよね。


ー まず最初に自己紹介も兼ねて普段どういった活動をしているのかをお聞かせください。


兎馬フィグ:兎馬フィグです。昨年(2021年)の7月に「おやすみホログラム(おやホロ)」というユニットに加入してボーカル活動しつつ、ちょくちょく自分の曲とかも作ったりしています。あとはミスiDというオーディションのセミファイナリストにもなりました。

小宵:小宵です。バーチャルアーティストをやっています。歌詞を書いたり、歌ったり、たまに小説を書いたりしています。最近「貝と蜃気楼」というバンドを始めました。


ー 改めまして、先日はお二人が主催のライブ『打奏驚蛇』お疲れ様でした。


兎馬:ありがとうございます。うちらが主催で、おやすみホログラムのオガワコウイチさんの個人レーベル「goodnight! records」がライブ制作で入っている形でしたね。


ー ライブ自体はどちらが先に言いだしたんでしょうか。

小宵:兎馬さんじゃないですか?

兎馬:まず私が小宵ちゃんとライブをやりたいって声を掛けたんです。ただ私が最初に考えていたのはもっと小さい規模というか、一緒に曲を作って期間限定で一緒にユニットみたいなのをやりたいっていうものだったんですよね。それからライブをやるなら他の友達とかも呼びたいなって小宵ちゃんが言って…おやすみホログラムと対バンしたいっていうのも小宵ちゃんの提案だったんですよね。それをオガワさんに提案した時に「お金もかかりそうだし、よかったらうちで制作入りますよ」と言ってくれたのでこの形になりました。

小宵:オガワさんに声かけるまでめちゃくちゃビビってたよね。

兎馬:メンバーに相談したのが12月くらい、企画を箱側に相談して日程が決まったのが2月くらいで、最近慣れてきていい感じに厚かましくなってきたんですけど、私まだメンバーに遠慮している部分がその時はあったんですよ。おやホロは7年ぐらいやっているユニットなので、元々いるオガワさんとカナミルのことはすごい先輩っていうか尊敬しているので、ビビっているところがあって、誘っていいのかわからないっていう状態にはなっていましたね。でも小宵ちゃんがやりたいって言ってくれたので踏ん切りがついた形になりました。

小宵:でも言ったらオガワさんは即答してくれたよね。

兎馬:一瞬だった。


ー 即答だったんですね。


兎馬:怖かったんでちゃんと企画書を作ったんですよ。で、渡したんですけど、もうなんなら読む前に「いいよ」って。それを見て、私が考えすぎてたなって思いました。

小宵:(笑)いい人だった…。

兎馬:なんでもやらせてくれますね。おやすみホログラム「法に触れなければ何やってもいい」って言われているので。


ー 企画書という言葉がありましたが、企画に際しての意図や、他の参加者の方々を選んだ理由などをお聞かせいただければと思います。


小宵:このライブは企画書作ったりとかも兎馬さんがやっていたので、私はその案を聞いて「Vtuberがライブをするならこういうものが必要だよね」とかV周りのことを言っていました。そして「リアルアーティストとVtuberを同じくらい呼びたい」ということになって、お互い1組ずつ呼ぶか、と。そうなった時に誰か呼べる人って考えた時に(隣町)本舗さんが出てきたんですよね。そこで出てきた理由は、”おやすみホログラムと小宵”っていう組み合わせの時に、本舗さんってその間にいる気がしたんですよ、作風的に。

兎馬:小宵ちゃんはおやすみホログラムと比べるとダウナーな感じで、おやすみホログラムは元気がいいので、本舗さんはちょうど爽やかで重すぎずちょっと切ない、みたいな感じで。


ー 隣町本舗さんがご自身でも言っているように「寂しいけど爽やかな曲」というものがちょうど合致した形ですね。


小宵:そうですね。そういった面でもバランスがいいかなって思ったんですよ。他にもぶぎぼ(BOOGEY VOXX)のライブとかにもゲストで出ていたりして、ライブを何回か経験しているのも知っていましたし、小宵が初めて外の人に誘ってもらったライブが本舗さんも企画で入っていた『今宵、八月の持ちに二度目の雪が降る』っていうVRライブで、わりと長い関わりがあってライブ慣れもしていて、作風が合いそうっていうのでお呼びしました。なので、ナギサワカリンさんを呼んだのは兎馬さんのキャスティングですね。

兎馬:ちょっと話が前後して申し訳ないんですけど、このライブの目的としては、ライブを中心に活動しているアーティストを普段ライブハウスに来ないような…この場合はVtuberのリスナーさんに知ってもらうっていうことで、加えて普段なかなかライブハウスでライブができないバーチャルのアーティストさんにライブに出てもらって、逆に普段ライブハウスに来ているようなお客さんとかに知ってもらうっていうものが目的だったんですよ。これは小宵ちゃんはライブハウスが似合う曲をやっているので、もっとライブハウスでやってほしいなって思っていて、もっとそういう場所でやっていくには場数とかも必要だと思っていたので、最初に小宵ちゃんと一緒にライブがしたいって提案した段階から考えていたことなんですよね。なので、こちらから誘う人としてはライブをたくさんやっていて、Vtuberとかを見ている人たちがなかなか見ないであろうアーティストさんって考えたんですよね。

で、ナギサワカリンさんはミスiDで知っていて、ミスiDって結構エントリー者同士の交流が多いちょっと変わっている雰囲気があるんですよね。ナギサワさんを初めて見たのが、ミスiDの子が脚本を書いてミスiDの子たちで演劇をやっている舞台だったんですよ。その作中で弾き語りをするシーンがあって、それがすっごいかっこよくて印象的だったんです。今回、出て欲しいなって思う人の候補はもちろんたくさんいたので、とりあえずナギサワさんのライブを見に行ったんですよね。そしたら歌声のパワーがやっぱりすごくて、出てきた瞬間に太陽1個分の熱量があるなってめちゃくちゃビビって「この人すごい、呼ぼう!」ってなったんです。


ー 演出面や会場に関してはどういった経緯で決まっていったのでしょうか。


兎馬:箱を決めるのが大変だったよね。

小宵:大変だった。


ー 今回の会場は『新宿MARZ』さんでした。立地も駅から近くていい場所でしたよね。


小宵:透明なスクリーンが元からあったことが決め手にはなりましたね。プロジェクターも常設されていて。

兎馬:こんなにデカい規模でやるとは、最初は考えていなかったんですけど、おやすみホログラムで出ようって決まった時に「ある程度名前の知られている箱を借りる必要があるな」と思ってというのも理由の1つですね。



・もう1回やったらもっといいイベントにできる自信があるし、もっと人も来てくれると思っています。


ー 前準備のお話は言えない部分も多いかと思いますので一旦保留にさせていただきまして…ライブ当日のことをお聞きしていきたいと思います。まず初めに、おふたりともライブを終えていかがでしたか?


兎馬:私、すっごい楽しみにしていたんですけど2日前くらいから急激な不安に襲われて…(笑)

小宵:そうなの?

兎馬:チケットの売上が怖くて、ずっと聞かなかったんですよ。そうしたら2日前くらいにオガワさんからその時点での売上を聞かされて…。それを見て「やばいやばいやばい!」って不安に襲われたんですよ。でも結果的にそこから増えて「思ったよりも人がいる」っていうのが感想の1つでしたね。

あとはみなさんすごくいいライブをしてくださって、終演後の物販の時にお話に来てくれたお客さんとかも、当初の目的だった「Vtuberとかよくわかんないけど、すごい今日楽しかったよ」とか、逆に本舗さんとか小宵ちゃんを見に来た方が「おやすみホログラムやナギサワさんすごいかっこいいですね」って言っていただいて、すごくやってよかったなって思いました。

小宵:逆に私は当日までそんなに心配じゃなかったですね。自分的には想定の範囲内というか、以前にちっちゃい展示をやったり、ワンマンライブとかの企画を自分でやっていたので、ある程度覚悟は決まっていたというか…。もう当日になったら、どれだけ多かろうが少なかろうがやるしかないというか。

打奏驚蛇、今回はVol.1じゃないですか。Vol.2のことは何も計画立っていないんですけど、でも2回目をやろうっていうのは1回目の段階から話はしていて。結構自信はあったんですよ、やる前からこの1回目があまり成功しなくても2回目、3回目でどんどん増えていくだろうと思っていたんですよね。で、実際ライブ当日、どの演者さんもとっても良くて。本当に自信通りのものになったんじゃないかなって思います。むしろ当日の朝が1番やばかったですね。いろいろあったじゃん。

兎馬:今回初めての試みをするにあたって、本舗さんや小宵ちゃんの演出面の心配とか…お二方が現地での場数を踏んでいないっていうこととかがあったんですけど、まさか1番のトラブルがおやすみホログラムのオガワコウイチがパソコンを忘れるっていうことになるとは思わなかったですよね(笑)

小宵:びっくりしちゃった(笑)今回のイベントは逆リハっていう、出演順と逆の順番でリハーサルを行うっていう予定だったんですよ。そうするとどうなるかっていうとおやすみホログラムがリハの最初だったんですよね。

兎馬:なのでリハの順番がぐちゃぐちゃになって(笑)

小宵:他にもライブのテスト配信が全然開始できないみたいなことにもなって…(笑)

兎馬:みなさんの協力でなんとかなりましたけどね。

小宵:あの時が1番怖かったよ…(笑)

兎馬:と、まあいろいろあったんですけど、1位はパソコンを忘れたことですね。

小宵:もう1周回って面白かったですけどね。

兎馬:あんまり言い過ぎるとずっと怒ってるみたいになっちゃいますけど、もう怒ってないですし、そこまでいったら面白いですよねっていう。
あとはナギサワさんは出演する舞台の稽古が長引いちゃってリハができなかったんですよ。他にも巨頭さん(KYOTOU O-EⒶST SHIBUYⒶ)は憑依する男性に着せるための普段の赤シャツと帽子を忘れるっていう。シャツはライブTシャツを着て、帽子は写真撮影をしてくださっていた神宮司さんから借りたんですけど。

小宵:本番前が1番バタバタしてましたね。

兎馬:もうこんなことになったらライブハウス側から怒られても仕方ないって思ってたんですけど、本当に優しくしてくださって…。

小宵:優しかった…。本当に終始親切で、スクリーンを使った演出とかも向こうから使い方を提案してくださったりとか、すごく協力的にしてくださって、カメラワークとかもアドバイスをくださったりしました。

兎馬:すごい親切だったし「可能性を感じる」って言ってくださって。

小宵:頭が上がらない。


ー 開演前がとてもバタバタしていたことが伝わってきますね…。


小宵:終わった感想なのに開演前の話ばっかりしちゃった(笑)
最終的にイベント自体は予定通りにいったので良かったです。

兎馬:みんなパフォーマンスは本当に最高のライブをしてくださったので、開演前以外は本当に何事もなく進んだということですね。

小宵:もちろん終わったあとの反省はあるんですよ。こうすればよかったなっていう部分とか。ただ、もう1回やったらもっといいイベントにできる自信があるし、もっと人も来てくれると思っています。

兎馬:細かいところの改善点はありますけど、おおむね良かったんじゃないかなって思っています。

小宵:成功と言っていいと思います。とっても楽しかったですね。



・”ライブハウスでライブをやりたい人”がちゃんとみんなできるようになったらいいなと思っています。


ー おふたりから見て、他の出演者の方々のパフォーマンスなどは感想としてはいかがでしたか?


小宵:おやホロのライブは何回か見たことがあったんですよ。兎馬さんやマドさんが加入したての頃も見に行っていて、その時よりもパフォーマンス力が上がってるなって感じました。

兎馬:最初の頃は私ひどかったよね~!(笑)

小宵:そこまで言ってないけど(笑)

兎馬:いや、でもファンの方には「最初にしては上出来だよ」って言われてはいるんですけど、自分としては最初の頃のライブとかを見ると「この動画消してくれないかな…」ってなるんですよ。

小宵:そういうね、メキメキ成長してるんだなあってなっているのもあったし、打奏驚蛇で初出しの新曲もよかったですね。オガワさんも歌っていたりして、めちゃくちゃいかつい曲でよかったなって思います。

本舗さんは、リアルでのライブを生で見たことがなかったんですよ。リアルじゃないところで共演者として見たことはあったんですけど。本舗さんは落ち着いてるなって思いましたね。あのカオグルさん(chaosgroove
)の映像演出をあのデカさで見れたのはとてもいい経験だったのではないでしょうか。


ー リアルの場所での隣町本舗さんとchaosgrooveさんが組んでのライブも初めてだったような気がします。


小宵:配信ライブでは何回かやられているんですけど、リアルのイベントだとカオグルさんがついていたのは初めてだったんですよね。他の演者さんとは演出の毛色が違っていたし、めちゃくちゃいいなって思いました。

ナギサワさんは、今回の出演者の中では1番見たことがなかったんですよ、なんだかんだでリハもなかったし。シンプルに歌が上手くて、楽屋のみんなで「歌…上手いな…」って言っていました。ナギサワさんはアコギ1本の弾き語りだったんですけど、半端ない声の圧力とか存在感とかがすごくて、他の演者の方にも見劣りしなくて…お客さんを引き込む空気作りとかがすごく上手なんだなと思いましたね。

兎馬:ナギサワさんは前にライブを見たことがあるので、前見た通りの素晴らしいライブだなって感じだったんですけど、リハなしとは思えないくらい完璧でしたね。


ー 改めてになりますがリハーサルなしですもんね…。


兎馬:そうなんですよ。なのに完璧だったなぁっていう。あとはすごく元気がよくて、MCの時とかは大きな声でけらけら笑っているんですけど、曲はしっとりしたものとかもあって、緩急がすごく上手いなって思いました。波というか、ころころ表情が変わっていくのがお客さんが引き込まれる要素なのかなと思いますね。30分とは思えないボリューム感でした。


ー 1時間分くらいの熱量とかがありましたよね。


兎馬:本舗さんは今回の出演者の中で唯一映像だけだったので、正直なところ、私としてはステージに人間がいないっていうのが、普段ライブに来ているようなお客さんがにはどう見えるのかなって少し心配だったんですよね。始まってみたら、楽曲とかはもちろん素晴らしいですし、演出も実際に見てみたら「今やってるな」っていう感覚がしっかりあって臨場感もめちゃくちゃあったし、お客さんにもすごくよかったですって言ってもらえたりもして、ちゃんと伝わってるんだなって思ってすごく安心しました。曲をすごく堂々とやられていてかっこよかったんですけど、MCになったらガチガチしていて「ああ、本舗さんだなぁ」ってなっていたりもしましたね。

貝と蜃気楼…小宵ちゃんのバンドは音圧がすごかったですね。私が初めて見に行ったライブが300人規模くらいのライブハウスで、ロックバンドのものだったんですよ。元々そういうものがルーツだったので、私がすごく好きな音楽をとてもかっこよくやっているなって感じたし、迫力がすごかったなって。バンドメンバーの方々もかっこよくて音がめちゃくちゃデカかったんですけど、それに張り合えるくらいのしっかりしたボーカルをしていたのがすごくいいなって思いました。

小宵:ありがとうございます。

兎馬:あとはMCがめちゃくちゃよかったですね。突然、バンドメンバーに対してバンド紹介のアドリブを入れだすっていう。正直、小宵ちゃんはMCとかに苦手意識を持っているって思っていたんですけど、あれは結構ウケていたのでよかったなって。バンドメンバーの方は「マジかよ」ってなってましたけど(笑)


ー あとからバンドメンバーの方からは何か言われたりはしましたか?


小宵:謝ったら「いや、楽しかった」って言われたので「あんまり申し訳ないと思ってないです」って言いました(笑)

兎馬:(笑)
でもMCで振られた時、ベースのMiNT(ミント)さんから「マジで!?」って言ってる声聞こえたよ?

小宵:みんな優しいから怒ってなかった。もう思いつきだったんですけど、貝と蜃気楼っていうバンドを始めて、自分的には継続してグループとして音楽をやるっていうのが初めてだったので「小宵ちゃんのバンド」って言われがちじゃないですか。打奏驚蛇の告知の時には「小宵が出るよ」としか言ってなかったりしてたし、まあ間違いでもないのはないんですけど。でも、他のメンバーのことも印象に残って欲しいとか覚えて帰って欲しいって思ったので、ああいうのをやりたかったっていうのはありますね。

兎馬:ライブをやるってなった時には、貝と蜃気楼の話はまったく出てなかったしね。

小宵:まあ、小宵の心の中にはあったよ…(笑)

兎馬:あったんだ…。当初はバンドを組むっていう話じゃなくて、一緒に出てくれる人を探すっていう感じだったんですよ。なので「打奏驚蛇をやります!」ってなったあとに「バンドを結成することになりました」ってなっていたんですよね。だから最初の時点では”小宵”ってだけ書いてあったんですよ。


ー ”バンドができてからライブの告知”の逆だったんですね。


小宵:なのでライブが決まってから曲を作り始めました。


ー 自分も現地で見させていただきましたが、純粋にお客さんとして楽しかったです。ライブハウスで大きい音を聞くのっていいな、と。耳栓を持参しましたが、持っていってよかったなと思うくらいには音量が凄まじかったです。


小宵:今回、バンドとしての反省点として私的に最も大きいのは、”耳栓を持ってきていいんだよ”という事実を周知徹底しようということ…。

兎馬:そうなんですよね!(笑)この人たち、”音がデカい”は褒め言葉だと思っているから、音がでかすぎるっていうのは通用しないんですよ。なので、みなさんが耳栓を持ってきてください(笑)

小宵:Vol.2以降は持ってきていただいて…。

兎馬:私はライブハウスで音圧をガンガンに感じるのがめちゃくちゃ気持ちいと思っているので、音がデカすぎるっていうことはないんですけど、やっぱりライブハウスに慣れていない方はびっくりしちゃうと思うので。

小宵:びっくりしちゃうか…。

兎馬:実際「音がデカくてびっくりした」って言われたんですけど「癖になりそう」って言っていたので、それはそれでいいんじゃないかなって思います。私は一応「耳栓を持ってくるんだよ」って言いましたけどね。


ー 持ってこないとダメというわけでもないすしね。


逆にライブに来られていかがでしたか?


ー 自分ですか?


小宵:(笑)

兎馬:初めて見る演者さんも多かったと思いますし、バーチャルの方とリアルの方が共演してライブをやるというのを見てというか。


ー リアルの演者さんのライブもバーチャルの演者さんのライブもどちらも自分は行ったことがあったので、感覚としては知っているものだったのですが、ものすごく単純な感想に聞こえるかも知れませんが「触れ合っているな」「同じところでやっているな」という感覚というか空気感がすごいなという気持ちはありました。


兎馬:Vtuberさんの中にもライブハウスでライブをやりたいなって思っている方って絶対いると思っているんですよ。”ライブハウスでライブをやりたい人”がちゃんとみんなできるようになったらいいなと思っています。



・好きなことをやって結果を出すっていうのを曲でも表現したいっていう。


ー いろいろな形でライブというものが実現していけばいいなと個人的にも思っています。この話の流れといいますか、兎馬さんと小宵さんとデュエットで歌う時間もありましたが、曲のことをお聞きしたいと思います。



小宵:そのことすっかり飛ばしちゃってたな…(笑)

兎馬:結構大きいことなのに(笑)

そもそもの始まりが”私が小宵ちゃんと曲を作ってライブをやりたい”だったので、曲は作ろうということになったんですよ。そこで小宵ちゃんと私の共通の知人の宮村(Itsuki Miyamura)くんにトラックをお願いしたという感じで。初めからライブに向けて作ろうっていうことで、ライブ映えする曲をやりたいっていう話をしていて、みんながリズムに乗りやすいようなものをお願いしました。ただ、あまりノリノリにしすぎると小宵ちゃんとはちょっと違うと思って、そこに加えてポエトリーみたいなものも入れたいということは言っていましたね。曲のコンセプトは…なんて言ってたっけ?小宵ちゃんから言った記憶があるんだけど。

小宵:なんだったっけ…。

兎馬:たしか「俺らが勝つ」みたいな……。

小宵:要約すると、まあ、そう(笑)

兎馬:「俺らは勝つし、それを楽しみたい」「全力で楽しくやって勝ちたい」っていう。

小宵:宮村くんと3人で曲の打ち合わせをしていた時に「曲を作るのって遊びだよね」って話をしたんですよ。これはふざけているとかではなくて、”本気の遊び”っていう好きなように好きな人とやるっていうことで、”自分の一緒に作りたい人と作りたいものを呼んで好きなように遊んだ結果買っていくのが俺ら”っていうことなんですよね。

兎馬:そういうことですね。好きなことをやって結果を出すっていうのを曲でも表現したいっていう。私がサビのフックを書いて、歌割りを割って、小宵ちゃんのパートを小宵ちゃんが書いて、私のパートを私が書くっていう風に進めていきました。

サビのメロと歌詞を考えている時にバイト先の喫茶店のマスターが「『香水』のサビの入りがちょっと無理矢理にメロにハメているのが耳に残るよね」っていう話をしていたんですよね。それを聞いた時になるほどって思ったんですよね、ちょっと無理矢理に入れているところが1箇所あると、頭に残りやすいのかなって。なのでサビの『君にもらった』っていう部分をやや強引に突っ込んでみようとしてみたんですよ。

小宵:緩急がついているのかもね。サビに入る前までは結構ゆったりしてるけど、サビに入った時にギュンってなるみたいな。

兎馬:しかもそのあとに小宵ちゃんのポエトリーが頭にくるんですよね。曲が明るいのでそんなに暗くは感じないんですけど、内容は結構重たいんですよ。そこにサビがやや前のめりに明るく入ってくるっていう。そこまでできあがったところで、小宵ちゃんらしいところとバランスを取るような気持ちで元気な感じにしました。

小宵:この『フール』以外にも2人でおやすみホログラムの『FIRE』をカバーさせていただいたんですけど、なんで『FIRE』にしようと思ったんですか?兎馬さん。

兎馬:おやすみホログラムのセトリはカナミルが決めているので、それの邪魔をしないように、現体制でやらなそうな曲を選ぼうと思ったんですよ。それで『フール』とやるってことでバランスがいいかなって思ったのと、後半のところとか交互に歌うところがあるので、2人でやるのにふさわしいかなって思って選びました。

小宵:2人でやるの楽しかったもんね。


ー 次元の違う存在と歌うということはなかなかにないかと思いますが、実際にライブで歌ってみていかがでしたか?


兎馬:安心感がありましたね。私はおやホロでステージに立つことが多いので、そういうところで緊張していなかったんですけど、今までやったことがない人とやるっていうのは勝手が違うといいますか…過去にもエレクトリックリボンというアイドルさんの生誕でpippiさんという方とやらせていただいたりとかしたことはあったんですけど、その時は緊張したんですよねいつもと違う人っていうことで。でも小宵ちゃんのことは前から見ていたし安心感があったので心配はなかったですね。

小宵:自分もあまり緊張しなかったですね。

兎馬:次元が違うとはいえ、あんまり違うとかいうのは意識なかったですね。ステージがいつもより広いなって感じたぐらい?

あ、でも、小宵ちゃんがあんまり大きい動きができないっていうのと、スクリーンが降りているので、めちゃめちゃ動こうっていうのは意識してましたね。まあいつも動いてはいるんですけど。

小宵:自分もそんなに構えていなかったですね。その前の貝と蜃気楼の時から緊張はあんまりしてなかったっていうか、練習も結構していましたし。感想としては楽しかったですね。



・現地と配信両方とも買ってくださっている方がいてすごくありがたかったですね。それくらい価値のあるものになったのかな、と。


ー 今回、配信もされていましたが終演後に配信映像を確認はしたとは思うのですが、改めて見た時の感想はいかがでしたか?


小宵:めちゃくちゃ音と映像がキレイで、MARZさんはすごいなあ…って思いましたね。

兎馬:すごいよかったよね!

小宵:当日は結構自分の出番までは準備が結構あって、自分の前までのナギサワさんと本舗さんはしっかりと見れていなかったんですよ。なので改めてゆっくり見れてよかったし、貝と蜃気楼のところはめちゃくちゃかっこよかったです。


ー こちらの方でもアーカイブ映像を拝見していたのですが、現地だとスクリーン越しだった場所も、内側にカメラが入っていてそちらの様子も見れたので、配信は配信で現地とまた違った感覚がありました。


小宵:現地と配信で違うよさがあるイベントになったかもしれませんね。

兎馬:Twitterを見ていたら、現地と配信両方とも買ってくださっている方がいてすごくありがたかったですね。それくらい価値のあるものになったのかな、と。スクリーン越しでも貝と蜃気楼さんとかバンドメンバーも結構見えてましたよね。その点もよかったなって思っています。

おやホロに関しては普段から自分でも見ているのであんまり言うことがないんですけど…(笑)でもいつも通りかっこよかったですね。あとは自分がすごい楽しそうだなって思いました。すっごいニコニコしてんなこいつって(笑)


ー 一通りお聞きしましたが、Vol.2はあるんでしょうか。


兎馬:絶対あるでしょう。

小宵:まだ何も決めてないけど、ある(笑)

兎馬:あります!(笑)

まあまだ何も決まっていないとはいいつつ、反省点ややりたいことは結構書き出したりはしています。


ー 今のところ言える範囲でやりたいことなどはあるんでしょうか。


兎馬:今回は正直普段ライブ来ているような人からすると、チケット代がいつもよりちょっと高かったかなって思うんですよ。日曜日っていうのもあってっていうのが理由の1つではあるんですけど、また日程だったりを調整してもうちょっとお手軽な値段で来てもらえるよなパターンも試したいなっていうのもあります。あとは1組1組ちょっと短めの尺で大勢の人を呼んでみたいっていうのもありますし、アイドルさんとかも呼んでたいっていうのもあります。

小宵:この人呼びたいなっていうのはありますけど、それはまだ言えないですし、いっぱいいますということだけ…。

兎馬:自分たちがめちゃくちゃ好きなバンドがあるんですけど、将来的に対バンしたいなっていうのはありますね。

小宵:これは回数を重ねて打奏驚蛇を大きくして呼べるようになりたいっていうのはあります。


ー 打奏驚蛇Vol.1がひとまず終了したということで、おふたり個人の今後の予定などはありますか?


兎馬:はっきりまだ決まってはいないんですけど、自分で作った曲の実写のMVの撮影編集を1人でやっていますので、お楽しみにっていう感じでしょうか。

小宵:いろいろ準備中です!貝と蜃気楼は秋M3でも何かだそうと思ってます!お楽しみに!





兎馬(とば)フィグ
5人組ユニット・おやすみホログラムのボーカル
ミスiD2021でセミファイナル進出後、昨年7月におやすみホログラムに加入
Twitter:@Figue_et_lune
YouTubeチャンネル
おやすみホログラム公式Twitter

小宵(こよい)
ウタとコトバを届けるバーチャルアーティスト。
オリジナル曲の歌唱・作詞の他、文筆活動を行う。
目標は自分が作り出すミームで世界を征服すること。
Twitter:@Koyoi_1101
貝と蜃気楼
YouTubeチャンネル
BOOTH

日向キタロー
アニメとゲームと特撮とバーチャルが好きなオタク。
Twitter:@HinataHuto





取材・文:日向キタロー

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