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Non:Fiction Part9“1寸先は闇”

※これはフィクションです。

お前らはふと思ったことがあるか?もし、酔って運転してみたら?もし、酔って目をつぶったままバイクを運転しても帰れるんじゃないのか?

結論から言う。無理だ。というか一般人なら“何を言ってるんだ?”、“普通に考えたら分かるだろ”と思うだろう。だが俺は違った。やってみないと分からない。すごく馬鹿だった。もう衝撃でもない、オチも全て分かりきった話をしよう。

                             “ドッカーン!!”

目を開けると下に夜空があった。体感、5分。きっともっと短い。走馬灯?見えない。それよりも宙に浮いた時の時間がこんなにも長いとは。しばし考えがまとまる。

                             “ドサッ〜!!”

気がつくとエンジンのかかったままのバイクとぶっ壊れまくった看板と少々離れた俺。
事故だ。というより被害者のいない飲酒運転事故だ。正直、俺自身バイクはそんなに得意ではなかった。事故はシラフでも日常茶飯事。むしろよく生きてると思うほど。職場のマスターにさえ「お前はバイク向いてない」と言われるほど。知り合いの魚の配達をしていた俺は信号待ちに後ろのタイヤがスリップを起こしデカい魚ごとコケた時は子猫を轢いた時くらいの血が立体交差点に溢れた。それくらいだ。不器用なのだ。

そんな俺が酔って目を閉じて運転して事故を起こさない訳がない。体は動かない。今回は死んだと思った。しかし…。立ち上がった。ほぼ無傷で。というのも外傷はほとんどなく、ちょっと腰が痛いなぁという程だった。頑丈すぎる。
というよりは酔ってて体の力が全部抜けた状態だった。そのおかげで上手く受身が知らず知らずのうちに行えていたのだ。不幸中の幸いだ。何食わぬ顔で家に帰宅したのだがもちろん、俺が起こしたバイクの事故はこんなものでない。
しかし、ネタ的に言うとこれくらいしかない。しかも毎度毎度、一切怪我をしない。先程も言った通りで外傷はほとんど無く、ちょっと腰が…、
ちょっと膝が……って程度。

そんな事をやっていて捕まらないのか?疑問に持つだろう。そうだ。捕まらない。
     
                             “なんでやねん”

一向に捕まらない日々が5年経ったある日。終わりが来た。いつものように酔った俺はお茶を買いに行った。捕まったのだ。前科持ちだ。不埒な悪行三昧に終止符を打った。

『しかし当時の俺はそこまで気にしてなかった。ふーん。と他人行儀だったのだ。ここら辺から両親との溝の深くなった。そしてこの逮捕をきっかけに俺はトレインスポッティングすることになる。』


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