はじめに

「食べることが好きだからよく食べる」ということは、自分の中では当然の帰結に近い。しかし、意外と「なんでそんなに?」と言われることが多く、詳しく尋ねてみると、食べることが好きという前提が一緒でも「量がそんなに食べられない(胃袋が許容しない)」というひとが、思いのほか多いことがわかった。好き嫌いしているわけではないのに、いつも決まったものを食べる結果として、明確な好みがはっきりせず、新たなメニューに到達しないひともいる。胃袋の容量も限度があるから、これも仕方がない。もちろん、どこかに食べに行くにしても自分で作るにしても手間や時間や金銭が許容しないこともある。自分もいつまで食べ続けられるかわからない。いつか内臓が、足腰が、歯が、嚥下力が弱まってしまうかもしれない。食べ続けることができるのは、非常に限られた一時的なことなのだと思うに至った。何を思って食べていたのかも、きっと忘れてしまう。記憶が輪郭をとどめているうちに、好きな店の名前なども出しながら、書いておこうと思う。

胃袋が許してくれないから思うように食べられないひとは、行ってみたい店や行って良かったところを教えてほしい。代わりに行きます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?