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深夜散歩はRPGのよう

目に見えない力や存在はある
と思ってる
幽霊や超能力とか僕自身は目の当たりにした事がないけどまあ、あってもいいんじゃないかくらいに思ってる。
なんつったって宇宙があんなに広くて誕生の起源ですら仮説でしかわからない。
それならまだ人類がわかんないこと、わかっていことの方が多いと思う。
この日もそんな日だった。
もう毎月恒例の深夜散歩となりつつある。
今回は品川区大井町から大田区蒲田まで歩く。

台風のせいか風もあり気温もそこまでは高くなかった。
もちろん歩いていると汗はかくがここ数日の茹だる様な暑さと言うほどでもなかった。
綺麗な満月で
かなり空に向け写真を撮ってる人がいた。

線路沿いを南へ歩く。
駅前から少し離れるともう閑静な住宅街だった。
なんだかジリジリと火災報知器が鳴り響いていた。思えばこの時から何かこの後の散歩に警鐘を鳴らしている様でもある。まあぶっちゃけなんもなかったんだけど。

第一京浜を歩く。
この近くには鈴ヶ森刑場跡がある。
江戸時代の刑場跡地だ。

心霊スポットとしても挙げられるけど
ちゃんと綺麗にされていてもう鎮まっている。
最早心霊スポットなんて軽い言葉は失礼な気がする。

大きい通りを歩いていてもさほど面白味もないので途中小道を入り京浜急行大森海岸駅から京浜東北大森へ抜ける。
この辺りはなんだか豊洲あたりの地面に似てる。
スケボーがしやすそうな地面といえば何となく伝わるだろうか。
途中アライサンが
ちょっとうんこしたくなった。
と言う。
僕はこういう発言には真摯に向き合う様に心がけてる。
サラッと言う言葉がどの程度の緊急性を要するのかをないがしろにしない。
大森へ抜ける所でかなり切羽詰まっている様だったので割と小走り気味にトイレを探す。
コンビニでなんとか事なきを得た。

大森はスナックが多い。
我々が歩いている時間帯はまさにスナックが一番盛り上がっていた。
そこかしこから漏れ出る歌声を聴きながら大森を後にした。
この界隈で話題に上がったのは孤高のギタリスト榎木さんという人物だ。
もちろん架空である。歩くと想像力が爆発しやすくなるのだろうか。

蒲田は駅がかなり綺麗になっていたがやたらマッサージを勧められる街だ。
散歩で突っ切っただけで10人くらいから声をかけられたと思う。
他にはパジャマガールズバーが蒲田では名物らしい。

蒲田を抜けて今回のゴール(折り返し地点)
タイヤ公園を目指す。
遊具がタイヤだらけな公園という事で夜に行ったらちょっと不気味なんじゃないか?と。

実際行ってみるととても綺麗で平和な公園だった。
最初、到着した瞬間に煙がブワーっ!と上がっていたのでヤバい奴がタイヤを燃やしてるんじゃないか…とゾッとしたものの、その正体は公園で花火を楽しむ若者だった。
滑り台山頂上へ腰を下ろし休憩してると遅い時間にも関わらず若者が集まってきた。
たむろする感じでも馬鹿騒ぎするわけでもない良い若者だ。
実に平和な光景だった。

休憩後時間も遅かったので最短で帰ろうという事になり
真っ直ぐ行きゃぁすぐでしょ
と安易な気持ちでいた。

マップを見ると大井町まで確かに真っ直ぐだけど
実際歩くとなぜか途中道が逸れている。
そしてなかなか進まない。
見た事ある風景だが違う風景。
それはドラクエなんかであるなかなか抜け出せないダンジョン、大田区はそんな街だ。
大田区を抜けるあたりで猫を発見したのがダンジョンを抜ける鍵だったのかそこからはあっという間にホテルまでたどり着いた。

ダンジョンの番人

ホテルに着くと雨が降る。
まさに奇跡。思えば最初から
なーんか気味が悪い
そんな不思議な深夜散歩だった。

到着したところで雨が降る

記事投稿:クドーサン

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