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火の玉ロック(ジェリー・リー・ルイス)

※2023年5月に公式LINEにて配信されたコラムを編集し再掲したものです。


親愛なる友だちへ、ひねもです。

音楽が好きで色々と聴いてきた。

しかし、知らない音楽はたくさんある。 

ありすぎる。

現代はサブスクリプションの普及で膨大な量の音楽が月額制で聴き放題。

一昔前にはそんな事は考えられなかった。

聴きたいバンドやミュージシャンはたくさんあるけど、全部を買うことは不可能だった。

レコード屋でうーんと悩んで数枚を買うのがやっとだった。

なので、そのアーティストについてあまり知識が無い状態で買う時はベスト盤とか1stを買うことが多かった。

それを聴いてよかったら違うアルバムも買ってみようかなとか。

でも聴きたいバンドは無数にあるわけで、同じアーティストの音源を複数枚買う事はなかなかできなかった。

他にも名前しか知らないバンドがどんな音楽やってるのかすごく気になってたから。

中学生や高校生の頃は図書館のリクエストもよく利用した。

所蔵されてないCDを他の図書館から取り寄せたり購入してくれるというシステム。

思い出としてはバンド結成当初からお馴染みの入場SE

”The Return of Jackie and Judy/Tom Waits“

は高校生の頃に図書館リクエストで借りて知った。

気に入ったので最初のライブから現在までずっと使っている。

当時、トリビュートアルバムまで買う余裕は無かった。。

ちなみにこれに入っているマリリン・マンソンのKKK〜もすこぶるかっこいい。

原曲がラモーンズとは全くわからない大解釈カバーだ。





今でもレコードやCDを買うが、サブスクリプションで音楽を楽しむ機会も多い。

いわゆる名盤や1stしか知らないアーティストの5枚目のアルバムってどんなのなんだろ?

とか

50年代に活躍したアーティストが80年代に出したアルバムってどんな内容だろ?

とか気になっていた音源が気軽に聴くことができる。



長くなりましたが、ここからが本編です。

去年、亡くなってしまったジェリー・リー・ルイスをサブスクリプションで聴いた。

とても失礼だけど訃報を聞いた時にまだご存命でいらしたのか...とそっちに驚いてしまった。

勝手なイメージだがもう120歳くらいな気がしていた。。

なのでニュースで87歳だったと知って”そんな若いのか!”とビックリ。

そこでロックンロールレジェンドだけどジェリーリーの事を自分はほとんど知らないなと気付いたのです。

曲だと”火の玉ロック”や”ハイスクールコンフィデンシャル”や“クレイジーアームズ”はもちろん知っている。

DJでかけることもある。

他に知ってることは

・ブギウギスタイルでピアノを弾く

・立って客席を向いて弾きながら歌う

・ピアノに飛び乗る

・あだ名が”The Killer”って物騒なこと

・ザ・ハイロウズの“青春”の歌詞に登場する

・13歳の従兄弟と結婚した

...それぐらい。。

僕の中のジェリーリーは1950年代のままで止まってて、頭に浮かぶその姿はモノクロの映像&写真なのだ。

だけどジェリーリーはそこから87歳まで生きてるわけです。

当たり前だけど先程の3曲以外にもたくさんの曲を世に出してるわけです。

僕はそれらを全然知らない。

それで気になってサブスクリプションで検索して聴いた。

そうしたら初期はクレイジーブギウギピアノロックンロールだけど、途中からカントリー路線に変更して成功をしたことを知るのです。

1956年にデビューしてから紆余曲折有りつつもずっとツアーもやるしヒットも時々出してて、なんと2014年までコンスタントにアルバム出してるという。

そんな最近までやってたんだ!?、、、って事を恥ずかしながら全然知らなかったわけです。

すごいなジェリーリー!って最近やっとわかったのです。



ジェリーリーといえば

(本編とは関係ないけどキースのテレキャスターの音がメチャクチャかっこいい)

こういうザ・ゴキゲンブギウギピアノクレイジー野朗!ってイメージだったのです。


50年代は絶好調の人気者だった。

しかし英国に行った時に記者からの質問で“15歳のいとこと結婚してた”って事が世間にバレてしまう。

しかも本当は13歳なのに偽って答えてしまった。

さらにこれが初婚ではなく、22歳にしてなんと3度目の結婚。

その出来事からイメージダウンしてしまい音楽業界から干されてしまうわけです。

ちなみにその後も離婚して結婚してを繰り返し、生涯で7回結婚する。

かなり破天荒な人生。



そうして干されてからもすぐにカムバックして精力的にツアーする。

今まで通りのロックンロールな音源もたくさんリリースする。

しかし世間のイメージが悪いのでもうウケない。

仕方がないのでカントリーに路線変更する。


...この一連の流れを僕はサブスクリプションで聴いてて気になって調べて後から知る。


時系列順にアルバムを聴いてるときに、なんで突然カントリーアルバムを出してるんだろう?って不思議だった。

当時の事情を知って納得した。



で、このジェリーリーのカントリーがかなり良いのだ。

カントリー路線になってからまたヒットチャートにも頻繁に登場し、1位を取ったりもしてるらしい。

そしてほとぼりが冷めたのか、後になってまたロックンロールもやってたり。

中期ジェリーリーはカントリーもロックンロールもどちらもあの狂った熱量を感じてかっこいいのだ。

イメージに無いこういった楽曲もめちゃくちゃカッコいい。

ジョニー・キャッシュもビックリだ。


こうした発見はサブスクやYouTubeがなかったらできなかった。

レコード屋さんに入ってジェリーリーの16枚目のカントリーアルバムをたまたま見つけてそれを買うってことはなかなかない、、、と思う。


以上、ジェリーリーの魅力を更に知った話しでした。



他にサブスクで聴いたのだと80年代のアレサ・フランクリンってちゃんと時代に合った音でやってたんだな...とか。

僕の知ってるアレサは

こういう音のイメージだったからビックリした。

だけどストーンズとかもそうだけど、ちゃんとその時代の音でやってるんだなって。

そこがレジェンドは凄いなと思う。

ストーンズで思い出したけどアレサがやってるジャンピンジャックフラッシュのカバーで座ってピアノを弾いて歌ってるのはキースのアイデアらしいですね。

このイメージは全く無かったがデビュー時はそうだったとかで昔を思い出してやってみなよってキースが言ったとか。

映像の雰囲気がめちゃ楽しそうでたまらない。


ブラザー&シスター、扉を開けよう。

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