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無駄を生むって、意味のないこと?

「無駄なことを生み出したい」と、断言している女の子がいた。

昨夜たまたまテレビを付けたら出会えた言葉だ。セブンルールという番組で、無駄な発明ばかりを1日一個づつ生み出している発明家の女の子が特集されていた。

目的はあくまでも無駄なものを作るということで、その物が成功か失敗になるかを目的としないで、ただひたすら無駄を生み出していた。

その発想がとにかく面白くって、見入ってしまった。有意義なものを生み出すための逆転の発想といういう訳でもない。そこが良かった。結果的にとても有意義なものとなったとしても、彼女にとってはそこはさほど重要ではないのだ。

番組内での沢山の無駄な発明の中からひとつ。例えば、今では声を掛けるだけで勝手に音楽をかけてくれるようなシステムがあるけれども、彼女は何もない所に向かって声でそれを言うのが恥ずかしいから嫌だという。

で、考えた方法が、黒電話に電話して「オッケー、○○、星野源の歌をかけて」と受話器を持って話すという方法。受話器の向こうからSiriが答え、音楽が流れ始める。

その間彼女は重い受話器を持ったまま耳に当て、立ち止まって受話器の向こうから流れてくる音楽をずっと黙って聞いている。音楽が終わると受話器を下ろして切り、その場を離れるという面白さ。

手を離して、何もボタンも押さず、ましてやイヤホンも必要なく、聴きながら自由に動けるという利点を生かしたシステムの意味を、完全に打ち壊して無駄な時間を作り出していた。

それを楽しめたら彼女は嬉しい。何かに打ち勝ったことに対してではなく、無駄を作り出したという事実が嬉しいのだ。

今の世の中、ちょっとストイックになり過ぎている面がある。
私を含めてそうなっている。「頑張らなきゃ」「誰かにこのメッセージを届けたい」「共に生きよう!」といった前向きなエネルギーをSNSからでも何でも、外に向かって発信し続けてきた私たち。

勿論それはとっても大切なことで、助けられた人も沢山いるだろうし、本気で必要だったものだと思う。だからこそ今がある。

だけど今、少し客観的に世界を見れるようになって、そのストイックさ故に自分が潰れていってしまうかも知れない怖さが見え始めているような気がした。必要なものだけが必要なのだと完璧を求めれば、行き着く所には所には限りがない。つまりゴールが見えない。

結果やゴール地点を目的としなければ、それは楽しめる部分や自分を成長させるものとなるのかも知れないけれども、「意味があるものしか意味がない」という結果や完璧さを求めていくような日々となると、その日々はあまりにも辛い。

彼女は無駄な時間作りに幸福を見出している。だけど無駄な時間を作る為に、やりたくないことはやらない。それは彼女のルール。彼女は彼女のルールに添いながら幸福を見い出しているのだ。

彼女の無駄な発明の数々を見ながら、この番組をGACKTが見ていたらいいなと思った。私はコロナ登場初期の頃、彼の発信にとても助けられたうちの一人だし、前向きな日々の発信をホントに凄いと思った。

彼は今、自分自身と戦っている。もしこの無駄の時間に何かを感じたなら…彼はそれでも生き方を変えることはないだろうけど、ほんの一瞬、肩の力が抜けるかも知れない。

1日一回、踊るようにしているという彼女。その動きはかなりぎこちなく、特に踊るのが好きな訳でもないという。ただ、それをやることでそんなことをやっている自分が面白いのだと。自分のことを見ている客観視点が凄い。ある意味、達観だ。

私は最近、毎日一本の記事をYahoo!アプリに掲載している。どこかで自分を追い詰めるかのように。実際に取材はホント出会いも楽しくてアドレナリンも出るし、発信するとスッキリするし嬉しい。だけどそれがいつしか1日一本掲載という目標となっていることに気がついた。

今はいいけど、そのうちしんどくなるかも知れない。実際に楽しい、だけどそれを目標にはしない方がいいと思えた。掲載できない日があってもそれはそれでいい。忙しすぎるのは自分をいつしか追い込んでしまうだろうから。主観的になり過ぎずが大切かも。

そう思えたから、今日は時間をこの投稿に費やしてみた。ホントは原稿を早く書かないといけないけど、まあいっか。このSNS投稿が無駄な時間という訳ではもちろんないし、日々の日記のようなものだけど、今急いでやるべき発信の仕事を置いてまでやることでもないのは確かだ。

敢えてのこの投稿。コロナ禍で仕事がなく困っていた私がようやく再開できたライティングの仕事がある。だけどそこに集中し過ぎないようにしよう。

こんなどうでもいいような私の心の中に、皆さまお付き合いいただきいつもありがとうございます。あなたが読んでくれたこの投稿が意味のある時間になっても、意味のない時間として通り過ぎたとしても、私は読んでもらえたことが嬉しいです。ではではまた。

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