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百物語80話目「ため息の学校」(実話怪談)

田舎は子どもの数がどんどん減っていってる。

私の町の小学校も、最初は三つあったのが一つに統合され、今は中学校と一緒になってしまった。それくらい過疎だ。

うちの町はまだいい。存続はしている。

が、もっと奥地の小学校では廃校になったところが多い。そういう校舎の使い道はいろいろで、芸術家を住まわせたり、宿屋になったりとしている。

友達のお母さんは交通事故にあって以来、あるヴィジョンが見えるようになり、そこから絵を描き始めて画家になった。そして、耶馬渓にある廃校にアトリエを持っている。

さて、高山さんとは別の友達がへき地で先生をしている。自身も小学校高学年からは寮暮らしをしないといけないくらいのへき地出身。けれど、どんどんと赴任先の小学校は廃校になっていった。

そういう小学校の中のひとつにまつわる怪談。

その小学校へ赴任してから、なるべく残業はしないようにと言われていた。特に男の人。普通逆じゃない?と思うけど、理由があった。

男の人が残業をして、ひとり残っていると、耳元で女の人のため息が聞こえるそうだ。

切なげに。

その声を聞くと、背中に氷水でも浴びせかけられたようになり、みんな飛んで帰る。

そんなため息の小学校も、今は廃校になって随分と経つ。

今頃、ため息の主はどうしているんだろう?

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