マヘリア・ジャクソンとキング牧師
※2023年6月にOFUSEで書かれたコラムを編集し再掲したものです。
親愛なる友だちへ、ひねもです。
今日は音楽紹介です。
レコード屋さんに行くとブルースとR&Bコーナーをまずチェックして、その後オールディーズ、70sPUNK、ガレージ、ソフトロック、スカ、スワンプ、レゲエ、そして60s70sのPOP/ROCKコーナーをザッと見て終わる。
ブルースはどこもそんなにたくさんは置いていないので、近くにあるソウルやゴスペルの棚もチラッと見る。そっち系は全然詳しくないので、サムクックの持ってないのあったら買おうかなとかそのくらいの気持ちで。
んで安ければジャケ買いもしてみる。
そうして最近買ったのがマヘリア・ジャクソンのゴールドディスク。
有名過ぎて説明不用だとは思いますがよろしければお付き合いください。
ゴスペルの女王”マヘリア・ジャクソン”
恥ずかしいことに僕は詳しく知らなかったので今回改めて調べたところどうやらマヘリア・ジャクソンは商業音楽路線ではなく、教会やコンサートで歌うのがメイン活動だったらしい。
つまりスターではなく聴衆と同じ目線に立って歌う人。
だからゴスペルの女王という呼び方にはちょっと違和感がある。
存在感と功績からすると女王って言葉になってしまうのかもしれないけど、もっとピュアでナチュラルでただそこに強く在るってイメージなのだ。
本人も「歌い手の中には尊大になり過ぎて、ファンの方が手紙を出しても本人に届かないほど遠い存在になってしまう人もいるけど、私には何故そんな風になれるのか理解できない。」と発言していたみたいだし。
ただひたむきに歌い続けたゴスペル歌手。
マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師の公民権活動に貢献したのも有名。
”I have a dream!”のあの有名な演説もマヘリア・ジャクソンの存在が強く影響したらしい。
1963年の黒人差別撤廃を求めたデモ行進。
20万人の前で演説するキング牧師。
テレビで生放送もされる大イベントで、プレッシャーはかなりのもの。
用意した原稿を読み進めるキング牧師だけど、いつもの力強さが無い。
この演説の前にゴスペルを歌ったマヘリアはそれを近くにいて見守っていた。
そして彼女はたまらず
“マーティン、例の夢について語ってあげて!”
と言った。
教会を一緒に廻っていた時に繰り返し語っていたあの夢の話しをここでしなよと言ったのだ。
その言葉を受けたキング牧師は原稿を脇に置き、一呼吸したあと聴衆に目を向け
“I have a dream!(私には夢がある)”
と力強く発言し、即興で喋り始めたのだ。
実際の演説がこちら
力強く、優しく、そしてバックビートの効いたキング牧師の演説はとても惹き込まれるものがあります。
マヘリア・ジャクソンとキング牧師による活動の映像も是非見て欲しいです。
エネルギーがすんごいです。
買ったレコードの内容は定番曲が多く(というかマヘリアがそれらを定番にしたのでしょうが)どれも最高。
今回1曲だけ紹介するなら、、、うーん、、、悩む、、、、、が、、、よし!
冒頭にサムクックの名前を出したのでサムもやってる
“DEEP RIVER”
にします。
深い河
懐かしいふるさと
ヨルダンは向こう側
深い河
ああイエス様
河を渡って
あの土地に行きたい
黒人奴隷の切実な叫びの霊歌です。
マヘリア・ジャクソンのバージョン
サム・クックのバージョン
ブラザー、シスター、頭空っぽにして音楽を聴こう!
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